アメリカ合衆国軍の勲章・記章の序列においては、シルバースターより上位の勲章が11個存在する。すなわち、名誉勲章(陸・海・空軍用)、殊勲十字章(陸軍)、海軍十字章、空軍十字章、ディフェンス・ディスティングイッシュド・サービスメダル(国防長官の殊勲章[注 2])、殊勲章(陸・海・空軍及び沿岸警備隊用)である。このうち、三軍の名誉勲章と十字章、および四軍の殊勲章は同格なので、序列は名誉勲章→十字章→ディフェンス・ディスティングイッシュド・サービスメダル→殊勲章となる。よって、シルバースターはこれらに次ぐ5番目の章となる。また、戦闘時における功績に対してのみ授与されるという点で限定すれば、シルバースターは名誉勲章、十字章に次ぐ序列第3位の勲章となる[注 3]。
名誉勲章の授与基準は「敵対する武装勢力との直接戦闘における任務の要求を越えた著しい勇敢さと生命の危険に際しての剛胆さ」とされており、生存者の受章は非常に困難である。各十字章は、「敵対する武装勢力への作戦行動における非凡な英雄的行為」、殊勲章は「責任ある重大な任務における特別な功績」である[6]。これに対して、シルバースターは「敵対する武装勢力との交戦における勇敢さ」とされており[6]、これら上位の勲章よりは前線将兵の受章機会は多い。
陸・海・空軍軍人の勲章・略綬に見るシルバースターの序列
シルバースター(右から2番目)を佩用したジョン・D・バルクリー海軍中将。リボンには金色のアワード・スターが1個付けられているので、バルクリーはシルバースターを通算2度受章していることが解る。
ダグラス・マッカーサー陸軍元帥のリボンラックの図。シルバースターの略綬は上から2段目の右端にあり、複数回受章を示すクラスターが銀色と青銅色それぞれ1個ずつ付けられている。銀色のクラスターは5回の受章を表すので、マッカーサーは通算7回シルバースターを受章していることが解る。
ジョージ・E・デイ空軍大佐。
主な受章者シルバースターを着けたカルロス・ハスコック
ジョン・フォーブズ・ケリー
ジョン・マケイン
ジョン・R・アリソン
ジョセフ・H・アルバース
テリー・デ・ラ・メサ・アレン・シニア
ベルナルド・L・オースティン
ウィリアム・バントレー・アイコック
ペーター・バドコーエ(二回受章)
オリント・バーサンティ
ロバート・H・バロー
シーザー・バーサ
ハリー・F・バウアー
モリス・ジェプソン
オリバー・ノース
カルロス・ハスコック
リンドン・ジョンソン
カーミット・ビーハン
アレクサンダー・ヘイグ
ヨンオク・キム
ジェームズ・K・オークボ
スタンリー・ロジャーズ・リーザー
パット・ティルマン
エリック・オルソン
マービン・G・ケネディ
ブライアン・スタン
ハーバート・マクマスター
クリス・カイル
注釈^ 綬に付ける飾り
^ 日本語では「防衛殊勲章」と訳されることもある。
^ ディフェンス・ディスティングイッシュド・サービスメダル(防衛殊勲章)は非戦闘時における功績に対して授与される。また、(陸・海・空軍及び沿岸警備隊の)殊勲章は、いずれも戦闘時・非戦闘時の双方における功績に対して授与されるため、受章機会は戦闘時における功績に限定されない。