ジャングル大帝
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

輸出先のアメリカの担当者も音楽を絶賛したという[35]

本作のレコードは朝日ソノラマ日本コロムビアが発売し、ソノシートEPレコードのほか、主題歌・挿入歌集『ジャングル大帝 ヒット・パレード』とレコード化に向けて新たに曲を書き下ろした『子どものための交響詩 ジャングル大帝』の2枚のLPレコードが発売された。

当時は朝日ソノラマソノシートが全盛期だったが、日本コロムビア専属歌手だったポップス歌手弘田三枝子がエンディング主題歌「レオのうた」を歌い、収録盤SCS-1は10万枚以上[36]のヒットを記録した。日本コロムビアの公式サイトではSCS-1を「アニメソングのコロムビアの原点となった」[37]としている。挿入歌集『ジャングル大帝 ヒット・パレード』と『子どものための交響詩 ジャングル大帝』の2枚のLPレコードについては、これが日本で最初の主題歌集とアニメの交響曲のLPだと言われている[38]

小学校の音楽授業の鑑賞教材にも使えるレコードという発想で制作された『子どものための交響詩 ジャングル大帝』は1966年の第21回芸術祭の音楽部門に参加し、奨励賞を受賞した。1976年に再プレスされて発売された他、2001年に音楽CD化されている。さらに、この音源にアニメーションを付けたOVA版としてVHSやLDやDVDが作られた。2009年には冨田勲自身による再編曲と新演奏の録音である改訂版の「交響詩ジャングル大帝?白いライオンの物語?」が発売されている。

オープニングテーマ『ジャングル大帝のテーマ』およびエンディングテーマ『レオのうた』は、『ジャングル大帝』のレオがマスコットキャラクターの埼玉西武ライオンズチャンステーマとしても使用されている。

2005年4月27日には、「ANIMEX 1300 Song Collection No.1:ジャングル大帝」がコロムビアミュージックエンタテインメントより発売された。
アメリカ輸出

『鉄腕アトム』での経験を活かして、テレビアニメ版は当初からアメリカ輸出を意識して製作された。アメリカでは既にカラー放送が主流になっていたことからカラーで制作。原作の漫画は大河ドラマであったのに対して、アニメ版ではどんなエピソード順に並べても大丈夫なようにするためと、万が一アメリカの放送コードに引っ掛かって放送できない回があった場合に備え、主人公レオの成長物語ではなくなり、基本は1話完結のエピソードとなっている[39]。特に黒人の描写には充分注意を払い、登場させる際には漫画的なカリカチュアライズした表現は使わない、悪役にはしないなどの配慮が取られた[40][41]。そのような妥協の甲斐もあって、『鉄腕アトム』に続き、アメリカの3大ネットワークの一角であるNBCが購入し、番組販売形式で『Kimba the White Lion』として放送された[42]
評価
富野由悠季
当時、虫プロに在籍していた
富野由悠季は、大卒者であったために本作へ関われず、鉄腕アトムのアニメ版の演出を続けていたが、「鳥の勝井」と呼ばれた勝井千賀雄が原画を手掛けた鳥の群れの描写が映るオープニングと1話?2話を試写会で鑑賞して、アニメーターの力を感じると同時に猛烈な嫉妬心を抱いたという。そして、作り手が映画的な演出をしっかり汲み取っていることを見せつけられる一方で、自分の演出にはダイナミックさがないことを痛感させられ、自身が手掛けた鉄腕アトムは『ジャングル大帝』に勝てなかったと総括した上で、「悔しいが認めざるを得ない」と語って、大きな傷心に繋がったと述懐している[43]
スタッフ

監督:
山本暎一、八村博也

作画監督:勝井千賀雄

撮影監督:清水達正

美術:伊藤信治

音響:田代敦巳、内田かほる、明田川進

音楽:冨田勲 (注:字幕上の表記では「富田」となっているが、正しい人名は「冨田」である)

指揮:森田吾一

録音・効果:岩田廣一

特殊技術:田崎茉沙夫、橋爪朋二、安田隆亘

美術監督:松本強

動物監修:小原秀雄

編集:島田羨子、尾形治敏、古川雅士

現像:東洋現像所

資料制作:清水武彦、野崎欣宏

作画制作:小山暉

アイディアマン:久米みのる

作画技術:沢井裕之

チーフディレクター:林重行

プロデューサー:山本暎一

制作担当:もり・まさき

制作:虫プロダクション、山本暎一

主題歌
オープニングテーマ - 「ジャングル大帝のテーマ」
作詞 - 石郷岡豪 / 作曲 - 冨田勲 / 歌 -
平野忠彦コロムビア版を歌う「三浦弘」は平野忠彦の変名である[注釈 1]。映像は一貫して不変だったが、第13話までは歌ありバージョンで、スタッフクレジットのテロップは小さめ、また映像ラストでは、歌が続いたまま「提供 SANYO」のクレジットが出され、途中で「SANYO」が反転して「三洋電機」のクレジットに変わった。第14話からはスタッフクレジットは大きめのテロップに変更、提供クレジットも省かれ、曲はヴォカリーズバージョンに変更したが、後に歌ありバージョンが復活した(時期不明)。後年の地上波再放送ではヴォカリーズ・提供無しバージョンを使用、日本映画専門チャンネルの「手塚治虫アニメシアター」で再放送された時も、ヴォカリーズ・提供無しバージョンを使用した。放送当時三洋電機が配布したソノシート「サンヨーのレオちゃんソノシート」では、曲名が「ジャングル大帝テーマソング」となっている。
エンディングテーマ - 「レオのうた」
作詞 - 辻真先 / 作曲 - 冨田勲 / 歌 - 弘田三枝子1コーラスバージョンと2コーラスバージョンの2バージョンがあり、2コーラスは主に再放送で使用。1コーラスは第5話までは1番を使用したが、第6話からは2番に変更した。また1コーラスバージョンには、イントロのヴォカリーズがコーラスグループではなく弘田三枝子になっているバージョンもある。DVD「虫プロ・手塚治虫アニメ主題歌集」(日本コロムビア)では弘田バージョンは曲は存在するものの映像が無いので、現存する1コーラスバージョン映像に音声を合成して作成した。
イメージソング - 「ジャングル大帝のうた」(「サンヨー・ジャングル大帝の歌」)
作詞・作曲 - 三木鶏郎 / 歌 - デューク・エイセス三洋電機のスポンサー告知としてオープニングに続けて放送された。ラストは「サンヨー?、サンヨー?、サンヨー?電機」と三洋電機の名が入る。映像は歌詞を下から上にスクロールするシンプルなものであった。放送当時三洋電機が配布したソノシート「サンヨーのレオちゃんソノシート」では、曲名が「サンヨージャングル大帝ソング」となっている。
各話リスト

話数サブタイトル脚本演出放映日
1行けパンジャの子
辻真先
石郷岡豪林重行
勝井千賀雄
永島慎二1965年
10月6日
2砂漠の風辻真先林重行10月13日
3動物学校石郷岡豪
雪室俊一永島慎二10月20日
4猛牛サムソン辻真先10月27日
5まぶたの大陸瀬山義文11月3日
6飢えたサバンナ北野英明11月10日
7ドンガの決斗石郷岡豪
雪室俊一瀬山義文
林重行11月17日
8気ちがい雲[注釈 2]辻真先山本暎一11月24日
9翼ある王者片岡忠三12月1日
10ふたつの心瀬山義文12月8日
11コンガ狩猟区(前編)永島慎二12月15日
12コンガ狩猟区(後編)12月22日
13密林の大合唱石郷岡豪
雪室俊一林重行12月29日
14アンドロクレス物語石郷岡豪永島慎二1966年
1月5日
15卵・卵・卵辻真先北野英明1月12日
16燃える河石郷岡豪
雪室俊一瀬山義文1月19日
17不気味な青蛇辻真先1月26日
18ベラと勲章安東穂夫
雪室俊一北野英明2月2日
19開かずの小屋辻真先勝井千賀雄2月9日
20レストラン騒動北野英明2月16日
21帰って来たサンディ永島慎二2月23日
22バーシィとっつぁん五味明北野英明3月2日
23大怪虫石郷岡豪平田敏夫3月9日
24森のマミー辻真先3月16日
25子象ジャンボ勝井千賀雄3月23日
26平和の肉石郷岡豪
雪室俊一林重行3月30日
27悲しいカメレオン辻真先瀬山義文4月6日
28山猫ミュー北野英明4月13日
29食獣花アラウネ瀬山義文4月20日
30追跡旅行北野英明4月27日
31死人洞の謎平田敏夫5月4日
32最后の密猟者勝井千賀雄5月11日
33牙なしヒューク事件石郷岡豪
雪室俊一林重行5月18日
34黒豹トットの逆襲(前編)辻真先
山本暎一林重行
永島慎二
勝井千賀雄
平田敏夫
北野英明
瀬山義文5月25日
35黒豹トットの逆襲(後編)辻真先6月1日
36マスク谷の怪物豊田有恒
山本暎一永島慎二6月8日
37ほえる魔像辻真先
山本暎一瀬山義文6月15日
38火山湖島辻真先北野英明6月22日
39狂気の季節[注釈 3]平田敏夫6月29日
40草原の暴れん坊勝井千賀雄7月6日
41さすらいの死神永島慎二7月13日
42わんぱく作戦林重行7月20日
43怒りのチミセット瀬山義文7月27日
44虹の谷安東穂夫片岡忠三8月3日
45まぼろしの山辻真先永島慎二8月10日
46町から来たジェーン北野英明8月17日
47まだらグモ平田敏夫8月24日
48赤い牙永島慎二8月31日
49朝日をまねく木勝井千賀雄9月7日
50冒険家オットー正延宏三
彦根範夫
斎藤博9月14日
51ナイルの大神殿瀬山義文9月21日
52人食いライオン北野英明9月28日

受賞歴

1967年


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:233 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef