ジェット・リー
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そんな折、1989年に製作された『ハード・ブラッド』の監督ツイ・ハークがリーを香港に呼び戻し、歴史映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』の主人公で中国に実在した伝説的なヒーロー「黄飛鴻」役にリーを抜擢し、それがリーの当り役となった[1][10][3][11]

1991年公開の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』は以降もシリーズ化されるほどの大ヒットを記録し、再ブレイクしたリー自身も香港映画界の最前線に復帰して「功夫皇帝」と呼ばれるスターの座を確固たるものにした[1]。この映画の大ヒットにより、香港で古装片(時代劇)アクション・ブームが巻き起こり[3]、日本でも、「ラン提督」役のドニー・イェンとリーが死闘を繰り広げた2作目の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』(1992年)が大ヒットして[12]、『少林寺』(1982年)の頃のリーを知らない新たな日本の若いファン層の支持も得た[1]金庸の小説を原作とした『スウォーズマン/女神伝説の章』(1992年)では剣の達人だが女や酒にもいけるというリーとしては珍しい役柄で主演し、これも大ヒットとなった[13]

流れに乗ったリーは1992年に映画製作会社「正東制作有限公司」を設立し、自作のプロデュース業も始めて、南派少林拳の達人とされる伝説の格闘家「方世玉」のお茶目な若き日をユーモラスに描いた『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍 方世玉』(1993年)や[1][14][3]ブルース・リー1972年のヒット作『ドラゴン怒りの鉄拳』をリメイクした『フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳』(1994年)などを製作兼任で演じ、日本人の恋人役の中山忍や空手家の倉田保昭とも共演した[1][15][9]

さらには、ケビン・コスナー主演の『ボディーガード』(1992年)と似たあらすじで殺人事件を目撃してしまった女性を守るボディーガードの青年を演じたラブ・サスペンス風の現代物『ターゲット・ブルー(中国語版)』(1994年)に挑戦し[9]、一家を皆殺しにされ生き残った赤ん坊の息子に玩具か刀を選ばせ乳母車で放浪の復讐旅に出るという、日本の『子連れ狼』を真似た冒頭シーンやリーの格闘シーン以外はコメディ調の『新・少林寺伝説(中国語版)』(1994年)では少林寺の英雄洪熙官(中国語版)を演じた[9]

その『新・少林寺伝説』で共演した子役シー・ミャオ(中国語版)を再び息子役にしてガンアクションを取り入れた父子物の『D&D 完全黙秘(中国語版)』(1995年)では潜入秘密公安捜査官を演じ[1][3]ブルース・ウィリス主演の『ダイ・ハード』(1988年)をパロディ化したような『ハイリスク(中国語版)』(1995年)ではジャッキー・チュンジャッキー・チェンを模したスター「フランキー」役)を相手にしたコメディ演技にも挑戦した[3][9]。翌年には、普段は図書館勤務の堅物青年で実は人体改造手術を受けているスーパー・ヒーロー青年の活躍を描いたSF風の『ブラック・マスク(中国語版)』(1996年)や[16][17]、香港版の「インディアナ・ジョーンズ」のような考古学者役を演じた『冒険王』(1996年)も発表するなど様々な作風を試みながら、世界的な視野を見据えた意欲的な活動をみせた[1][3][18][9]
ハリウッド映画界に進出


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