シンシナティ
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19世紀後半のシンシナティでは食肉加工に加えて、製鉄・繊維・木材加工といった産業が発展した[6]。また、1889年には、もともとは馬車であったストリートカーが電化された[15]。しかし、この頃になると、大陸横断鉄道の連節点となったシカゴセントルイスが急速な成長を遂げ、また州内でも製鉄をはじめとする重工業都市としてクリーブランドが台頭してきたこともあり、シンシナティは成長を続けながらもその相対的な地位を落とした。それでもなお、1900年に至るまで、シンシナティは全米10大都市の1つに名を連ねていた。1929年世界恐慌の際には、シンシナティが受けた経済的打撃は、鉄道よりも安価であるという理由による河川交通の盛り返しで相殺され、結果として全米の他の大都市に比べると軽微なものにとどまった。ファウンテン・スクエア(1907年

20世紀に入るとシンシナティにも超高層ビルが建てられるようになった。1913年に完成したユニオン・セントラル・タワー[16](現在の名称はPNCタワー)は、31階建て、高さ151mで、当時としては世界で5番目に高いビルであった[17]1931年には、カリュー・タワーが、世界恐慌の影響で建設費削減のためのデザイン変更を余儀なくされながらも完成した[18]。シンシナティの人口は20世紀に入っても中盤まで緩やかではあるものの増え続け、1950年には人口50万3998人でピークに達した[4]。しかし、それ以降は全米の特に東部・中西部の他の多くの大都市と同様に高速道路網の発達による郊外への人口流出などの要因によって、シンシナティの人口は減少に転じた。

1970年代以降シンシナティはダウンタウンを活性化する試みを行ってきた。1971年には天候や路上の交通渋滞を気にせずにダウンタウン内を行き来できるよう、ダウンタウンの中心、ファウンテン・スクエアと、その3ブロック西のコンベンションセンターとを結ぶスカイウォークが設置された。このスカイウォークは1970-80年代にかけて立て続けに延伸され、1997年に全長2.1キロメートルが完成した。しかし2000年代に入ると、スカイウォークの存在によって地上を行き来する歩行者が減り、ダウンタウンの活性化の妨げになっているという指摘がなされるようになり、経路途中のビルや施設の取り壊しや改修もあいまって、スカイウォークの一部が取り壊されていき、途切れるようになった[19][20]2003年には、ダウンタウンやその北に隣接するオーバー・ザ・ライン地区の再生をミッションとする、シンシナティ都心開発公社(3CDC)が設立された[21]
地理

シンシナティは北緯39度6分6秒 西経84度30分45秒 / 北緯39.10167度 西経84.51250度 / 39.10167; -84.51250に位置している。州都コロンバスからは南西へ約170キロメートル、インディアナポリスからは南東へ約180km、シカゴからは南東へ約470キロメートルに位置する。市はケンタッキー州との州境になっているオハイオ川に面しており、インディアナ州との州境からは東へ約35キロメートルである。

アメリカ合衆国国勢調査局によると、シンシナティ市は総面積206.01km2(79.54mi2)である。そのうち201.86km2(77.94mi2)が陸地で4.14km2(1.60mi2)が水域である。総面積の2.01%が水域となっている。都市圏はハミルトン郡を中心にオハイオ州南西部・ケンタッキー州北部・インディアナ州南東部の16郡にまたがり、その面積は11,794km2である。
地形オハイオ州における地形区分

オハイオ州南西端・オハイオ川中流域の北岸に位置するシンシナティは、アメリカ合衆国における地域区分では中西部とされるが、地形区分的にはアップランドサウスの北縁とみなされ、ケンタッキー州北部と同様にブルーグラス地域に含められる[22]。この地域は石灰岩性の地質で、なだらかな丘が連なり、オハイオ川をはじめとする河川が深さ120-150mにおよぶ谷を刻んでいる[23]。シンシナティは中心部こそ、オハイオ川が形成した盆地状の谷間に広がっており、平坦であるものの、周縁の住宅地は丘陵地帯へと広がっており、起伏に富んでいる。また中心部のすぐ東側のマウント・アダムズ地区などでは、丘陵がオハイオ河岸のかなり近くまで迫っており、オハイオ川を見下ろす高台という立地になっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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