音楽は音響監督の田代敦巳の推薦で、冨田勲に決定。音楽にはミュージカルの要素を組み入れて総制作費の4分の1から3分の1をかけ、1話ごと画面に合わせ新たに作曲、録音する工程が取られた[34]ため、『鉄腕アトム』と比較すると音楽予算は5倍になった。輸出先のアメリカの担当者も音楽を絶賛したという[35]。
本作のレコードは朝日ソノラマと日本コロムビアが発売し、ソノシート、EPレコードのほか、主題歌・挿入歌集『ジャングル大帝 ヒット・パレード』とレコード化に向けて新たに曲を書き下ろした『子どものための交響詩 ジャングル大帝』の2枚のLPレコードが発売された。
当時は朝日ソノラマのソノシートが全盛期だったが、日本コロムビア専属歌手だったポップス歌手弘田三枝子がエンディング主題歌「レオのうた」を歌い、収録盤SCS-1は10万枚以上[36]のヒットを記録した。日本コロムビアの公式サイトではSCS-1を「アニメソングのコロムビアの原点となった」[37]としている。挿入歌集『ジャングル大帝 ヒット・パレード』と『子どものための交響詩 ジャングル大帝』の2枚のLPレコードについては、これが日本で最初の主題歌集とアニメの交響曲のLPだと言われている[38]。
小学校の音楽授業の鑑賞教材にも使えるレコードという発想で制作された『子どものための交響詩 ジャングル大帝』は1966年の第21回芸術祭の音楽部門に参加し、奨励賞を受賞した。1976年に再プレスされて発売された他、2001年に音楽CD化されている。さらに、この音源にアニメーションを付けたOVA版としてVHSやLDやDVDが作られた。2009年には冨田勲自身による再編曲と新演奏の録音である改訂版の「交響詩ジャングル大帝?白いライオンの物語?」が発売されている。
オープニングテーマ『ジャングル大帝のテーマ』およびエンディングテーマ『レオのうた』は、『ジャングル大帝』のレオがマスコットキャラクターの埼玉西武ライオンズのチャンステーマとしても使用されている。
2005年4月27日には、「ANIMEX 1300 Song Collection No.1:ジャングル大帝」がコロムビアミュージックエンタテインメントより発売された。 『鉄腕アトム』での経験を活かして、テレビアニメ版は当初からアメリカ輸出を意識して製作された。アメリカでは既にカラー放送が主流になっていたことからカラーで制作。原作の漫画は大河ドラマであったのに対して、アニメ版ではどんなエピソード順に並べても大丈夫なようにするためと、万が一アメリカの放送コードに引っ掛かって放送できない回があった場合に備え、主人公レオの成長物語ではなくなり、基本は1話完結のエピソードとなっている[39]。特に黒人の描写には充分注意を払い、登場させる際には漫画的なカリカチュアライズした表現は使わない、悪役にはしないなどの配慮が取られた[40][41]。そのような妥協の甲斐もあって、『鉄腕アトム』に続き、アメリカの3大ネットワークの一角であるNBCが購入し、番組販売形式で『Kimba the White Lion』として放送された[42]。 話数サブタイトル脚本演出放映日
アメリカ輸出
評価
富野由悠季
当時、虫プロに在籍していた富野由悠季は、大卒者であったために本作へ関われず、鉄腕アトムのアニメ版の演出を続けていたが、「鳥の勝井」と呼ばれた勝井千賀雄
スタッフ
監督:山本暎一、八村博也
作画監督:勝井千賀雄
撮影監督:清水達正
美術:伊藤信治
音響:田代敦巳、内田かほる、明田川進
音楽:冨田勲 (注:字幕上の表記では「富田」となっているが、正しい人名は「冨田」である)
指揮:森田吾一
録音・効果:岩田廣一
特殊技術:田崎茉沙夫、橋爪朋二、安田隆亘
美術監督:松本強
動物監修:小原秀雄
編集:島田羨子、尾形治敏、古川雅士
現像:東洋現像所
資料制作:清水武彦、野崎欣宏
作画制作:小山暉
アイディアマン:久米みのる
作画技術:沢井裕之
チーフディレクター:林重行
プロデューサー:山本暎一
制作担当:もり・まさき
制作:虫プロダクション、山本暎一
主題歌
オープニングテーマ - 「ジャングル大帝のテーマ」
作詞 - 石郷岡豪 / 作曲 - 冨田勲 / 歌 - 平野忠彦コロムビア版を歌う「三浦弘」は平野忠彦の変名である[注釈 1]。映像は一貫して不変だったが、第13話までは歌ありバージョンで、スタッフクレジットのテロップは小さめ、また映像ラストでは、歌が続いたまま「提供 SANYO」のクレジットが出され、途中で「SANYO」が反転して「三洋電機」のクレジットに変わった。第14話からはスタッフクレジットは大きめのテロップに変更、提供クレジットも省かれ、曲はヴォカリーズバージョンに変更したが、後に歌ありバージョンが復活した(時期不明)。後年の地上波再放送ではヴォカリーズ・提供無しバージョンを使用、日本映画専門チャンネルの「手塚治虫アニメシアター」で再放送された時も、ヴォカリーズ・提供無しバージョンを使用した。放送当時三洋電機が配布したソノシート「サンヨーのレオちゃんソノシート」では、曲名が「ジャングル大帝テーマソング」となっている。
エンディングテーマ - 「レオのうた」
作詞 - 辻真先 / 作曲 - 冨田勲 / 歌 - 弘田三枝子1コーラスバージョンと2コーラスバージョンの2バージョンがあり、2コーラスは主に再放送で使用。1コーラスは第5話までは1番を使用したが、第6話からは2番に変更した。また1コーラスバージョンには、イントロのヴォカリーズがコーラスグループではなく弘田三枝子になっているバージョンもある。DVD「虫プロ・手塚治虫アニメ主題歌集」(日本コロムビア)では弘田バージョンは曲は存在するものの映像が無いので、現存する1コーラスバージョン映像に音声を合成して作成した。
イメージソング - 「ジャングル大帝のうた」(「サンヨー・ジャングル大帝の歌」)
作詞・作曲 - 三木鶏郎 / 歌 - デューク・エイセス三洋電機のスポンサー告知としてオープニングに続けて放送された。ラストは「サンヨー?、サンヨー?、サンヨー?電機」と三洋電機の名が入る。映像は歌詞を下から上にスクロールするシンプルなものであった。放送当時三洋電機が配布したソノシート「サンヨーのレオちゃんソノシート」では、曲名が「サンヨージャングル大帝ソング」となっている。
各話リスト
1行けパンジャの子辻真先