ジェームズ・ディーン
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父はメイフラワー号に遡る家系であり、母はインディアンの血が半分入る家系だと、ジェームズは述べている。しかし、父母は行きずりの恋から始まった婚前妊娠だったことから、父ウィントンは息子のジェームズの誕生を喜ばなかったという。反対に、父親に無視される事となったジェームズに母ミルドレッドは深い愛情を注いだという。

1937年の6歳時、父が歯科技工士になるためロス近郊サンタモニカに越してきた。ジェームズが9歳の時、母ミルドレッドが卵巣がんで亡くなると、父ウィントンは出身地のインディアナ州フェアマウントで農場を営むクエーカーの姉夫婦に彼を預け、そこで育てられた。

高校時代から演劇に興味をもち、カリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLA)の演劇科で学んだ。舞台やコマーシャルなどに出ていたが、更に俳優としてのキャリアを追い求めるために中退、ニューヨークに移った。そこで1950年代の『Kraft Television Theater』、『Danger』や『General Electric Theater』のようなテレビ番組の何編かに出演した。この頃よりジェームズはアンドレ・ジッドの『背徳者』[注 1]に心酔してハリウッドへ行き、映画スターとなることを夢見るようになる。『理由なき反抗』の予告編に出演するディーン

底抜け艦隊』等の映画の端役をいくつかこなした後、1955年に『エデンの東』のキャル・トラスク役で初めて主役を演じて認められた。彼はこの役でアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた。この後、続けざまにその年の『理由なき反抗』で主役を、『ジャイアンツ』で準主役を演じ、またもやアカデミー賞にノミネートされることになる。

しかしながら後述のように、ディーンが生きている間にその名を世間一般に知らしめたのは、結果的には『エデンの東』の演技を通してのみとなった(なお日本では、その『エデンの東』すら初公開は彼の死後であった)。そのため、生前における彼に対するイメージはあくまでも"新進気鋭の注目若手俳優"といった位置付けのみに留まり、惜しくもその人気と実力が存命中に確立されることはなかったのである。ジェームズ・ディーンペイントが施されたポルシェ・550スパイダーとプラハにあるバーガーショップ「James Dean Prague」

『ジャイアンツ』の撮影終了1週間後の9月30日、ジェームズはサリナスで行われるレースに向かうために同乗者の自動車整備士ラルフ・ウッタリックと共に、愛車であるシルバーのポルシェ・550スパイダーでカリフォルニア州の州道を走行中、午後5時15分にショラム近郊にある州道46号線と41号線の東側の分岐点で、交差点を転回していたフォードに衝突した。ウッタリックは車外に投げ出されて骨折、フォードの運転手も軽傷で済んだが、ジェームズは車内に閉じ込められ、首の骨を含む複雑骨折、内臓損傷などでほぼ即死状態であった[注 2]

事故原因はディーン側のスピード超過による完全な過失として当初扱われたが、後に車両の残骸とディーンの体の位置が、違反とされる速度とは矛盾していることが指摘された(しかし彼が事故の約2時間前にスピード違反の切符を切られていたことも事実であった)[1]。事故直前にブラックウェルズ・コーナーにあるテキサコロストヒルズに隣接するガソリンスタンドで給油を行うディーンの写真が撮影されたが、これがディーンが亡くなる直前に撮られた写真として有名である。事故現場近くのモニュメント(水井康雄作)

同年10月8日、故郷フェアマウントのフェアマウントフレンズ教会で葬式が執り行われた。棺桶は彼の重傷を隠すために閉じたままであった。推定600人の会葬者が参列し、さらに2,400人のファンが建物の外に集まった。遺体はフェアマウントにある公園墓地に埋葬され、現在も献花が絶えない。また後年には、ディーンの世界的コレクターであった大西清太が彫刻家水井康雄に依頼し、事故現場にモニュメントを設置した[注 3]。そこには「JAMES DEAN 1931Feb8 - 1955Sep30pm5:59 ∞」の文字が刻まれている。

『理由なき反抗』は死から約1か月後の10月27日に公開され、遺作『ジャイアンツ』はその約一年後の1956年10月10日に公開された。最初の長編出演(feature role)でアカデミー賞にノミネートされたのはディーンを含めて5人しかおらず、また死後に2度ノミネートされたのは彼だけである。
人物像私は彼ほどに孤独な人間をほかに知らない。 ? デイヴィッド・ダイアモンド[2]

ディーンの性格には、感情を表出しながらも内向的な側面があった。デビュー作『エデンの東』の著者であるジョン・スタインベックは「気難しい性格で、反抗的かつ感情的でありながら同時に冷静な一面も持ち合わせており、シニカルで傷つきやすい」と彼を表現し、主人公であるケイレブ・トラスク役へと推薦した[3]


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