ジェリー・ブラッカイマー
[Wikipedia|▼Menu]
ブラッカイマーの最初の大ヒットは1983年の『フラッシュダンス』であり、立て続けに『ビバリーヒルズ・コップ』(1984年)・『トップガン』(1986年)・『ビバリーヒルズ・コップ2』(1987年)・『デイズ・オブ・サンダー』(1990年)などのヒットを飛ばした。

1996年、ブラッカイマーはドラッグ濫用がひどくなった盟友シンプソンと絶縁した。直後シンプソンが急死したことによりブラッカイマーのキャリアは打撃を受けたが、マイケル・ベイほかミュージック・ビデオ出身の映画監督たちによるアクション映画の製作を続け、『アルマゲドン』・『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』・『ブラックホーク・ダウン』などの大ヒット作を送り出している。

2013年6月には、ハリウッドのウォーク・オブ・フェームに殿堂入りした[1]

2021年には新設されたナショナルホッケーリーグ(NHL)のシアトル・クラーケンの共同オーナーとなった。
作品の特徴

彼の製作した映画のほとんどは凝った特殊効果の導入による派手なアクション、大ヒットしているポップ・ミュージックを起用したサウンドトラック、カメラ映りのよい俳優たちの起用を特徴としている。このため彼の映画は派手なオープニングと見た目のわりに無内容だとして全米の映画評論家からは酷評されているが、これは彼自身の『映画は極上の娯楽である』というポリシーによるものである。その屈託無く万民受けする映画のスタイルは、結果としてアメリカだけでなく世界中で多くの観客を集めることとなり、収益的には大きな成功を収めているに至っている。

1997年からはテレビへも進出して数多くの警察ドラマを製作し、テレビ界においても大きな成功を収めた。特に『CSI:科学捜査班』は2作のスピンオフがシリーズ化され、3作すべてが高い人気を誇る。テレビドラマにおける彼の作品は、娯楽性を追求をする映画とは異なり、社会に対する問題提起、人間模様や心理の緻密な描写に比重を置いているのが特徴的である。テレビドラマのほかにも『アメージング・レース』(The Amazing Race)のようなリアリティ番組を製作している。

ブラッカイマーが関わる作品にはいくつかの共通した趣向性があり、そのほとんどの作品で、太陽光線や自動車のヘッドライトを渋く光らせる場面を挿入したり、奇抜なカメラアングル、映像処理で随所にフィルターをかけたりと、視覚効果に対する美的な拘りが顕著である。アクション映画におけるカーチェイスシーンや爆破シーンといった見せ場では、より痛快かつ爽快な印象を与えんとするため、過剰なまでに緻密な計算を盛り込んだ密度の高い演出を好み、その撮影に膨大な費用や時間を割くことを惜しまないことで有名である。展開が堅くなりすぎないように演者に細かいところでコミカルなやり取りをさせたり小ネタを挟んで笑いを誘うようなシーンも多く挿入されている。また作品に込める根底のテーマとしては、怠慢な国家や政治の体制を皮肉るものが多いのも特徴である。

共和党支持者であり、2008年アメリカ合衆国大統領選挙では、ジョン・マケインを支持した。『トップガン』、『アルマゲドン』、『パール・ハーバー』、『ブラックホーク・ダウン』などの軍事アクション映画の製作の際、軍や政府機関の協力を得られるのは、この事も関係していると思われる。
映画界での高額収入記録

2010年2月、『ヴァニティ・フェア』誌が「2009年に最も稼いだハリウッドの稼ぎ手」のランキングを発表し、3,600万ドル(日本円で約32億4000万円)を稼いで10位にランクインした。この金額は映画のギャラだけでなく、商品のロイヤリティ収入なども含んでいる[2]

2010年12月、経済誌『フォーブス』が「エンターテインメント業界で最も稼いだ人物」のランキングを発表し、1億ドル(日本円で約82億円)を稼いで6位にランクインした[3]
製作作品


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:29 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef