ジミー・ウェールズ
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2006年、ウェールズはボストン・グローブに対し、サンガーを共同設立者と呼ぶのは「ばかげている」と語った[16]。 しかしながら、すでに2001年9月の段階で、ニューヨーク・タイムズはサンガーを共同設立者と認識しているうえ[18]、2002年のウィキペディアの最初のプレス・リリースでも、サンガーはウェールズとともに設立者とされていた[19]。また、プロジェクトの初期段階での開発や方針付けに加え[20][21]、フリーな百科事典を構築するためにWikiシステムを用いるアイデアはサンガーのものであった[21][22]。その一方でサンガーは、全般的なアイデアはウェールズのものであり、「オープン・ソースで、誰でも参加できる共同参加の百科事典、というアイデアは私ではなくジミーのものだ。そして出資は100パーセントBomis社による。(中略)私はジミーからの仕事としてこの百科事典の実際的な開発をおこなった」と述べている[23]

サンガーはウェールズの発言への応答として[24]、自分のウェブサイトに自分が共同設立者であることを示す様々なページの一覧を示した。これはウィキペディア初期ヴァージョンのページ、ウィキペディアのプレス・リリース、初期のメディアでの紹介などで、そのすべてがウェールズとサンガーを共同設立者として紹介するものだった[25]AP通信のブライアン・バーグスタイン (Brian Bergstein)との対話の中で、ウェールズは「この件を書くときには、自分も共同設立者であるというサンガーの馬鹿げた主張を無批判に繰り返すのはやめてほしい」、さらに「私は事実を曲げようとしているわけではない。正しいのはこちらだ。だから私は全然気にしていない」と語っている[21]。ウェールズのウィキペディアコミュニティにおける役割は無期限の「慈悲深い独裁者」(benevolent dictator)であると紹介されている[26]
英語版ウィキペディアの自身に関する項目の編集

2005年、ウェールズは英語版ウィキペディアの自分の伝記項目の編集を行った。これに関して作家・出版社経営者のロジャース・キャデンヘッド (Rogers Cadenhead)は、ウェールズの編集はウィキペディア共同設立者としてラリー・サンガーの名が言及されていたのを除去したものであったことを示すログを示し、注目されることとなった[27][28]。サンガーは「このような編集をみると、ジミーが歴史を書き換えようとしているように思える。しかしこんなやり方はむなしい。我々は、活動の透明性と最大限のコミュニケーションによって真実の隠しようがなくなる世界に到達しようとしているのだから」と語っている[27][29][30]。また、ウェールズはBomisへの言及に関しても改変を行ったことが判明した。これは同社の製品が性的なものであるということを婉曲な表現に書き換えるものであった[29]。2006年7月31日の『ニューヨーカー』誌はこの出来事を詳しく扱っている。この中で「(ウェールズは)去年の一年間で18回、自分のエントリーを書き換えまくっていたのを見つけられた」とし、「(彼は)自分のウェブ・ポータルでのポルノのやりとりが指摘されることを気にしている」と書いている[22]

ウェールズは、いずれの場合も、改変は内容の正確性を改善するためであったと述べ[29]、ウィキペディアでは一般的に慎むべき行為とされる“自分に関する記載の編集”[31]を行ったことについて謝罪した。『WIRED』のインタビューでは、「私も含めて、これはやるべきではない。やらなければよかった」と述べている[29]

またウェールズは英語版ウィキペディアの自分の項目およびウィキメディア財団のウェブサイトにおいて、自分の誕生日を1966年8月7日とする編集を行い[32][33]、2006年には「私の誕生日は1966年8月8日ではない」との発言も行った[34]。『ブリタニカ百科事典』および、同時代の人物の伝記事項を扱う米国の月刊誌Current Biography、さらに米国の著名人紳士録『Marquis Who's Who』には8月7日と記載されている[35][36][37]。2007年6月に『ブリタニカ百科事典』のウェブサイトに掲載された研究者の報告によれば、ウェールズは同百科事典に対して「1966年8月7日」の記載は誤りであるが、この記載が削除されない限り資料とともに正確な日付を伝える気はない、と通告してきた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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