ジャック・カービー
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また『ブラックパンサー』の原作と作画を行い、様々なタイトルで多くの表紙を描いた[9]

この時期マーベルで創造したキャラクターにはほかにマシンマン(英語版)[150] とデビル・ダイナソー(英語版)がいる[151]。スタン・リーとの最後の共作コミックとなる The Silver Surfer: The Ultimate Cosmic Experience は1978年にマーベル・ファイアサイド・ブックス(英語版)シリーズの一冊として世に出た。同書はマーベル初のグラフィックノベルとみなされている[152]
映画とアニメーション (1979?1980)

マーベルでの待遇に不満を持ち続けていたカービーは[153]ハンナ・バーベラからの雇用オファーを受けて[154]マーベルを去り、アニメーションの世界で活動を始めた。そこでは『ターボ・ティーン(英語版)』や『サンダー・ザ・バーバリアン(英語版)』などのテレビアニメシリーズでデザインを行った[140]。アニメシリーズ『ザ・ニュー・ファンタスティック・フォー(英語版)』では脚本のスタン・リーと再び共作した[155]。1979年から翌年にかけて、新聞配信用のコミックストリップ『ウォルト・ディズニーズ・トレジャリー・オブ・クラシック・テールズ(英語版)』上でディズニー映画『ブラックホール』のコミック版が展開されたときにはカービーが作画を行った[156]

1979年、SF小説『光の王』の映画化権を取得したプロデューサーのバリー・ゲラーが書いた脚本概要(トリートメント(英語版))のためにコンセプトアートを作成した。ゲラーがカービーに依頼したセットデザインは、サイエンス・フィクション・ランドという名でコロラドに建設予定だったテーマパークの完成予想図として用いられることになった。ゲラーは11月に記者会見を行って建設計画を発表し、カービーのほかフットボールのスター選手ロージー・グリアー(英語版)や作家レイ・ブラッドベリなども会見の場に同席した。問題の映画の製作は頓挫したが、カービーの絵はCIAの「カナダの策謀」作戦で現実に用いられた。この作戦は、イランアメリカ大使館人質事件において人質となることを免れた大使館員を、映画のロケハンスタッフに変装させて国外に脱出させるものであった[157]
晩年 (1981?1994)

1980年代の初め、ニューススタンドではなくコミック専門店を販路とする新興出版社パシフィック・コミックス(英語版)との間でクリエイター・オウンド作品のシリーズを発刊する契約を結んだ。これはコミック界でも最初の試みの一つであり、『キャプテン・ヴィクトリー・アンド・ザ・ギャラクティック・レンジャーズ(英語版)』[158][159]および全6号のミニシリーズ『シルバー・スター(英語版)』として実現した(後者は2007年にハードカバー単行本となった)[160][161][162]。この時期までコミック界では職務著作契約が絶対であり、フリーランサーを含めたコミッククリエイターは自作の著作権をまったく持てなかった。パシフィックなどの独立系コミック出版社によるクリエイター・オウナーシップの試みはこの慣習に一石を投じることになった[163]。カービーは独立系出版社の一つエクリプス(英語版)において「デストロイヤー・ダック(英語版)」のキャラクターを共作した。これは「ハワード・ザ・ダック」の著作権を巡ってマーベル社と法廷闘争を繰り広げていた原作者スティーヴ・ガーバー(英語版)を支援するためのチャリティ作品だった[164]

1983年、リチャード・カイルはカービーに10ページの自伝的作品「ストリート・コード(英語版)」を描くよう依頼した。同作は後にカイルが復刊した『アーゴシー』第2号(1990年)に掲載され、カービー存命中に刊行された最後の作品の一つとなった[165]。1980年代の間はDCで定期的に執筆を続けた。1984年から翌年にかけてミニシリーズ『スーパー・パワーズ』誌上で一時的に復活した「フォースワールド」サーガはその一つだった[166]。1985年にはシリーズの締めくくりとして企画されたグラフィックノベル The Hunger Dogs が出た。DCの経営者ジェネット・カーンとポール・レヴィッツ(英語版)は「スーパー・パワーズ」のトイ用としてカービーに「フォースワールド」キャラクターの再デザインを行わせた。これはカービーがDCで描いた作品からロイヤルティを得られるように配慮した措置であった[167]

1985年、カービーはギル・ケインとともにルビー・スピアーズ(英語版)のテレビアニメ作品『ザ・センチュリオンズ(英語版)』のコンセプトアートとデザインを手がけた。DCから同作のコミックブック版が刊行され、ケナー(英語版)からトイのシリーズが出た。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:331 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef