シン・エヴァンゲリオン劇場版
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物語中では赤く染まった姿で登場するパリ市街とエッフェル塔。エッフェル塔は戦闘で大破し、マリには武器がわりに使われる。

第3村(アバンタイトル2からAパート)

前作『Q』のラスト後、アスカはシンジとレイ(仮称)を連れ、救助を求めて赤い大地を放浪していた。やがて三人は大人になった相田ケンスケに救助され、ニアサードインパクトの避難民村「第3村」へ辿り着く。同じく大人になった鈴原トウジ・ヒカリ夫妻らに歓迎され、彼らと共に第3村での生活を始める。レイ(仮称)は鈴原家の世話になり、挨拶を教わったり、赤ん坊(鈴原夫妻の娘・ツバメ)の世話や、村民に農作業などの仕事を教わる交流を通じて、人間らしい感情や言葉を覚えていく。

一方シンジはアスカとともにケンスケの家に泊まるが、重すぎる罪の意識やショックから声が出せなくなり[15][注 5]、廃人に近い状態が続いていた。その様子をアスカに責められたシンジはケンスケの家から家出し、NERV第二支部跡地で一人で過ごすようになる。そんな中でもシンジはレイ(仮称)やケンスケたちに見守られ、次第に元気になっていくが、その矢先、レイ(仮称)がL.C.L.となって死亡する[注 6]。その日、NERVとの最終決戦に向け準備を進めるヴンダーが第3村に寄港し、船に戻るアスカに対し、シンジは乗船を志願する。

天竜二俣駅転車台前にある扇形庫
劇中では第3村の診療所になった。

扇形庫内にある鉄道資料館
写真右の新所原駅駅名標は劇中に登場した。

転車台横にある倉庫
劇中の鈴原家のモデルになった。

大山千枚田
レイ(仮称)が田植えをする棚田のモデル。

再びヴンダー(Bパート)

ヴンダーに戻ったシンジは爆薬が設置された隔離室に収容される[注 7]。ヴンダーは衛星軌道上で決戦準備を進め、NERVのEVA第13号機を無力化する「停止信号プラグ」を完成させる。また、2機のEVAも「新2号機α」「改8号機γ」への改造が施される。一方、NERV本部は「黒き月」とともに旧南極のセカンドインパクト爆心地へ移動する。
ヤマト作戦(Cパート)

WILLEはNERVを壊滅させる「ヤマト作戦」を発動させる。旧南極のNERV本部に対し、大気圏外からヴンダーで強襲、冬月が乗る同型の2番艦による迎撃を切り抜け本部を爆撃、さらにアスカの新2号機とマリの改8号機を投下する。両機はMark.07の大軍を突破するが、新たな小型の敵の群により改8号機が足止めされ、新2号機は単独で第13号機へと向かう。アスカは、まだ停止している第13号機に停止信号プラグを打ち込もうとするも失敗[注 8]。アスカは自身と新2号機を第9の使徒と化す[注 9]ことで事態の解決を図ろうとするが、突如第13号機が再起動して新2号機は大破し、現れた式波シリーズのオリジナルによって第13号機の中へ連れ去られる。第13号機が新2号機からプラグを抜き取ると、新2号機はL.C.L.となって崩壊する。

ヴンダーと交戦していた2番艦と3番艦が戦線離脱し、光の羽を展開、黒き月をもとに2本の槍を生成する。ヴンダー側はこれを好機と見て反撃しようとしたが、4番艦の不意打ちを受けて大破、Mark.09-Aによって再び制御システムを乗っ取られてしまう。改8号機はMark.09-Aを捕食吸収してアダムスの器の能力を手に入れる。

無力化されたヴンダーの甲板に突如、ネブカドネザルの鍵を使い神になったゲンドウが現れ、ヴンダーの主機であった初号機を奪い、第13号機に乗り込みさらに深層の「マイナス宇宙」へと向かってゆく。甲板に出たシンジはEVAに乗ってゲンドウを追うことをミサトに願い出る。ミサトはそれを認め、シンジの行動の責任は全て自分が負うと宣言した上で、彼に託したいとクルーを説得する。シンジはミサトと最後の会話を交わし、マリの改8号機に同乗してゲンドウを追う。
マイナス宇宙(Dパート)

シンジとマリの乗った改8号機はマイナス宇宙へと突入し、シンジは初号機に残っていたレイに呼びかけ、そちらへテレポートし乗り込む。初号機は第13号機と格闘しながらマイナス宇宙内を流れ、両機は「ゴルゴダオブジェクト」と呼ばれる巨大な構造物へと到達する。

気が付くと、シンジは14年前のNERV本部でゲンドウと対峙していた。人類はマイナス宇宙をそのまま知覚することはできないため、シンジの過去の記憶が再現されているのだとゲンドウは説明する。特撮の撮影用セットに設えられた[16]第3新東京市、ミサトのマンション、レイの団地など目まぐるしく変化していく記憶の場所を舞台に、初号機と第13号機はそれぞれの槍を手にして戦う。しかし初号機は第13号機に敵わず、決着をつける手段は力ではないとゲンドウに諭されたシンジは、彼との対話へと踏み出す。

場面転換し、シンジとゲンドウは古い電車の中で対話を始める。ゲンドウはシンジに、自らの過去や内心や願いを吐露する。そして実在しない架空のEVA「エヴァンゲリオン・イマジナリー」へと到達したゲンドウは、自身の目的は虚構と現実とが渾然となる「アディショナル・インパクト」にあることを明かし、それを起こす。イマジナリーはレイの姿をした巨人に、エヴァンゲリオン・インフィニティは無数の首のない女性の姿に変化して世界を埋め尽くす。

一方でマリは2番艦へ辿り着き、冬月と久しぶりに再会する。冬月は自身の役目を終えたことを告げ、「後はよしなにしたまえ」とマリに伝えてL.C.L.化する。改8号機は冬月が用意していたMark.10 - 12を捕食吸収し、2 - 4番艦を撃破する。

ヴンダーはほぼ壊滅状態であったが、残った力で初号機に必要な新たな槍を生成する。クルーを退避させ一人艦橋に残ったミサトは、ヴンダーもろともイマジナリーへと特攻。生成された「ガイウスの槍」[注 10]はシンジの元へと届けられる。ミサトが命を賭して送り届けた槍を受け取るシンジを見て、ゲンドウはシンジが他者の命を受け止めるほど成長したことを知り、同時に自らの計画が頓挫したことを悟る。ゲンドウはシンジのなかにユイの姿を見いだし、それまでの自身の行いをシンジに詫びて、一人電車から降りてゆく。それと入れ替わりにカヲルが現れ、後の役割を引き継ぐと語る。

ここからは、アスカ、カヲル、レイの魂の救済が描写されていく。

まず、シンジがアスカの魂に呼びかけると、彼女は自身の過去や内面を吐露する[注 11]。そこでは、泣いている幼いアスカの横に大人のケンスケが寄り添っていた。赤い海の砂浜で横になるアスカにシンジとマリが別れを告げると、アスカが乗った第13号機のエントリープラグが射出される。次に、カヲルとシンジ、カヲルと加持の対話が続く。実はカヲルは複数人存在し、ループする作品世界で、シンジを幸せにするために何度も手助けして来たと告げる。しかし、本当は自分自身が幸せになるためにシンジを幸せにしたかったのだと気付いたカヲルは、シンジに後を託し加持と去っていく。最後に、シンジは初号機の中のレイに語りかける。シンジは、世界をEVAのない新しい世界へ作り変えることを伝えてレイを見送る。

シンジは世界を作り変えるネオンジェネシスを実行し自らと初号機を槍で貫こうとするが、彼を守るかのようにユイが現れ、シンジを元の世界へと送り返す。そして初号機はユイを、第13号機はゲンドウを中に残したまま自らに槍を刺し、消滅する。続いて他のEVA[注 12]も立て続けに槍に貫かれて消え、崩壊したイマジナリーとインフィニティの大群は人々や動物たちの姿に戻り地球に降りてゆく。そのあとシンジは、青い海の浜辺に座っていた[注 13]。そこにマリが帰還し、最後のEVAとなった彼女の機体もまた消滅する。

場面が変わり、大人の姿になったシンジは宇部新川駅[注 14]のホームのベンチに座っていた。向かいのホームには会話しているレイとカヲルの姿があり、それとは別にアスカの姿もある。マリがシンジのもとに現れ、彼のDSSチョーカーを外す。2人は手を繋いで階段を駆け登り、駅の外[注 15]へ走ってゆく。駅の外の風景をバックにエンディングテーマが流された後、「終劇」の二文字が映され、物語は幕を閉じる。

宇部新川駅1番線ホーム

宇部新川駅4・3番線ホームのベンチ

宇部新川駅4・3番線ホームの階段

宇部新川駅上空全景(2016年撮影)

UBE(制作当時の社名:宇部興産)工場群(山口県宇部市内)[11]

作品設定
登場人物詳細は「新世紀エヴァンゲリオンの登場人物」および下記のリンク先を参照

碇シンジ(声 - 緒方恵美) - エヴァンゲリオン初号機パイロット。

碇シンジ(ラストシーン)(声 - 神木隆之介[17][18][19]


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