シリア正教会
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451年カルケドン公会議単性論異端とされた後、かつての五大総主教座のひとつであるアンティオキア総主教座において単性論の一種と見なされた合性論を支持する一派が、東ローマ帝国の国教であるカルケドン派キリスト教の教会であるメルキト教会(英語版)[注 1]から分離して設立したキリスト教会である。シリア正教会側はこの時から続く自説を単性論とは見なしておらず、単性論の名称をエウテュケス(英語版)の説に帰し、単性論教会と呼ばれることを拒否している。

ニカイア信条ニカイア・コンスタンティノポリス信条を告白する。

古代アンティオキア教会からの連続性を自認するシリア正教会の名目上の総主教座はアンティオキアにあるが、現在の実際の所在地はダマスカスである。しかし総主教庁の名義はアンティオキア総主教庁であり、カルケドン派である東方正教会ギリシャ正教)のアンティオキア総主教庁と現代に至るまで並立する状態になっている。他に、シリア正教会から分かれたシリア典礼カトリック教会(英語版)、ギリシャ正教系のアンティオキア総主教庁から分かれたメルキト・ギリシャ典礼カトリック教会(英語版)、そして単意論派を原点とするマロン典礼カトリック教会が、それぞれアンティオキア総大司教[注 2][注 3]を名乗っている。

典礼言語には古代アラム語の一種である古典シリア語を用いる[注 4]。アラム語はイエス・キリスト使徒たちも日常語として用いていた言語とも言われる。

教義を共有する同じく非カルケドン派正教会であるコプト正教会アルメニア使徒教会エチオピア正教会などとはフル・コミュニオンの関係にある。現在は、東方正教会のアンティオキア総主教庁やカトリック教会ともエキュメニズムに基づく対話を進めている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「メルキト」は「皇帝派」という意味。この皇帝とはカルケドン信条を擁護した東ローマ帝国皇帝のことで、「メルキト」は元々非カルケドン派による蔑称である[6]
^ 東方教会総主教もカトリック教会の総大司教も、英語では同じ"Patriarch"であるが、その地位や位置付けは大きく異なる。
^ マロン典礼カトリック教会のアンティオキア総大司教のみレバノンに所在。他はダマスカスに所在する。
^ 他には、シリア典礼カトリック教会(英語版)やアッシリア東方教会なども古典シリア語を用いる。

出典^ a b c d e f 「シリア正教会」(「ヤコブ教会」への「見よ項目」 )、久松英二「ヤコブ教会」『新カトリック大事典研究社Online Dictionary、KOD、2020年3月23日閲覧。


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