シロナガスクジラ
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現在の標準和名(シロナガスクジラ)は、国内における本種との混同が目立った[5]ナガスクジラとの区分を意識した命名になっているが、各種の和名が統一される以前は「ナガスクジラ」「ナガス」「ナガソ」「ニタリナガス」「シロナガソ」「ハイイロナガス」など多様な呼称が使われていた[7]

英語では「Blue Whale」が標準英名であるが、これ以外にも「Sibbald's rorqual」や「Sulphur bottom」「great northern rorqual」などの呼称も存在する。

中国語で最も一般的に使われる表記の「??」は、英名の「Blue Whale」に準拠している。
分布スピッツベルゲン島にてチャンネル諸島カリフォルニア州)にて

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)はフォース湾であった[4]

熱帯から寒帯にかけての沿岸や外洋域に分布し、多くの場合は季節的な回遊を行う[5]。その際、夏はオキアミ等が豊富な寒帯や極海の積氷の間際まで回遊し、冬には温帯から熱帯にかけての範囲で繁殖を行う。

外洋に生息する場合が目立つが、カリフォルニア湾チリの沿岸など沿岸部に生息する個体群もおり[5]、浅い沿岸域やフィヨルドを利用する事もある[8][9][10]。捕鯨時代の以前には現在よりも沿岸に生息する個体も多かったと思われ、たとえば後述の通り、日本列島の沿岸でも短期間に大量に捕獲されており[11]、現在の品川区沖の東京湾に来遊した可能性のある記録も存在する[注 1][12]

付属海や縁海にはあまり入らず、オホーツク海地中海日本海東シナ海ベーリング海などには分布しない[3][5][6]とされるが、過去にはオホーツク海[13][14]やベーリング海[15]や日本海[16]黄海[11][7]や東シナ海[17][18]でも捕獲されていたり、2018年には紅海アカバ湾に出現した[19]

なお、2020年に台湾長浜郷に漂着した個体は、キタシロナガスクジラではなく、北インド洋に生息するB. m. indicaであったと判明している[20]

近年では、本種やピグミーシロナガスクジラホットスポットまたは重要な生息域が従来の想定よりも多くの地域に点在する事が判明しており[21]、それらの中には中東東アフリカ中部アフリカ南部アフリカ西アフリカ[22]チャゴス諸島南タラナキ湾など、長年にわたって生息情報が途絶えていたり[23]、これまであまり注目されてこなかった海域も少なくない[24][25]
分類

海洋哺乳類学会(Society for Marine Mammalogy, SMM)の分類委員会は、2023年現在4つの亜種を認めている[26]。北大西洋と北太平洋のB. m. musculus、南氷洋のB. m. intermedia、インド洋と南太平洋のB. m. brevicauda、北インド洋のB. m. indicaである。また、チリ沖には5番目の亜種と思われる個体群が生息している[27]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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