2010年代後半になると日本でもビルボードジャパン、オリコンがダウンロードシングルを合算したチャートを発表するようになった。2010年代後半から2020年代にかけてストリーミング音楽配信の普及とともに、配信限定シングルが主流となりつつある。
日本ではシングル曲(メインとなる表題曲)をアルバムに収録する場合、シングルの価値を低下させないためなどからアルバムにはバージョンを変えた(リミックス及びイントロ(最初)・アウトロ(最後)を変える等)「アルバム・バージョン」を収録することが多く見受けられる。また、シングルの発売後にアーティスト等の意向によりミキシング等の変更が行われることで「シングル・バージョン」が複数存在することもある。 日本で本格的に蓄音機やレコードが生産されたのは、1920年代からである。33r.p.m.のLP盤が発売されたのは、1951年からではあるが、流行歌や和製ポップスのレコードは、1960年代の初期までSP盤で発売されていた。7インチ45r.p.m.のEP盤も1950年代の終盤頃から普及が始まり、概ね1980年代の最末期における8センチCD盤の普及が進んだ頃まで発売されていた。バーコードも1985年秋以降の発売分から入るようになった。 1982年にCDが登場した1980年代半ば頃から、シングル・レコードと並行して12cm盤のCDシングルがごく一部で発売されていたが、 といった点が不利となり、ほとんど普及しなかった。 この結果、シングルとして適当なサイズのCDが希求され、1988年2月21日に収録時間が20分程度と手頃な8cmサイズのCDシングルが初めて発売され、その年の6月には早くもCDシングルがアナログ・シングルの販売を上回り、1990年代の最初期にはCDシングルだけでの発売となる程急速に普及された。 CDシングルへの完全移行直前になると、アナログ・シングルがプロモーション用の非売品しか制作されなかった例もあった。 8cmというサイズは、CDV規格で音楽トラックを収録する部分の直径を踏襲している。8cmのCDシングルのジャケットが縦長になっているのは、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}レコードのシングル盤の直径は17cmで、レコード店のシングル盤陳列棚に2列ずつ配することができて、手に取り易い大きさにするためであった[要出典]。個人経営のレコード店は商品管理タグなどを用いないところもあり、正方形サイズは小さくて万引きが容易となる懸念があった[要出典]。 この縦長のシングルジャケットは日本独特のものである。基本的にはデジパックの様に紙ジャケットにプラスチック製のトレイを貼り付ける構造だった。登場初期には「さらにコンパクトに」と題して、持ち運びに便利なように、また、半分に折り畳んで収納しやすいよう、折り目がジャケットの真ん中に入れられていた。レコード会社によっては切り取りやすいようにミシン線入りのジャケットもあった。 1991年頃から表裏ともジャケット、中面に歌詞が記載されるようになった。演歌ではシングル・カセットと共通の楽譜付き歌詞カードが封入されることも多かった。その他にも、キューン・ソニーの1990年代前半に発売された一部のシングルCDには8cmCDを2枚収納できるトレイが採用されたものもあり[注釈 6]、もう1枚のスペースには「Ki/oon SONY MUSIC CATALOG」と称した8cmCDが同梱されていた。 「8cmのCDシングルは日本にしかない」と言われることがあるが、世界初の8cmCDシングルはフランク・ザッパの「Peaches en Regalia」のアメリカ盤とされており、少なくとも1989年頃には、アメリカでも8cmのCDシングルが一般に売られていた。また、ビートルズのシングルも最初のCD化は8cmサイズだった。ただ、欧米では日本ほど8cmのCDシングルが普及しなかったのは事実であり、1990年代以降はほとんどのシングルが12cmとなった。 シングル・レコードでいうA面/B面だけの収録ではまだ余裕があるため、カラオケブームを反映、1991年頃からボーカル(声)なしのオリジナル・カラオケも収録されることが多くなった。 1980年代後半においては、過去のシングル・レコードを8cmCDシングルとしたものをまとめて同時に再発売することがみられた。 その後、音楽ソフトの主流がレコードからCDへと移ったが、8cmCDシングルはCDプレーヤーの性能及び適応性から来る取扱の難しさも抱えていた。1990年代後半以後、増加傾向にある外資系CDショップでは8cmCDシングル用のスペースが少ないことが多い[7]。そのため日本においては1990年代後半以降、8cmCDシングルから12cmCDシングルへの移行が進んだ[7]。 マキシ・シングルの中には、CD自体は12cmだがアルミ部分が8cmの「ニュー・マキシ」というディスクも存在する。これはCD-DAの追加仕様に基づくものであるため、一部のCDプレーヤーでは再生できないことがある[注釈 7]。 1990年代後半から2001年頃には、12cmCDシングル用の薄型ケースとジャケットに8cmCDを入れる形で発売された例もある。 8cmCDシングルでリリースされるタイトルの激減とともに、8cmCDシングルは消滅するかのように思われたが、食玩業界からお菓子のおまけ(食玩CD)としての需要が発生した(ブームは2003年から翌2004年までの短期間に留まった)。菓子メーカーからの発売が主であり8cmCDシングルの最大収録時間が約22分程度であること、12cmCDでは大きさやコストに問題があることから、曲を1曲だけ収録した8cmCDシングルを同梱したガムやチョコレートが発売されるようになった。ジャンルもアニメの主題歌(アニメソング)、1970?80年代のポップスや演歌等、多岐にわたっている。 日本レコード協会の生産実績統計によると、2009年の8cmCDシングル生産枚数は15万5000枚、生産金額は5800万円であり、CD全体における構成比は1%未満である。 2010年代後半において、DEENの『ずっと伝えたかった I love you』[注釈 8]、安斉かれんの『世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた』[9]、サカナクションの『忘れられないの/モス』[注釈 9]など、わずかながら8cmCD・縦長仕様ケースで発売する例もみられる。 2020年代に入りメジャーデビューを果たしたザ・リーサルウェポンズが、デビューシングル『半額タイムセール』をはじめとしたすべてのシングル作品に縦長仕様の8cmシングルを完全生産限定盤として発売[11]、80?90年代をリスペクトする彼らにとって8cmシングルでの発売は結成当初からの悲願でもあった。 新譜の形式がマキシ・シングルにほぼ完全移行した2000年以降、過去の8cmCDシングルをマキシ・シングルとしたものをまとめて同時に再発売することがみられる[注釈 10]。
歴史
シングル・レコード
CDシングル
初期のCDシングル
最高74分(後に80分)収録できる12cm盤への2?3曲程度の収録はディスクの未使用部分(無駄)が多い
当時は「シングル=レコード」「アルバム=CD」の認識が根強かった
価格面でレコードと比すると製造コストがかかるなどの問題から1,500円程度と割高だった
8cmCDシングルの発売日本の8cmCDシングルのジャケット(開いた状態)「8センチCD」も参照
1988年 - サザンオールスターズ、中島みゆき
1989年 - 浜田省吾、松任谷由実、南野陽子、竹内まりや、TM NETWORK
12cmCDシングル(マキシ・シングル)への移行
2000年 - スピッツ
2001年 - 浜崎あゆみ
2003年 - B'z
2005年 - 浜田省吾、サザンオールスターズ
2006年 - L'Arc?en?Ciel[12]、TRF
2007年 - SIAM SHADE
2010年 - KinKi Kids
2020年 - ZARD[13]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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