キャッシュの音楽の多く、特に後年の作品は悲哀、道徳的試練、贖罪をテーマにしている[3][11]。『I Walk the Line 』、『Folsom Prison Blues 』、『Ring of Fire 』、『Ghost Riders in the Sky[12]』、『Guess Things Happen That Way 』、『Man in Black 』などの曲で知られている。他にも『One Piece at a Time 』、『A Boy Named Sue 』[13]、後に妻となるジューン・カーター・キャッシュ(en:June Carter Cash)とのデュエット『Jackson 』、鉄道をテーマにした『ヘイ・ポーター』、『Rock Island Line 』などユーモラスな曲もある[14]。後年、キャッシュはナイン・インチ・ネイルズの『Hurt 』など、20世紀のロックをいくつかカヴァーした。
2003年に死去するまでに放ったヒット曲数は140曲以上で、そのヒット曲最多売上曲数は世界記録保持者エルヴィス・プレスリーの151曲に迫る数字である。年間4枚以上アルバムを発売した年も多い。レコードとCDの累計売上がこれまでに5,000万枚を記録しており、グラミー賞も11回受賞し、ほかにも数々の受賞歴を持っている。「ロックの反逆性と、カントリーの哀愁、フォークの語り口」といわれる独自の世界観を持つ歌が特徴で、クリス・クリストファーソンやリック・ルービン、マール・ハガード、U2のボノ、ボブ・ディラン、ウィリー・ネルソン、ウェイロン・ジェニングス、アル・ゴア[15]らから共感や尊敬を得ている。支持政党はアメリカ民主党。
キャッシュは53歳の時に、カントリーぎらいで有名なフランク・ザッパと出会った。両者とも民主党支持だったため相性が良かったのか、後日ザッパはコンサートでキャッシュの「リング・オブ・ファイア」を歌った[16]。
前妻との娘ローザンヌ・キャッシュ[17](81年に「セブン・イヤー・エイク」のヒットあり)や、ジューンとの息子ジョン・カーター・キャッシュ、ジューンと前前夫の娘カーリーン・カーターなども歌手である。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第21位[18]。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第31位[19]。
「Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第14位[20]。