和歌山県太地町においては、2010年にシーシェパードが数名の構成員を送り込んだのを始め[148]、イルカ漁の漁期などに、シーシェパードが構成員を常駐させるようになった[注釈 1]ため[150]、警察本部に「太地町特別警戒本部」が設置されたり[151]、2011年過ぎから、臨時交番が設置されたり、警察官が常駐したり、対策が強化された[152][153][154]。住民の不安の解消や、反捕鯨団体と地元漁師とのトラブルの回避などが目的とされる[154]。
例年8月には、反捕鯨団体による違法行為を想定して、和歌山県警と第5管区海上保安本部が、合同の警備訓練を太地町の太地漁港で行う[155]。2012年の訓練では、和歌山県警察の植田秀人本部長が「反捕鯨活動は日本一国の問題ではない。関係機関が連携し、日本の威信をかけて取り組まなければならない」と述べ、また、海上保安庁の岩並秀一警備課長が「捕鯨に対する抗議活動は年々激しくなっている。違反行為は絶対許してはいけない。連携し万全の体制で臨みたい」と述べた[156]。
2011年、和歌山県の仁坂吉伸知事は「世の中にはいろんな主張をする人がいるが、明らかな犯罪行為は取り締まらないといけない」と治安体制を強化することの必要性を述べた[154]。また、2012年の臨時交番の開所の際に、和歌山県警の植田本部長は、「反捕鯨団体の活動や主張は目に余る。伝統文化と住民を守るため、違法行為への対応に万全を期さなければならない。法と証拠に基づき厳正に対処していく」と訓示した[157]。
2013年3月の警察の説明では、過激な環境保護団体シーシェパードなどは、(2003年ごろから)漁に使用する仕切り網の切断や、古式捕鯨を象徴するモニュメントの損壊など、違法事案(エコテロリズム)を行ったと名指しした[151]。また、暴行事件もあったとも報じられる[155]。 2011年3月、太地町の三軒一高町長や漁協・貝良文参事らが上京し、自民党捕鯨議員連盟に陳情を行った。提出した陳情書では、太地町の町民への反捕鯨団体(とくにシーシェパード)による嫌がらせと基本的人権の侵害を訴え、漁業妨害に対する法的規制や捕鯨を守る法的処置を求めている[158][159][160][161]。
シーシェパード排除へ太地町の陳情