2012年、ベルルスコーニの汚職問題を契機にPdLから旧AN系議員が大量離脱する中、自身もPdLを離党した。離党後はマリオ・モンティ政権を支持したフィーニ派のイタリアのための未来と自由(FLI)には合流せず、4名の議員と政治グループとして「イタリアの同胞」(Fratelli d'Italia)を結党した。メローニはイニャツィオ・ラ・ルッサ
(イタリア語版)元国防相のグループ「国民中道右翼」(Centrodestra Nazionale)と合流してイタリアの同胞・国民中道右翼(FdI?CN)を結党し、新党の副党首に就任した。2013年、共和国議会総選挙では故郷のラツィオ州から北部のロンバルディア州第3比例区に選挙区を移し、下院議員として3期目を迎えた。FdI全体も中道右派連合に参加して約60万票を獲得して下院議員9名が当選した。2014年、ルッサから党首の座を引き継ぎ、党名をイタリアの同胞・国民同盟(FdI-AN)に改称した。旧AN系・MSI系政党の再結集を図る意向を示し、党青年団「国家青年(英語版)(Gioventu Nazionale)」を設置するなど組織固めを進め、同年の欧州議会選挙では議席獲得は果たせなかったもののイタリア全土で約100万票を集めている。
2016年、中道右派連合からローマ市長候補に擁立されたが、現在のパートナーでジャーナリスト兼司会者のアンドレア・ジャンブルーノとの間に出来た娘ジネウラの妊娠中に出馬したことなどが響いて右派票を固めきれず、同じ女性政治家で五つ星運動に所属するヴィルジニア・ラッジに敗れた。2017年、マッテオ・レンツィ政権の総退陣につながった憲法改正投票に、党として反対票を投じている。
2018年、共和国議会総選挙では党名をイタリアの同胞(FdI)に戻すことを発表した。本選挙では小選挙区制が復活したことからラツィオ州の第7小選挙区(ラティーナ県)に中道右派連合の公認を受けて出馬、約40%の票を得て当選した。下院議員33名・上院議員17名が選出されたFdIは議会の第5党となり、一度は空中分解状態に陥っていた旧国民同盟勢力を着実な組織運営で纏めなおし、イタリア社会運動時代の党勢にまで回復させている。選挙後に成立した五つ星運動と同盟による連立政権には加わらなかったものの、ポピュリズムと距離を取るベルルスコーニのフォルツァ・イタリアとも一線を画して閣外協力の姿勢を取った。
2019年、同年の欧州議会選ではFdIの得票が制限条項を上回って議席を獲得、地方選でもアブルッツォ州の州知事選で勝利を収めるなど躍進が続いた。同年、五つ星運動が民主党の左派連立が成立すると中道右派連合の所属政党と共に野党として活動した。
2020年、マッテオ・サルヴィーニ、シルヴィオ・ベルルスコーニらとアルフォンソ・ボナフェデ(英語版)法務相の再任に反対票を投じている。
2021年、欧州や南米の反左翼政党によるマドリード憲章(英語版)にFdI党首として署名した。
2022年9月25日執行の総選挙ではFdIが第一党となり、イタリア初の女性首相となることが確実になった[10]。10月21日にセルジョ・マッタレッラ大統領からの首相候補指名を受諾し、22日に政権が発足した[11]。 観測筋は、メローニの政治的立場を極右と評している[12] [13]。スペクテイター誌のNicholas Farrellとのインタビューで、メローニは自分の政治が極右であるという説を否定し、反対派による中傷キャンペーンだと呼んだ[14]。さらに、メローニはハードライト[15]、右翼ポピュリスト[16][17]、ナショナリストと評されてきた[18] [19]。メローニは、ハンガリー首相でフィデス=ハンガリー市民同盟のリーダーであるオルバーン・ヴィクトル、フランスの国民連合、スペインのVoxといった極右に近いと言われている[20]。メローニは、自身の政党「イタリアの同胞(FdI)」を「保守本流」と自称している[21]。彼女は大統領制に賛成で、イタリア憲法の改正を支持している(現状のイタリアにおける大統領は議会が選出し、概ね象徴的な元首)[22]。 2006年、メローニは、ベルルスコーニ第三次内閣が可決した、ベルルスコーニの企業に利益をもたらし、またベルルスコーニが関与する進行中の裁判を遅らせる法律を擁護した。メローニは「文脈を整理することが必要だ。それらはシルヴィオ・ベルルスコーニが自分のために作った法律だ。しかし、完全に公正な法律だ」と述べた[23]。 メローニは、中絶、安楽死、同性婚やシビル・ユニオンを認める法律などに反対している[24]。2019年10月にポポロ広場で行われた集会で、彼女は同性間の子育てに反対する演説を行い、その演説はイタリアのソーシャルメディア上で拡散された[25]。メローニは反同性愛嫌悪であるDDL Zan メディアからは「極右のフェミニスト」とも呼ばれるが、一部のフェミニストからはファシストと揶揄されている[4][36]。
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