1932年に事務総長エリック・ドラモンドの後任問題が持ち上がるとアヴェノルが候補者に挙がった。これは1920年に英仏間で交わされた「イギリス人事務総長の次はフランス人を事務総長にする」という秘密協定に基づいたものだったが、ドラモンドはアヴェノルが後任になることに反対して他の候補者を出すようにフランスに打診した。しかし、フランスはドラモンドの打診を受け付けず、一方のアヴェノルはイギリス・大日本帝国・イタリア王国・ヴァイマル・ドイツの支持を得ていた[2]。 アヴェノルが事務総長に就任して間もなく、国際連盟は満州事変による日本の連盟脱退や第二次エチオピア戦争などの国際問題に直面することになった。彼はドイツ・日本に続きイタリアが連盟を脱退することを恐れ、またイタリアをフランスの潜在的同盟国と見做していたため消極姿勢を取り、イタリアの行動を容認した。国際連盟はソビエト連邦の抗議を受け、イタリアに対して経済制裁を実施したが効果はなく、1936年のイタリア領東アフリカ成立により権威も失墜した[3]。デュイリエにあるアヴェノールの墓。 1938年にナチス・ドイツがアンシュルスを実行した際には加盟国リストからオーストリアを削除し、さらに連盟のオーストリア人職員を解雇した。また、ポーランド侵攻による自由都市ダンツィヒのドイツ領編入の際にも有効な対抗策を講じなかった。1940年6月22日に独仏休戦協定が締結されると、アヴェノルは連盟のイギリス人職員を解雇[4]し、ヴィシー政権首班となったフィリップ・ペタンに忠誠を宣誓する書簡を送った。 アヴェノルはナチス・ドイツのフランス侵攻終結後の8月に事務総長を辞任し、アイルランド人のショーン・レスターが後任となった[5]。辞任後はフランスに戻りヴィシー政権で役職を得ようとするが、1943年末にドイツ軍に逮捕されることを恐れスイスに脱出した。その後はコラボラシオンとして逮捕される危険性があったため、第二次世界大戦終結後もスイスに留まり、1952年に心臓発作で死去した[6]。 外交職
事務総長
晩年
出典^ Bob Reinalda: ⇒Joseph Avenol, second Secretary-General of the League of Nations. IO BIO Project, Radboud-Universitat Nijmegen, 2012.
^ Dividend & Avenol, TIME magazine, Ausgabe vom 19. Dezember 1932; ⇒im Online-Archiv von time.com (englisch;. html).
^ Cornelia Fuchs; ?Vom Volkerbund zur Weltregierung“, Teil 1: 1918-1940; ⇒im Online-Archiv von stern.de (deutsch;. html).
^ William L. Shirer: ?Berlin Diary The Journal Of a Foreign Correspondent 1934-1941“, London 1941, S. 351
^ James Barros: ?Betrayal from within; Joseph Avenol, Secretary-General of the League of Nations, 1933-1940“, New Haven 1969, S. 255 ff.
^ Kurznachruf, TIME magazine, Ausgabe vom 15. September 1952; ⇒im Online-Archiv von time.com (englisch;. html).
参考文献
James Barros: ?Betrayal from within; Joseph Avenol, Secretary-General of the League of Nations, 1933-1940“, New Haven 1969.
Arthur W. Rovine: ?The First Fifty Years: The Secretary-General in World Politics 1920-1970“, Leiden 1970, ISBN 90-218-9190-5.
先代
エリック・ドラモンド 国際連盟事務総長
第2代:1933年 - 1940年次代
ショーン・レスター
表
話
編
歴
国際連盟および国際連合事務総長
国際連盟
(1919年 - 1945年)
ジェームズ・エリック・ドラモンド(イギリス) - ジョセフ・アヴェノル(フランス) - ショーン・レスター(アイルランド)
国際連合
(1945年 - )
グラッドウィン・ジェブ(イギリス)* - トリグブ・リー(ノルウェー) - ダグ・ハマーショルド(スウェーデン) - ウ・タント(ビルマ) - クルト・ヴァルトハイム(オーストリア) - ハビエル・ペレス・デ・クエヤル(ペルー) - ブトロス・ブトロス=ガーリ(エジプト) - コフィー・アナン(ガーナ) - 潘基文(韓国) - アントニオ・グテーレス(ポルトガル)
* - 事務総長代行
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