ジェット・リー
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

ジェット・リーの武術アクションは、ダイナミックでスムーズな動きの美しさに特徴があり、中国武術の型に則った演武のアクションが基本になっている[2]

リーのアクションの基礎は北京武術大会5連覇の実績からも分かるように、競技武術の長拳武術太極拳)が中心となっており、映画『少林寺』(1982年)、『SPIRIT』(2006年)などでも見せた三節棍、槍術、刀術などの武器の技も得意とする。

青年時代の映像などの記録では翻子拳酔拳などを映画撮影のために学んだ経緯も残っており、素早い動作の翻子拳の力強く華麗な演武や、独自に舞のようにアレンジした美しい酔拳を披露している。また、多数の敵を想定し、前後左右を攻撃し四方八方を防御するため独自に考え出した鍛錬法もあり、ボクシングスパーリング用のようなボールを前後左右の木々の上下にいくつも付け、各所に素早く連打と足蹴りを繰り返す術を披露している。

映画『少林寺』で披露した技は本来の少林拳ではない。本来の少林拳は今や民間伝承に僅かに残るものだけになっており、中国で少林拳とされる諸派は映画『少林寺』公開以後のブームから創作された近代少林拳である。当時、少林寺(嵩山少林寺)には武僧はほとんど残っておらず、やむなく競技武術選手であるリーを招聘した。中国の少林拳を参考に創作された日本の少林寺拳法の一団も招聘され、何とかして無き少林拳を見た目だけでも映像化したかった窮状が垣間見える。

ザ・ワン』では柔と剛を象徴して柔は八卦掌中心、剛は形意拳を中心に演じている。
演じた武術家

史実に登場する伝説的な武術家を演じることが多い。

黄飛鴻 - 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇』『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲』

方世玉 - 『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍 方世玉』『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 電光飛龍 方世玉2

張三? - 『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限

洪熙官 - 『新・少林寺伝説(中国語版)』

霍元甲 - 『SPIRIT

オファーがあったが断った作品

グリーン・デスティニー』(2000年) - 主人公「李慕白」役のオファーがあったが、妻のニナ・リーが妊娠中だったため断り、チョウ・ユンファが主役となった。

マトリックス リローデッド』(2003年)のセラフ役のオファーを断って、『ザ・ワン』(2001年)の出演を決めた。

グリーン・ホーネット』(2011年)の「カトー」役のオファーがあったが断り、代わりにジェイ・チョウになった。

トリプルX:再起動』(2017年) - 「ジャン」役のオファーがあったが断り、代わりにドニー・イェンになった。

エピソードスイスでの「世界経済フォーラム」にて(2009年)

日本では「リー・リンチェイ」表記が一般的だが、中国普通話の発音だと「リー・リェンジエ」が近い。

英語名の「ジェット」は、3作目の『『阿羅漢』(1986年)の頃、中国国外のフィリピンなどで上映されることになって付けられた[3]

中国語圏では「功夫皇帝」の名前で呼ばれることも多い[46][47][48][49][50][51]

出身地は北京市と記されていることもあるが[4]遼寧省瀋陽市と記されていることもある[1][2]

北京業余体育学校では、同い年のドニー・イェンと同期生であった。練習チームは別であったが、リーはイェンの練習の様子は見ていて「彼の脚、スゴイなあ」とイェンの足技に感心していたという[5]

1974年にアメリカで武術交流会に参加した際、リチャード・ニクソン大統領に「大きくなったら、私のボディーガードになってくれ」と言われるが、「10億の中国国民を護らなくちゃいけないから…」とやんわりと拒否した[52]

かなり熱心なチベット仏教徒としても知られ、常に数珠を左手首にはめており[5]、共演者に数珠をプレゼントすることもあった。ペンダントで天珠を身につけている姿も見られた。

2000年にアメリカ国籍を取得するも後に放棄し[53]2009年にはシンガポール国籍を取得している。

スウォーズマン/女神伝説の章』(原作:『秘曲 笑傲江湖』)の令狐冲や、『カンフー・カルト・マスター 魔教教主』(原作:『倚天屠龍記』)の張無忌など、中国で大きな知名度を誇る作家・金庸の小説の主人公を演じた。

マトリックス』シリーズの主演を務めたキアヌ・リーブスは、ジェット・リー主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』(1992年)、『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限』(1993年)、『フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳』(1994年)を見てマトリックスにカンフースタイルを取り入れたと語っている[54]

ウォーロード/男たちの誓い』の撮影時に、一部の台湾メディアが文盲だと報じたが、共演者のアンディ・ラウらがそれを否定した[55]。青年時代の映像の記録でも、トレーニングの合間に文芸・芸術の勉強をし読書好きなことが語られている。

暴力的要素の濃い映画に出演することが多かったが、本人はコミカルな作品を好んでおり、2008年頃からは『ドラゴン・キングダム』のようなコミカルな作品の出演が増えていた。

私生活では、1987年にホアン・チューイェン(当時は武術家、後に女優)と結婚(のちに離婚)。彼女との間に2人の娘がいる[5]。1999年には女優のニナ・リーと再婚。彼女との間にも2人の娘がいる[5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:161 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef