ジェームズ・ボンド_(架空の人物)
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インスピレーション

フレミングは、ボンドが第二次世界大戦中に遭遇した秘密諜報員とコマンドをモデルにしたとしている[5]。モデルの中には、フレミングが崇拝していた兄のピーター・フレミングも含まれた。兄のピーターは、戦争中にノルウェーギリシャでのライン作戦に関与している[6]

兄の他にも、フレミングが1930年代にキッツビュールで出会ったスパイであるコンラッド・オブライエン=フレンチ、戦時中第30コマンド部隊で功績を残したパトリック・ダルゼル・ジョブ、パリのMI6局長だったビル・ダンダーデールなどがモデルになったとされる。ダンダデールは、カフリンクスと手製のスーツを身に着けており、ロールス・ロイスを運転していた[5][7]。その他に、フィッツロイ・マクリーン卿、MI6の二重スパイだったドゥシャン・ポポヴもモデルになったといわれている。

2016年、BBCラジオ4のドキュメンタリーは、ジェームズ・ボンドの性格が20世紀の作家のフィリス・ボトメが著した、1946年の小説 The Lifelineから取られたと報じた。 The Lifeline の主人公、Mark Chalmers とボンドの明確な類似点が、スパイライターのルパート・アラソンによって強調されている[8]
名前の由来

ボンドの名前は、 カリブ海の鳥の専門家であり、図鑑『Birds of the West Indies』の作者であるアメリカの鳥類学者ジェームズ・ボンドの名前に由来している。熱心なバードウォッチャーであるフレミングはボンドの図鑑を1部持っていた。彼は後にこの名前が簡潔で、平凡、アングロ・サクソン人っぽく、なおかつ非常に男らしく、まさに自分が求めていたものだとピンと来たんだ。そして2人目のジェームズ・ボンドが生まれた

と、妻に語った。 ボンドの名前の由来となった鳥類学者ジェームズ・ボンド

別の機会にフレミングは、「私は、最も簡潔で、鈍く、明白な響きの名前が欲しかった。私が見つけた 『ジェームズ・ボンド』は 『ペレグリン・カールーザーズ』のような名前よりも面白く、ずっと良かった。エキゾチックなことが彼の周りで起きるが、彼は中立的な人物、つまり政府機関に用いられる、匿名で率直な道具として存在する」と語っている[9]。フレミングは鳥類学者本人とその妻に会った後、「このあたりの冗談全部を楽しんでくれている魅力的なカップル」と表現した[10]。カジノ・ロイヤルの最初の草稿では、ミッション中に、ジェームズ・セクレタンという名前をボンドの偽名として使用していた[11]

2018年、イギリスやアメリカの多くのWebサイトで、実際の秘密諜報員から名前が浮かんだ可能性があるというレポートが取り上げられた。 公表された軍事記録によると、ジェームズ・チャールズ・ボンドというウェールズの元学童擁護人の男が、特別作戦執行部(SOE)においてフレミングのもとで働いていた[12]。このウェールズ出身のボンドの戦争記録に関する文書は、2014年に公開された[1]

ボンドのコード番号である007は、 第一次世界大戦のイギリス海軍諜報機関の主要な成果の1つであるドイツ外交コードの解読の話を参照してフレミングが考えた[13]。イギリス人によって解読されたドイツの文書の1つがツィンメルマン電報であり、これはコード0075で暗号化されていたもので[14]、これは米国が戦争に参加するようになった要因の1つとなった。
外見フレミングはボンドの外見をホーギー・カーマイケルと比較した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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