ジム_(ガンダムシリーズ)
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元々、連邦軍では白兵戦用、中距離戦用、長距離支援用の3タイプを量産化する予定であったが、運用テストにおいて白兵戦用MSが突出した性能を発揮したために開発計画は同タイプを主流としたものへ変遷[19]。完成したジムはガンダムのような万能機ではなく、標準的な機体をコンセプトとしている[19]

前期生産型は「前期型」と「後期型」(実戦タイプ)に区別され[3]、前者を「RGM-79A」、後者を「RGM-79B」に振り分けた資料もある[6]。前期型は最初にジャブローで製造された第一次生産の42機、後期型は装甲版の材質など細部に若干の変更を加えキャリフォルニアベースやジャブローで288機生産された改良機となっている[20]。戦力建て直しのための過度な生産期間の短縮と低コスト化に伴い[15]、前期型は基本設計を無視する形で急造されている[3]。そのため「粗製乱造」「粗悪品」と評価される事もある[21]

開発の際に用いられた戦闘データや稼働データは、ホワイトベースジャブローに到着するU.C.0079年11月の2か月前に補給部隊を通して得られたものを使用[22]。さらにRGM-79(G)陸戦型ジムやRGM-79(E)先行量産型ジム(宇宙戦装備)などの実戦稼働データもフィードバックし[3]、ジャブローやルナツーでより生産コストを抑えて開発される運びとなる[19][注 7]。RGM-79ジムではジェネレーターの低出力化や装甲材質の変更など、生産コストを抑える簡略化がなされている[19]

こうした背景のために性能面ではRX-78ガンダムに数段劣る結果となったが[18]、一方ザクIIが稼働率6割であったのに対してジムでは8割を誇っており、国力の低いジオン公国に対する優位性を獲得していた[9]。また、RX-78の戦闘データがコピーされているため、初級パイロットでもある程度の戦闘は可能である[10]。運用の際には、5機1個小隊とボールの支援で構成される[24][注 8][注 9]。実戦では集団戦闘を徹底しており、単独戦闘の多いジオン軍機体を連携で撃破した[9]

総生産数は一年戦争の終戦までに派生形を含め「3800機」とされ、MS-06 ザクII(派生形含む)の4000機に次ぐ第2位の生産数とされる[27]。ホワイトベースがサイド7を出港した時にはすでに生産が開始されており[10]、U.C.0079年10月から本格的な量産が開始されたとする資料も見られる[23][注 10]。一年戦争で機体のほとんどが失われたザクIIに対し、ジムは機体の半数近くが生き残った[27]
RGM-79の分類
先行試作量産型
RX-79計画から派生した先行投入機。陸戦型ガンダムの生産ラインを転用して作られた陸戦型ジム[29]、後期生産型の一つジムE型の先行投入機とも言われる初期型ジムなどがある。前期生産型にはこれらの実践稼働データが反映されている。
前期生産型
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する機体群。『MSV』で前期型と後期型が設定された(前期生産型の前期型と後期型)。ジム・スナイパーカスタムジム・ライトアーマーなどは前期生産型の改修機にあたる。
後期生産型
ルナツーやジャブローのデータを元に大幅に改良された機体群[1]。ジャブロー、オーガスタ、ルナツーの各工廠にて設計されており、ジム改を始めとするC型系列(ジム・ストライカーなど)、ジムD型を始めとするD型系列(ジム寒冷地仕様など)、ジム・コマンドを始めとするG型系列(ジム・コマンドスペース、ジム・スナイパーIIなど)が存在する。また、それらの基幹機種はカトキハジメによってデザインされている[1]
戦後の残存機
地球連邦軍は大量に生産されたジムを有効活用すべく、延命策としてジェネレーターの積み替えと全天周囲モニターへのコクピット改装などの改修を重ね、RGM-79R ジムIIとして一年戦争後も運用している[27](79R型は前期生産型の改修機しか無いとする説のほか、後期生産型からの改修機も存在したとも言われている)。ジムIIにさらなる近代化改修を施し、ジムIIIとして運用された機体も存在する。
機体構造
頭部
資料によってカメラアイの設定に差異があり、「ガンダムのものよりもよく見える、ガンキャノンのカメラを使用している」とした資料
[30]、「量産が容易なガンキャノン型のツインアイを採用。センサー類は頭部に集中し、照準用センサーやドップラーレーダーを備える」とした資料[10]、「ガンダムのものを簡略化し、センサー類の複合であるもののデュアル構成されるシステムは踏襲、各種デバイスやセンサーは機能を維持したまま小型化・密集配置し、生産性も向上」とした資料[31]、ジムの頭部センサーは「RX-77系(ガンキャノン型)のデザインを踏襲したもの」とされており、“ゴーグル”に相当する部分の中央上部に光学レンズ系カメラを配置し、その左右に(不可視光線をカバーする)多目的アンテナが配置された内部構造図を記載した資料がみられる[32][注 11]。また、ガンダムでは備えられていたデータ収集用のコ・プロセッサーフレームやモニタリング機能は簡略化されている[33][注 12]
コクピットブロック
先行していたRX-77やRX-78がコア・ファイターの採用でコスト高を招いていた事から[35]、量産型であるRGM-79ではコア・ファイターを省略、簡略化されたコア・ブロックシステムが採用された[18]。コクピット構造はRX-78ガンダムのものを踏襲し、航空機や航宙機に近似した操縦感覚を有するために機種転換が容易に行える。また、航空機としての機能が排除されたため、メインフレームそのものがジェネレーターやコンピュータを含む制御・脱出装置を取り巻く形となっている[33][注 13]。RX-78で導入されていた教育型コンピュータは、生産コストの観点から省略された[19][注 14]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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