ジュディ・ガーランド
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その後、空前の大ヒットとなった『若草の頃』(1944年)、『ハーヴェイ・ガールズ(英語版)』(1946年)、フレッド・アステアと共演する『イースター・パレード』(1948年)といった娯楽大作で主役をつとめ、国民的な人気俳優としての地位を不動のものとしてゆく。
乱れる生活

1941年に作曲家のデヴィッド・ローズと結婚した。翌年妊娠したが、当時カリフォルニア州では違法だった堕胎手術を受けている。1943年に離婚。1943年1945年

そしてこの頃から神経症と薬物中毒の影響が表面化し始め、撮影への遅刻や出勤拒否を繰り返すようになる。1947年に出演した『踊る海賊』の撮影では、130日余の撮影中に36日しか姿を見せていない。撮影後にはジュディ自身が「私の最初の精神病院入院」と呼ぶサナトリウムへの長期入院[4][5]を余儀なくされ、自殺未遂事件[6]を起こす。以降、度々薬物治療のための入退院を繰り返すこととなる。

1945年、映画監督のヴィンセント・ミネリと再婚。翌1946年3月、のちに女優となる娘ライザ・ミネリを出産する。ライザは2歳のとき『グッド・オールド・サマータイム(英語版)』(1949年 日本未公開)で子役として映画デビューしている。

その後も乱脈な生活と不安定な精神状態はつづき、1949年に計画されていた『ブロードウェイのバークレー夫妻(英語版)』で、撮影を放棄するなどしたため主役を降板している。さらに同年、映画『アニーよ銃をとれ』の撮影中に錯乱状態に陥ってアニー役から下ろされてしまう。

同名ミュージカルの映画化作品でタイトル・ロールアニー・オークレイ役に配役されたが、舞台でのエセル・マーマンのイメージが強いアニー役を演じることに神経質になっていた上、長年の子役から脱却した後に大人らしくない役を演じることに不安であり、バスビー・バークレー監督との不仲もあった。バークレーは全ての楽曲を演出しており、ガーランドの努力不足、態度、熱意に厳しかった。ルイス・B・メイヤー社長に文句を言い、バークレーを作品から解雇させようとした。この時ガーランドはうつ病で遅刻や欠席をするようになり、治療のため電気ショック療法を受けていた。[7][8][9]

1949年5月10日、ガーランドは降板させられ、バークレーの演出に意欲のあったベティ・ハットンが後継となった[10]。ガーランドはマサチューセッツ州ボストンにあるピーター・ベント・ブリガム病院に長期入院し、その後しばらくして飲食も睡眠も通常通りに戻った。入院中、体の不自由な子供たちと会うことで癒しとなり、1964年のインタビューにおいて、入院中の回復について、さらには「愛の奇跡 (映画)(英語版)」(1963年)への影響について語った[11]
解雇

1950年公開の『サマー・ストック(英語版)』(日本未公開)の撮影をしていた1949年、以前と比較して20ポンド(約9キロ)太り、撮影に影響を与えた。ジュディは結果的に減量したものの、MGMはジュディを解雇。ショックを受けた彼女は再び自殺未遂事件を起こす。翌1950年にはヴィンセント・ミネリと離婚。

1952年にシドニー・ラフトと3度目の結婚をし、彼や友人のビング・クロスビーたちの勧めに従ってハリウッドを離れ、ロンドンニューヨークで歌手としてステージ活動を行う。これが成功し、ジャズ歌手としてのジュディの歌唱力が人々に再認識されることとなった。
銀幕復帰

1954年ワーナー・ブラザースで撮影された『スタア誕生』で久々の映画出演を果たす。 ジュディと当時の夫シドニー・ルフトが設立した製作会社トランスコナ・エンタープライズによって製作され、ワーナー・ブラザースが資金、製作設備、スタッフを提供した。 この作品は大ヒットし、ジュディはゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。そしてアカデミー主演女優賞にノミネートされた。

しかしワーナー・ブラザースは、撮影中の遅刻や出勤拒否を問題視し、彼女の受賞のための宣伝や根回しを一切行わなかったほか、授賞式前に「彼女ではもう二度と映画は撮らない」と宣言した[要出典]。主演女優賞は『喝采』のグレース・ケリーが受賞し、ジュディの受賞はならなかった。

サミー・デイヴィスJr.は自伝の中で「何故あの時ジュディが敗れたのか、どうしてもわからなかった。誰かが彼女を罰しようとしたのだ」と記している。

1961年、彼女は7年ぶりに大作『ニュールンベルグ裁判』で映画に出演。バート・ランカスターマレーネ・ディートリヒと共演し、アカデミー助演女優賞にノミネートされた。

また、同年行ったカーネギー・ホールでのコンサートは「ショービジネス最高の一夜」と称され、収録した『ジュディ・アット・カーネギー・ホール(英語版)』はグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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