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これに応じる形で第2昭南丸側から撮影されたビデオも、財団法人日本鯨類研究所の公式ホームページより、条件付きコピーレフトで公開された[29]
同日、日本側が、ボブ・バーカー号が国連海洋法条約に違反し船をノルウェー船籍に偽装しているのを発見した。ボブ・バーカー号は日本の捕鯨船日新丸の進路を妨害したほか[30]、その後も異常接近・緑色レーザー光線の照射などの妨害行為を行った[31]。日本政府は、捕鯨船団が撮影した写真やビデオ映像をノルウェー政府に提供。これを受けてノルウェー外務省は、同日までに同団体に抗議文を送付した。船籍を偽造した理由について、ワトソン船長はボブ・バーカー号を捕鯨国の船と誤解させ、日本捕鯨船への接近を容易にしようとしたなどと説明した。

1月7日、オーストラリア政府は、ニュージーランド政府と共に海上保安当局が船舶衝突の実態解明調査を行うことを表明した。

1月8日、同団体は「海賊行為」の疑いで、監視船第2昭南丸の乗組員をオランダ司法当局に告訴した[32]

同団体の公式発表では、アディ・ギル号は沈没したとされたが、同団体の小型船によって曳航された後にロープが切れ、放棄されて海上を漂う。船内には殺傷能力のある長さ80cmのクロスボウの矢4本が放置されており、また船体からは重油らしきものが流出していたのが確認された[33]

2月6日、同団体はノルウェー政府の警告を無視し、再び船籍を偽造。同日、悪臭を放つ酪酸の入った瓶を「第3勇新丸」の甲板に投げ込む際に同船と衝突した[34]

2月9日、ワトソン代表は南極海での捕鯨妨害の次は、地中海クロマグロ漁の妨害を行うと宣言した。なお、日本人女性がスティーブ・アーウィン号に乗船している[35]

2月10日、捕鯨船日新丸に対して、酪酸弾をロケットランチャーで発射、数人が負傷する。

2月12日、監視船第2昭南丸に対してロケット弾を発射し、デッキにいた乗組員3人が酪酸の飛沫を顔に浴びるなどして負傷する。

2月15日、アディ・ギル号の元船長であるピーター・ベスーンが、水上オートバイで監視船第2昭南丸に接近して、船内に侵入し、第2昭南丸の船長に「衝突の責任は第2昭南丸にある。三億円を請求する」などと書かれた書簡を手渡した。ベスーンはその後、船内で保護された[36]

2月21日、捕鯨船日新丸に対し、約20分間レーザー光線を照射し、同船の調査を妨げる[37]

3月12日、第3管区海上保安本部東京海上保安部が、アディ・ギル号の元船長ピーター・ベスーンを逮捕した[38]

4月2日、東京地方検察庁がピーター・ベスーンを艦船侵入罪傷害罪威力業務妨害罪銃刀法違反罪、器物損壊罪などで起訴した[39]

4月30日、海上保安庁が「一連の犯罪行為を指揮していた疑いが強まった」として、艦船侵入・傷害・威力業務妨害・器物損壊などの容疑でポール・ワトソンの逮捕状を取得した。

6月23日、国際刑事警察機構(ICPO)は日本の要請を受けてポール・ワトソンを国際指名手配した[40][41]。なお、国際手配と言っても、「犯罪に関連していないか追加情報の提供を求める」であり「即時の逮捕・拘束を求める」ではない。

7月7日、東京地方裁判所は、ピーター・ベスーンの全ての罪状を有罪とし、懲役2年・執行猶予5年(求刑懲役2年)の判決を下した。ニュージーランドへ強制送還された[42]

10月8日、本事件の一連の裁判の後になって、アディ・ギル号の元船長であるピーター・ベスーンが、日本の調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」と衝突、沈没したのは、ポール・ワトソン代表の指示による自作自演の沈没だったことをラジオ・ニュージーランドで暴露した。元船長は、「高速船は衝突後、えい航可能な状態だったが、(沈没したと発表すれば)『世の同情を買い、テレビ映えする』として、わざと放棄、沈没させるようワトソン代表に指示された」と語った[43]。また「Facebook」上で、同団体とリーダーのポール・ワトソン船長を「不正直」で「道徳的に破綻」していると非難した。また、「故意に情報操作を行ったりウソにまみれた団体の一員であることは、もはや耐えられない」「毎月、何らかの大ウソが流されるのを見て、彼らの悪辣さに気づいた」「ウソは日常茶飯事で、重大なウソはみんなで示し合わせる」「衝突事件は自作自演」と暴露して、脱退することを明らかにした[44]

ニュージーランド海事当局によるアディ・ギル号と第2昭南丸の衝突事故の調査結果
2010年11月、ニュージーランド海事当局は、同年1月6日に発生した衝突事故の原因を究明した調査報告書[45]を公表し、衝突の責任は双方にあり、どちらかが意図的に事故を引き起こしたという明確な証拠はなかったとした[46]。産経新聞によると要点は以下のとおり。

アディ・ギル号はニュージーランド海事当局の警告を振り切って出航していた。また、同船が寄航したオーストラリア海事当局も同船の設備調査を徹底せずに出港を許可していた[46]

事故当時、船舶免許をもたないクルーが運転していた[46]

第2昭南丸が救難信号に応じなかったという同団体の公式発表は虚偽であることが判明した[46]

アディ・ギル号の船員が事故で骨折したとの報告は、診断結果が出ないまま、ポール・ワトソンが、吹聴していたことが判明した[46]

アディ・ギル号の航行軌跡を残した記録装置を海に投げ捨て、証拠隠滅を図ろうとしていた疑惑が判明し、ニュージーランド海事当局の追及に、同団体は、記録装置が海に投げ捨てられたことを半ば認めた[46]

一方、第2昭南丸は針路方向にアディ・ギル号が航行していることを把握しながらも、そのまま方向転換せずに突進。
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