ジミー・ペイジ
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[12])。アコースティック・ギター演奏の技術も非常に高く、セッションマン時代を通して培われたギタープレイの幅も広い。

立って弾く時は、通常よりも長いストラップを用いてギターを腰よりも低い位置まで下げ、腕を伸ばした姿勢で弾く。その独特の姿は、後に「レスポールは低い位置で弾くもの」という流行を生んだ。なお、最も低かった時は、の位置くらいで、手を伸ばしても届くか否かの低さだった。
特殊奏法・チューニング

ペイジのサウンド追求は、特殊奏法の多さで知られている。 代表的なものとしては、間奏中のテルミンを使ったパフォーマンス、ギターをヴァイオリンの弓で弾くボウイング奏法ボトルネックを使用したスライド・ギターペダル・スティール・ギター、またペイジの弓弾きをヒントに開発された補助楽器ギズモ・トロン(弦をモーターにより回転する6つのプラスチックの円盤でこする構造になっている)の使用、など。 また、曲によってはオープン・チューニングを使う事でも知られており、ドロップD(Moby Dick)、オープンG、オープンC6等を使用。また変則チューニングでアイリッシュ・トラッドのギタリストが好んで使うDADGADの「カシミール」がある。
使用楽器・ギターギブソン社製レスポールギブソン社製ダブルネックギターEDS-1275 ※本人の個体ではない

ペイジ自身がインタビューで語ったところによると、最初に手にしたアコースティックギターはスパニッシュタイプでエレクトリックギターは「グラジオーゾ」なるフェンダーのコピーモデルであったという。その後、本物のフェンダーとグレッチのチェットアトキンスモデル(6120)を入手。さらにギブソンのステレオギター(ES345あるいはES355)を入手したもののすぐに下取りに出して1960年製ギブソンレスポールカスタムを入手するに至った。このレスポールカスタムはスタジオ時代、ヤードバーズ時代、レッドツェッペリン初期を通して使用され、盗難に合うまで愛用していた[注釈 2]

ペイジは半世紀にも及ぶ活動実績において多数のギターを使用してきた。以下はペイジの主な使用ギターの一覧である。本項では商業雑誌の取材記事あるいは本人インタビュー等を公式見解として記載しているが、文献や本人のインタビュー内容が取材時期により一定していないため、複数の説が存在する場合がある事を注意されたい。

モデルカラー年式S/N解説
フェンダー・テレキャスター1959年製不明ペイジ本人の手によってサイケデリック風に描かれたドラゴンのペイントが施されている。ローズウッド指板のネック。ヤードバーズからツェッペリン初期(Iのレコーディングから1969年5月ツアーまで)にかけてのペイジのメインの使用ギター。1966年、メインギターをエスクワイヤーに変更したジェフ・ベックから譲り受けた。1970年代に友人にペイントを上描きされ、垂れた塗料で回路が破損したため、使用不可能となった。ネックのみ別の1953年製"Botswana Brown"色のテレキャスターに移植された。ボディーはまだ現存しているが、見たらがっかりすることだろう、とのこと。
ギブソン・レスポール・スタンダードチェリー・サンバースト1958年製不明通称No.1。ペイジのトレードマークと知られ、最も有名な使用ギターである。1969年にジョー・ウォルシュ(後にイーグルスに加入)から500ドルで入手、1969年4月のアメリカ・ツアーから使用され始めた。ラッカー塗装が、経年変化により褪色し、若干レモンドロップ(ハニー・サンバーストだともいわれている)カラーに変色しており、トップに左右非対称に貼り合わされたメイプル材の杢目が、比較的はっきりと確認できる。1958年製のレスポールのネックは、他の年に製造されたものよりも特に太いことで有名だが、米国アクロンの職人ヴァージル・レイの手により薄型の楕円形に削られ、薄いネックに仕上げられている。一番薄い部分はナイフで軽く削ればトラスロッドが露出してしまう程の薄さであるとのこと。そのため、シリアルナンバーの部分も削り落とされてしまい、シリアルナンバーは不明である。ペイジ曰く、入手時には既にネックは削ってあったとのこと。ゴールドのグローバー102ペグ、ホワイトのピックアップセレクターノブ、シャーラーのロックストラップピンに変更されている。製造年については過去にはウォルシュ、ペイジともに1959年製と答えていたが、近年のリリースでは1958年製の説も定着しているが、ギブソンカスタムショップがシグネチャーモデルを製作する際に実物を預かり、様々な分析をしたところ、1959年製、それも製造時期は1960年に近い59年後半である可能性が高いとの報告を行っており、シリアルナンバーを含め、全てが明らかになったわけではない。
ギブソン・レスポール・スタンダードチェリー・サンバースト1959年製9-1703通称No.2。No.1のサブ・ギターとして使用されている。チェリー・サンバーストの塗装が褪色し、タバコ・サンバーストに近い色に変化している。杢目はNo1.と比べてはっきりしていない。ネックは左右非対称に削られて、幅が細くシェイプされている。ペグはNo.1と異なり、ニッケル色のグローバー102に換装。ピックアップはセイモア・ダンカン製に交換。近年までNo.2がウォルシュから購入したギターとされていたが、実際には1973年にNo.1のバックアップ用として購入したとされている[13]。1975年頃からライブでの使用が確認できる。ツェッペリン解散後にスティーブ・ホイランドによりサーキット回路が大幅に改造されており、ピックガード裏にトーンをコントロールするためと思われる、スプリング式のスイッチが2つ増設されているが、詳しい機能は諸説あり、一説では、2基あるハムバッカーの4つのコイルの階乗通り(4×3×2×1=24)のスイッチングが可能であるらしい。なお、ギブソンから出たシグネチャーモデルは、実際にそういう仕様であった。また、このギターは通常のレスポールではあり得ないストラトキャスターのような音色を響かせることもできるといわれている。
ギブソン・レスポール・スタンダードワイン・レッド1968年製891539通称No.3。元はゴールド・トップフィニッシュだったが、ワイン・レッドに再塗装され、ピックアップもP-90から、ハムバッキングに改造されている。内部にBベンダー (ストリングベンダー(英語版)を組み込んだことが、このギターの一番の特徴である。
ダンエレクトロ・3021不明主にスライド・オープンチューニング用として使用。他のギターでは得られない、良くも悪くも独特なサウンドが得られる。また、ルックスも個性的で、最近ではアメリカのバンドスリーター・キニーのギタリストなどもこのギターを使っていた。ライブでの「カシミール」などで有名。ペイジは同型のギターを複数所有し、時期により様々な仕様が確認できる。中でもバダス・ブリッジに改造されている個体の使用頻度が高かった。
ギブソン・レスポール・カスタムブラック1960年製不明ビグスビー・アーム付き。ペイジは1962年に185ポンドで入手。セッション・マン時代からごく初期のライブにて確認可能[注釈 3]


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