1394年、リチャード2世から20ポンドの年金を授けられた[7]。1399年に即位したヘンリー4世はチョーサーへの年金を更新し、1400年6月5日には未支払の年金の一部が支払われたとの記録が残っている。チョーサーは1400年10月25日に死去したが、この日付の証拠は死後100年以上経過してから建てられた墓石だけである。
なお、彼を称えて、小惑星(2984)チョーサーが、また月のクレーターにもチョーサー(英語版)が彼の名をとり命名されている。 主著『カンタベリー物語』は、ボッカッチョ『デカメロン』の影響を受けた作品で、カンタベリー大聖堂へ向かう巡礼者たちが語るという体裁の説話集。未完ながら中英語を代表する英文学作品である[8]。 他に恋愛物語詩『トロイルスとクリセイデ』[9]、「イーリアス」を翻案した『トロイルス』[10]、追悼詩『公爵夫人の書』、『薔薇物語』、『哲学の慰め』英訳がある。 チョーサーは教会にいる多くの人々が腐敗しているとみたが、キリスト教徒を尊敬しており、自身もキリスト教徒であった[11]。『カンタベリー物語』でも「この小作品を聞くか読む者はそこから何か喜ぶべきものを見つけましたら、イエス・キリストを感謝してほしい」という趣旨の文章がある[12]。 アメリカ映画『ROCK YOU!(ロック・ユー!、原題: A Knight's Tale)』(2001年製作)は、チョーサーが何をしていたか不明とされている1370年頃のヨーロッパを舞台とした物語で、チョーサーはジュースティング(馬上槍試合)に挑む主人公の仲間となる、重要なキャラクターとして登場する。ポール・ベタニーがチョーサーを演じた。
子女
エリザベス(生没年不詳)
トマス(英語版)(1367年頃 - 1434年) - 庶民院議長
アリス(英語版)(1404年 - 1475年) - 3度結婚、1415年にサー・ジョン・フィリップと結婚、1421年にソールズベリー伯トマス・モンタキュートと再婚、1430年にサフォーク公ウィリアム・ド・ラ・ポールと再々婚。
著作
主な作品
Translation of Roman de la Rose, possibly extant as The Romaunt of the Rose
The Book of the Duchess
The House of Fame
Anelida and Arcite
Parlement of Foules
Translation of Boethius' Consolation of Philosophy as Boece
Troilus and Criseyde
The Legend of Good Women
The Canterbury Tales
A Treatise on the Astrolabe
短い詩
An ABC
Chaucers Wordes unto Adam, His Owne Scriveyn (disputed)
The Complaint unto Pity
The Complaint of Chaucer to his Purse
The Complaint of Mars
The Complaint of Venus
A Complaint to His Lady
The Former Age
Fortune
Gentilesse
Lak of Stedfastnesse
Lenvoy de Chaucer a Scogan
Lenvoy de Chaucer a Bukton
Proverbs
Balade to Rosemounde
Truth
Womanly Noblesse
チョーサーの作品か疑わしい作品
Against Women Unconstant
A Balade of Complaint
Complaynt D'Amours
Merciles Beaute
The Equatorie of the Planets
失われたと推定されている作品
Origenes upon the Maudeleyne
The Book of the Leoun
派生作品
God Spede the Plough
宗教観
チョーサーを題材にした映画
脚注[脚注の使い方]^ 奥田宏子 2003, pp. 112?113.
^ a b 池上忠弘「チョーサーと中世ヨーロッパ文学伝統 : チョーサー文学の成立に向かって