17世紀初めにオランダ船によってジャワのジャガトラ(ジャカルタの旧名)から日本に伝来し、「ジャガタライモ」と呼ばれていたものが転じて「ジャガイモ」になった[9][10][11]。ジャガイモの中国植物名である「馬鈴薯」(ばれいしょ)という呼び名もよく用いられ[3]、日本の行政では馬鈴薯と呼んでいる[3]。中国語音ではマーリンシュー(ピン音 m?lingsh?)となる。日本では18世紀に本草学者の小野蘭山が『耋筵小牘』(1807年)の中で命名したといわれている。一説には、ジャガイモの形が馬につける鈴(馬鈴)に似ることから、この名前になったという[10]。なお、中国では他に「土豆」(トゥードウ)、「洋芋」「陽芋」(ヤンユー)[1]、「薯仔」(シューザイ)などとも呼ぶ。
英語のポテト (potato) の語源は、タイノ族の言葉でサツマイモを意味する batata がスペイン語の patata に変化したものによる[12]。なお、ジャガイモの原産地で古くから使われている言語の一つであるケチュア語では papa というが、これはそのまま中南米スペイン語で使われる。スペイン語で batata が patata に変化したのはこの papa の影響であると考えられている[13]。Papa はローマ教皇を意味する単語と同じであったため、これを忌避して Patata に変遷したともいわれる[14]。 江戸時代以降、米の収穫に不利な山間・寒冷地での栽培が広まったため、地方名や地方品種も多い。 南アメリカ大陸のアンデス山脈が原産で、小さなイモの原種が中南米に自生している[26]。大航海時代にヨーロッパ各地に伝わり、日本へは東南アジアを経て16世紀に伝わった[27]。保存性が高く、当時の船乗りたちの食料として重宝された[27]。品種改良が繰り返されて、現在のような大型のイモをつけるような品種が開発されており[26]、世界中の温帯地域で広く栽培されている[26]。「en:History of the potato
日本における地方名
「にどいも(二度芋)」「さんどいも(三度芋)」- 1年に2回ないし3回収穫できることから[15]。
「カブタイモ」「ジャガタライモ」[16]「サントク」[17]
「お助けイモ」- 飢饉の際にジャガイモ活用を勧めたことが役立ったため[18]。
「善太夫芋」- 1748年に信州より[19]種芋を移入した飛騨の代官幸田善太夫に因む[20]。
「清太夫芋」(せいだゆういも、せいだいも)- 18世紀にジャガイモの普及に尽力した甲州の代官中井清太夫に因む[21]。福島県や埼玉県、愛知県ではジャガイモを「甲州いも」と呼ぶこともある[22]。
「治助イモ」 - 東京都奥多摩町の特産[23]。
「アップラ」「アンプラ」「カンプラ」- オランダ語のaardappel(大地のりんご)に由来する呼称も存在する[24]。
「イモ」「エモ」- アイヌ語。日本語の「いも」が由来。「五升芋」が訛った「コソイミ」という呼称もある[25]。
歴史
ジャガイモの利用史インカ帝国時代の耕作風景。チャキタクリャ(踏み鋤)で耕し、種芋を植え付ける。