じゃんけんは偶然性に多くを支配されるゲームであるという特性から、しばしば確率の問題(設問)などで使われることがある[14]。例えば2人での対戦において、「グー」「パー」「チョキ」を出す確率をそれぞれ3分の1、つまり同様に確からしいと仮定し、あいこの際に勝敗が決まるまで無制限にやり直すとした場合でも、平均すれば1.5回で勝敗が決着する[14]。
また、じゃんけんをn人で行うとすると、nが2以上のとき1回の試行であいことなる確率は、1 - .mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}2n - 2/3n-1となる。
例えば、じゃんけんを4人で行う場合はnに4を代入して、あいこの確率は13/27となる。 じゃんけんは偶然性に多くを支配されるゲームである一方、心理戦の側面も有している。これは、競技の性質上、相手が何を出すのかが事前に分かっていれば確実に勝つことができるため、それを何らかの方法で読み取ろうとする努力がときになされるためである。 例えば、2人での勝負において、2回連続で互いにグーであいこになったとする。このとき、相手は何を出すかを考えると、一番単純なのは相手がまたグーを出すことであるから、それに勝つパーを出す作戦が考えられるが、相手も同じ考えをしてくるならばパーに勝つチョキを出すべきである。さらに、相手がそこまで見越してチョキを出してくることを想定して、再びグーを出す作戦も考え得る。このように、競技の性質から、思考は堂々巡りに陥ることになるが、相手の人となりを知っているのなら、そこから「どこまで考えを巡らす人物であるか」などを考慮に入れ、最終的に相手が出すであろう手を予測することになる。 また、1回目がグー・2回目がチョキであいこになったとすれば、「グー・チョキ・パー」という語呂から3回目にはパーが出てくる可能性が高い。特に、「あいこでしょ」がテンポ良く行われている場合には、別の手を出すまでに考えが至らないことも多く、テンポに乗せられてパーを出してしまう可能性も多い。テンポが速い場合には、手の決定は瞬間的・反射的に行われることが多いため、こういった予測が一層効果的であるとする考え方もある。 複数ラウンドによる勝負では、心理戦の要素は一層高まる。相手の性格と前回相手が出した手から、次に出す手を判断しそれに勝つであろう手を出すという作戦をとることができる。特に子供同士でじゃんけんを行っているときや酒が入るなど、判断力が低下した場でのジャンケンは顕著に性格が出るため、例えば前回相手が負けたなら、その負けた手に勝つ手を出すという作戦をとることができる。例えば、パー対グーで負けたときにはパーに勝つために相手はチョキを出すと予想し、グーを出すという作戦である。 1回勝負であったとしても、心理戦の要素を持ち込むことができる。実際のじゃんけんに入る前に、相手に「何を出すのか」と尋ねたり、「自分はグーを出す」などと相手に宣言するなどして、相手がそれに対してどう判断するかを予測したりして、心理戦を生じさせることができる。 別の方法は、自分の前で両の掌(てのひら)を、右掌が左側に、左掌が右側になるような形で合わせ、両手の指を結び合わせ、肘と手首を曲げながらその結び合わせた手を自分の顔の前に持ってくるものである(手をいったん下方に動かしてから自分の前に持ち上げる形をとる)。結び合わされた手は、小指の側が自分の顔に近く、親指の側が自分から遠くにあるが、その手を覗き込むようにして、結び合わされた親指の隙間から見える光の形を見る。 ただしこの方法の勝率への関係性は定かではない。 「手」を出し合うときの掛け声「じゃんけんぽん」は、標準的なものであるが、これには主に地方ごとに様々なバリエーションがある。 また、時おり同じ市町村でも地域によって異なる場合がある。通常の掛け声のパターンとメロディに乗せるパターン(京都など近畿地方に多い)に大別される。 日本では「最初はグー」とグーを出してから「じゃんけんぽん」のタイミングを合わせることがよく行なわれる。これは志村けんが考案したもので、飲み屋での仲間とのやりとりを「8時だョ!全員集合」での仲本工事とのコント「ジャンケン決闘」(1981?1982年)に取り入れ、そこから全国に広まった。それまでじゃんけんの出だしのタイミングが合わず、やり直しになることもしばしばあった。2020年3月の志村の死去時には日本じゃんけん協会が追悼コメントを発表している[16][17]。 掛け声は次の通りである。 「最初はグー、またまたグー[18]、いかりや長((チョキ))介アタマはパー[19]、正義は勝つ[20]じゃんけんポン」 ただし、近年は冒頭の「最初はグー」のみが掛け声として残され、以降を完全に省略することが殆どとなっている。 じゃんけんを基本ルールにした遊びとして最も有名なものとしては「あっち向いてホイ」がある。 そのほか、「グリコ」「たたいて・かぶって・ジャンケンポン」「おかしやさん」「カレーライス」「グリンピースじゃん」「軍艦じゃんけん」「ドンパッパ」「ビームフラッシュ」「じゃんけんブルドッグ」「猿さんべん」などがあり、また、「脚じゃんけん」「舌じゃんけん」など、手以外の体の部分を使って遊ぶものがある。あるいはまた、「最初はグー じゃんけんポンとだすアホがいる」「最初はグー じゃんけんポンと出さないアホがいる」などという、ひっかけのじゃんけんもあった。 野球拳でもじゃんけんを行うが、これは派生したものとは違う。※該当項目にて詳述する。 日本ではじゃんけんだけの大会が開かれることはほとんどないが、普及し始めて日の浅い地域では新知識に対する感動が大きく、世界大会が開かれるようになった。日本ではグーパーじゃんけんなどがあるので大人数でもじゃんけんのトーナメント戦はほとんど行われなくなったが、カナダに本拠を置く国際じゃんけん協会の主催による世界大会はトーナメント方式で戦われている。 歴代WRPS開催地および優勝者開催年開催地メダルチャンピオン性別国籍出典
心理戦
発声
掛け声
北海道 - じゃらけつほい[3]
仙台 - いしけんぎっ[3]、じっけっぴっ[3]
南東北 - じっけった[3]
北関東- じーげんぴっ[3]
関西 - いんじゃんほい[3][15](「いーんじゃーんで、ほーい」とのばす場合もある[3])
東海 - いんちゃんし[3]
静岡 -じすとっぺ[3]
飛騨 - じゃんけんしっ[3]
山陽 - じっけった[3]
導入部 (最初はグー)
派生した遊び
主要な大会
World Rock Paper Scissors Society sanctioned tournaments(WRPS)
2002年 トロント
(カナダ)Peter Lovering男カナダ[21]
Moe Asem男カナダ
Dave Ferris男カナダ
2003年Rob Krueger男カナダ
Marc Rigaux男カナダ
Patrick Merry男カナダ
2004年Lee Rammage男カナダ
Heather Birrell女カナダ
Chris Berggeren男アメリカ
2005年Andrew Bergel男カナダ
Stan Long男アメリカ
Stewart Waldman男アメリカ
2006年Bob Cooper男スコットランド
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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