シューティングゲーム
[Wikipedia|▼Menu]
ユーザーとしてのプレイヤーもそれにあわせて技能を磨き、「ワンコインクリア」や「ハイスコア」を目指すスタイルが定着。「敵を撃ち落とし、敵の弾を避ける」というシンプルでわかりやすいルール、パターンを解析し覚えた分だけ先の面へ進める・高い得点を取れるといった特質により、1980年代中頃にはアーケードゲームコンシューマーゲームの別を問わず、シューティングゲームはビデオゲームの中心ジャンルとして活況を呈するに至った。ゲーム会社はこぞってシューティングゲームを開発し、東亜プランなどのようにほぼシューティングゲーム開発専業のゲームメーカーも存在した。
2Dシューティングの衰退期

1980年代が終わろうとする頃、シューティングゲームの隆盛にもかげりが見え始めてくる。ゲームアイデアの出尽くし感やマンネリ化、回転率の悪さからくるオペレータの不満などにより、シューティングは次第にゲーム市場から歓迎されなくなっていった。それ以外にも、ロールプレイングゲーム対戦型格闘ゲームパズルゲームなど、他の比較的新興のゲームジャンルに次々にヒット作が生まれ、そちらの方へユーザーが流れていったこと、難化の一途をたどる難易度や一部メーカー(アイレム)の情報統制による攻略情報の不足などから「シューティングは難しい・とっつきにくい」というイメージが一般に定着してしまったことなど、複数の衰退要因があげられる。

特に『ストリートファイターII』・『バーチャファイター』を開祖とする対戦格闘ゲームは、回転率、時間あたりの満足度、初心者の入り易さ、キャラクター性でシューティングゲームより圧倒的に注目を集め、アーケードゲームの主流を一気に奪い去った。シューティングゲームは上級者が1コインで長時間プレイするため回転率が悪く、メーカー側が回転率を上げるために難易度を上げたゲームを発表すると今度は初心者が寄り付かなくなり、結果としてプレイヤー全体数の減少を招いた。そのため、対戦格闘の驚異的な回転率の高さもあって次第にオペレータに敬遠され、設置台数が減少した。そしてマニア化したプレイヤーは前例に倣わない革新作を歓迎しなくなり、大差のないマニア向けゲームしか作られず初心者離れが更に加速するという悪循環を生み出してしまう。それを象徴するのが、1994年の東亜プランの倒産であった。『R-TYPE』シリーズを売り出したアイレムも同年にアーケードゲーム事業から撤退し、『グラディウス』シリーズなどを展開していたコナミも1990年代後半には『BEMANI』シリーズなどの音楽ゲームに主軸を移した。

シューティングゲームから撤退するメーカーが相次ぐ中で、タイトーなど一部老舗メーカーは製作を継続し、ケイブ彩京ライジングのようにシューティングゲームに新たに参入するメーカーも現れた。これらのメーカーは初心者離れに危機感をもち、キャラクター性の強化、自動難易度調整、ボムの標準装備、1面の低難易度化などの施策を講じた。しかし、根本的な解決に至ることはなく、結局は初心者を取り込みつつも上級者が納得できるようなバランス調整に各メーカーは頭を悩ませることとなる。1990年代、2000年代にかけて少数の意欲作や特にガンシューティングゲームにおけるヒット作は散見されるものの広範なユーザー層の獲得には至っておらず、マイナー化・ニッチ化が進むこととなった。
3Dシューティングの勃興と大流行

「リアルな体験」が好まれる英語圏・欧米圏では早くから3Dシューティングを求める人々が多かった。1993年にはDOS向けに『DOOM』がリリースされ評判となった。真正の3D処理をするためにはハードウェア的に高い処理能力が必要なので、1990年代の段階ではそのため(だけ)に高性能PCを購入する必要があった。英語圏ではともかく「リアルな体験」指向が強いので、それの実現のためならばたとえ価格が高くても高性能PC(ゲーム用PC)を購入するという人々の数が多く、早くから3Dシューティングゲームの普及が進んだ。その後2000年代になるとコンシューマ・ゲーム機(つまりPSやXBOXなど)の側の高性能化が進み、わざわざ高性能PCまでは購入する気が無い、という人々の間でも3Dシューティングが普及してゆくことになり、世界的に3Dシューティングの普及が進んだ。2000年代ではFPSで「SFもの」としては『HALO』も大ヒット。FPSで、かつリアルな戦場ものとしては『バトルフィールド』や『コール・オブ・デューティ』が大人気となり、続編が次々とリリースされ「シリーズもの」となっていった。バトルフィールドやコールオブデューティは、近年でもPSやXBOXなどのゲームソフト売上の上位ランクの常連であり、世界中で膨大な数が購入され、膨大な数のプレーヤーによってプレイされつづけている。

#3Dシューティングゲームの節で解説。


2Dシューティンも制作されなくなった訳ではなく意欲作は度々登場している。家庭用では『Everyday Shooter』や『Every Extend Extra』、『Blast Works』などがある。アーケード向けについては、日本では『トラブル☆ウィッチーズ』がゲームショウなどでロケーションを行い後に稼動[いつ?]、『exception』もAMIサクセス、スコーネック制作の新システム基板のソフトランナップに記載された。

オンライン配信対応のものについては、アーケードゲームでは2007年、コナミがオンラインに対応したシューティングゲームとして『オトメディウス』を販売した。2Dスクロール系のものでは『Valkyrie Sky』が日本では2010年からクローズドβテストを開始している。
2Dシューティングゲーム

コンピュータゲームでも極めて早期に登場したゲームジャンルで、1962年の『スペースウォー!』が初出とされる。また1947年に開発された『陰極線管娯楽装置』は制限時間内に陰極線管のノブを操作して照準となる光源を航空機に合わせ撃墜するというゲームであった。

2Dとは「二次元的視点」の意味で、オブジェクトの拡大縮小でパースを付けたり3Dポリゴン処理などをしていても2D視点のゲームはこちらに含まれる。なお、攻撃できる射線が一方向なものもあれば、任意に変えられるものも存在する。
固定画面シューティング

画面がスクロールしないシューティングゲーム。世界初のシューティングゲームとされる『スペースウォー!』や『陰極線管娯楽装置』はこの形式。その他の代表的なタイトルは『スペースインベーダー』、『バルーンボンバー』、『アステロイド』、『ロボトロン2084』、『グロブダー』など。

敵を全て破壊すると面クリアとなり、次の面に進むものが多い。なお、自機が全方位に移動・射撃できるものを、日本国外ではこれを闘技場になぞらえて「アリーナ・シューター」と呼んでいる(戦闘エリアが局所的な多方向スクロールシューティングもこれに含まれる)。
縦スクロールシューティング

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "シューティングゲーム" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2017年9月)

基本的に画面が主に上から下へ縦方向にスクロールするトップビューの画面構成を持つシューティングゲーム。通称「縦シュー」。『ゼビウス』、『スターフォース』、『テラクレスタ』、『ツインビー』、『究極タイガー』、『雷電』、『バトルガレッガ』、『怒首領蜂』、『東方Project』など。『シルフィード』、『レイストーム』のように3D処理をして手前を大きく、奥を小さく表示する(パース処理)ようにしたハーフトップビューの縦スクロールシューティングもある(この手法は、横スクロールシューティングでも稀に見られる)。

1990年代後半からは障害物の類はあまり出現しない代わりに「敵弾を避ける(避け)を主体とする」というものが多く、大量の弾幕を小さな当たり判定を持つ自機で潜り抜ける弾幕系シューティングというムーブメントが発生した(詳細は、弾幕系シューティングの項を参照)。ただし、それ以前のものには、『スターソルジャー』、『イメージファイト』など地形の概念などのギミックが存在するタイトルも少なくない。

最初から家庭用またはパソコン用として作成されたタイトルでは、その特性上ほとんどがモニターを横置きした画面構成となっている。従って、縦画面構成のタイトルの大多数が業務用として作成されたものであり、横画面構成のタイトル大多数が家庭用ないしパソコン用として作成されたものである。

業務用の縦スクロールシューティングは筐体のモニターを縦置き(3:4)にして使用するものがほとんどである。家庭のテレビが4:3比率だった時代、大半がブラウン管を使用しており縦置きにするのは故障の原因になるため、据え置き型家庭用ゲーム機へ移植する際はゲームを横画面に再構成した状態に移植する必要があった。画面をフルに使うか、横を多少狭めてオリジナルの雰囲気を残すかは個々のタイトルごとに対応が異なるが、いずれにせよ画面が小さくなり解像度が低くなり見にくくなるなどのデメリットが出るのは必然であり避けられない時代が長く続いた。

ただし一部では縦置き可能なモニターでプレイする事を必須とし、オリジナルそのままの縦画面モードを搭載してこれに対応する作品もあった(『ソニックウィングス2』、『レイストーム』、『レイディアントシルバーガン』、『ギガウイング』など)。このモードを実装した作品は極めて少ないが、これは縦置きが可能なモニターは入手が困難か、相応の接続知識が必要になる事から、あくまでも縦表示に拘り、安全に縦置きモニターを設置・運用出来るマニア向けの仕様として搭載されているためである。縦置きがブラウン管タイプより簡単な液晶モニターを使う手もあるが、この場合は家庭用の映像機器接続端子が付いているものや、特殊なアップコンバーター機器を使う必要があるため、やはり簡単ではない。

近年[いつ?]は家庭用のテレビも高解像度化・大画面化が進み、据え置き型ゲーム機も高解像度描画が当たり前になった事から、往年の業務用縦スクロールシューティングを(据え置き型)家庭用ソフトやPC用ゲームとして移植する場合、画面の中央にオリジナルそのまま縦画面を表示する仕様のゲームも出てきた(Xbox 360版『怒首領蜂 大復活』・『虫姫さま』など)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:125 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef