シン・ウルトラマン
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成田と彫刻家の佐々木明によるオリジナルデザインへの回帰を図った結果、カラータイマーや『ウルトラマン』のマスコミ用特写会の直前まで成田が躊躇した目の下の覗き穴、スーツ着脱用ファスナーに伴う背鰭が廃され、マスクからボディ、グローブ、ブーツまでシームレスに繋がっており、宇宙人らしい原初のウルトラマンとなった[4][81][84][11][100][93]

長い手足と痩身の身体は、初代ウルトラマンのスーツアクターを担当した古谷敏の長身痩躯のスタイルを色濃く投影し、当時の塗料では表現しきれなかった金属のようなメタル感が意識された皮膚感となっているなど、宇宙人の雰囲気を強くしている[84][101]。3DCG描写であるからこそ可能な表現として、原典のウルトラマン、古谷敏の動きや芝居など初代の雰囲気を再現するために、基本動作などはオリジナルの映像をトレースしたり、古谷のモーションキャプチャーのデータを元にしており、部分的には古谷の動きや芝居をイメージして庵野が動いたモーションキャプチャーデータも使用している[16]

CGモデルは古谷の体躯データから作成された[102]

体表のラインは成田が描いた様々な絵画やイラストからのシャープなイメージを融合させている[16]。カラータイマーは数多のウルトラマンとの差別化としてなくしたものであるが、原典と同様に後から制作の都合で付けられた流れと同様に、続編のプロットではカラータイマーの付いたウルトラマンが登場するようになっている[16]。原典でも活動制限時間は明確に描かれていないため、本作品でも時間は明記されておらず、続編でもその流れを活かすプロットとなっている[16]。その代わりにエネルギー残量が乏しくなると、体色が変化するものとなった。脚本では青から赤になる流れであったが、他のウルトラ作品では青にタイプチェンジするものが多いため、緑となり、赤のイメージが強かったことから、最初は赤で登場することとなった[22][102]。骨組みをウルトラマンのモデルに仕込んで普通に動かすと、つるんとした銀色の人が動いているだけであるため、ウルトラマンをアニメーションで作った後に、ウエットスーツを上から着せたような感じで歪みや皺を後に加えている[92]

地球飛来時の顔はウルトラマンAタイプのものに近づけられ、体色は銀色が採用された[102]

初代ウルトラマンが目のダイヤカットの1マスごとにFRPを裏から塗って電球が見えないようになっており、本作品でもダイヤカットが表現されている[11]

なお、書籍によっては、『ウルトラマン』でのマスクはA・B・Cの3タイプが制作されているが、本作品でのマスクはCタイプを元にしていると推測される[84]

本作品のウルトラマンは、基本のフォルムをドローイングで詰め、佐々木明が『ウルトラマン』制作当時の1966?67年に作成したマスクを原型に3Dスキャンして立体に起こされたマスクを基に3DCGでデザインされ、体表ラインやフォルムなどは、多くのCGモデルやデザイン画が描かれ、前述の「第一号雛型」や「第二号雛型」によって検証された[100][102][93]
反響・評価

2021年1月29日に特報映像が公開された際には「ウルトラマン」が日本国内のTwitterのトレンドに入ったほか、日本国外でも映画監督のギレルモ・デル・トロジョーダン・ヴォート=ロバーツが興奮や絶賛のコメントを寄せている[103]。また、同年8月12日にはジェームズ・ガンが樋口とのリモート対談で興奮しながら期待のコメントを寄せる映像が公開されている[104]

劇中におけるメフィラスの「私の好きな言葉です」「河岸を変えよう」「割り勘でいいか、ウルトラマン」という独特の言い回しが、ファンの間で「メフィラス構文」と呼称され話題になった[105][99]

ウルトラシリーズ」の中で歴代興収一位であった『大決戦!超ウルトラ8兄弟』の記録を上回り、2022年7月現在も記録を更新している[99]

海外映画祭へ出品されることが決定しており、出品されるのは、スイス・ヌーシャテルで開催の「ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭」(7月1日?9日)、カナダ・モントリオールで開催の「ファンタジア国際映画祭」(7月14日?8月3日)、アメリカ・ニューヨークで開催の「ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバル(NYAFF)」(7月15?28日)の3つの映画祭[106]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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