シャンパン
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Non Vintage(ノン ヴィンテージ)とも言われる。アッサンブラージュのため味が安定している、最も基本的なシャンパン。

Millesime(ミレジメ) - ヴィンテージが記載され、主にその年のワインで構成される(他の年のワインも20%ブレンド可能) 良年のみ造られる。Vintage Champagne(ヴィンテージ・シャンパン)とも言われる。ノン・ミレジメに較べて一般に高価だが、ブレンドを前提とするシャンパンにおいては異色。
Blanc de Blancs(ブラン・ド・ブラン)

Rose Champagne(ロゼ・シャンパン) - 果皮から汁を出さないように搾汁して後、一定期間果汁に果皮をつけ込むことで淡いピンク色を付けた(セニエ方式)もの。ブレンド時に赤ワインを混ぜる場合もある。生産数は少ない。

Blanc de Blancs(ブラン・ド・ブラン) - 規定の白葡萄(シャルドネ)のみで造られたシャンパン。ブレンドを前提としたシャンパンの中では異色の存在。

Blanc de Noirs(ブラン・ド・ノワール) - 規定の黒葡萄(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ)のみで造られたシャンパン。皮を使用しないため色はつかない。ブラン・ド・ブランと同じく、ブレンドを前提としたシャンパンの中では異色の存在。

Grand Cru(グラン・クリュ) - ラベルに記載されている場合、格付Cru100%の畑の葡萄だけで造られたシャンパン。

Premier Cru(プルミエ・クリュ) - ラベルに記載されている場合、格付Cru90?99%の畑の葡萄だけで造られたシャンパン。

製法シャンパンのコルク

シャンパンは最も多くの場合、黒葡萄と白葡萄の配合によって造られる。白葡萄で主に使用されるのはシャルドネ種であり、黒葡萄でよく使用される2種類はピノ・ノワールと、ムニエである。近年、上記以外のピノ・ブラン、ピノ・グリ、アンフュメ、アルバンヌ、プティ・メリエなどの品種が使われている銘柄も存在する。

赤ワインの色合いはその果皮に由来するため、果汁は圧搾機で果皮から色素が浸漬しないように手早く静かに搾られ、白い果汁が取り出される。ロゼのシャンパンは、黒葡萄の果皮を微かに色付けのために与えた後に取り出すセニエ(マセラシオン)方式、または、瓶内二次発酵前のベースワインにシャンパーニュ産の赤ワイン添加(アッサンブラージュ方式)によって造られる。シャンパンに使用される葡萄は一般に、この地方が葡萄栽培地として寒冷地の北限にあたる為、糖度が低く酸の強いものが多い、しかしこの強い酸がシャンパンに他のスパークリングワインには真似できない気品を与えると言われている。また収穫はAOCにより手摘みに限られる。

最初の発酵は秋に、非発泡性ワインと同じ方法で行われ、果実に含まれる糖分がアルコールへと転換される。これが「ベース・ワイン」となるが、このワイン自体は酸味が強過ぎて面白みに欠けるものが多い。この時点で、様々な畑の、あるいは、「ノン・ヴィンテージ・シャンパン」の場合には様々な年のワインを使ったブレンド(アッサンブラージュ、assemblageと呼ばれる工程)が行われる。各作り手のブランドイメージに沿ってブレンドされ、作り手の腕の見せ所でもある。また良い葡萄が収穫された年に造られた優れたブレンド用のワインはリザーブワイン(又はヴァン・ド・レゼルヴ、vin de reserve)と呼ばれ、その配合が品質に強い影響をあたえる為、良いリザーブワインの確保が作り手にとって重要であると言われている。

ブレンドされたワインは、炭酸を得るための二次発酵の準備として酵母とその発酵を促進するため蔗糖の入ったシロップをワインに加える(ティラージュ、tirageと呼ばれる工程、補糖ともいわれる)。そして瓶詰めされワインの貯蔵室に置かれる。貯蔵室は石灰岩の地下深くに掘られた洞窟を使用していることが多い。発酵によりアルコールと泡の源である二酸化炭素が発生し、瓶内に閉じ込められ、ワインの中に溶け込む。発酵が終わり役割を終えた酵母は澱となり、その澱とともに寝かせることによって、酵母が分解作用でとり込んだうまみがワインに徐々に戻される。その後ピュピトルと呼ばれる台に差し込み保管される。瓶は毎日微かに(1/8)回転させながら徐々に倒立した状態にさせられ、澱が瓶の首の部分に集まり(ルミュアージュ、remuageと呼ばれる工程)除去が可能となる。昔は職人が手作業で行っていたが、現在は非常に手間のかかる手作業よりもジャイロパレットと呼ばれる機械でルミュアージュが行われることが多い。出荷が近づくと瓶の口を氷点下20度に冷却し、栓を抜くことで気圧により凍結させた澱がぬけ、澱が除去(デコルジュマン、degorgementと呼ばれる工程)される。冷却せずに手作業で澱を除去する昔ながらの方法もある。目減りした分はワインやシロップで補充(ドザージュ、dosageという工程)される。このときのシロップの比率で甘口か辛口かが決まる。

甘さを調整する為様々な量のシロップが添加される。最も甘口のものは「ドゥー」(doux)(残糖分50g/L以上)と呼ばれ、辛口になるにつれて「ドゥミ・セック」(demi-sec)(33g?50g/L)、「セック」(sec)(17g?35g/L)、「エクストラ・セック」(extra sec)(12g?20g/L)、そして「ブリュット」(brut)(6g?15g/L)がある。従ってエクストラセックを直訳した「極辛口」のシャンパンは実際には、ブリュットと書かれたものよりは甘いのである。幾つかの作り手は、糖分を添加しない「エクストラ・ブリュット」(extra brut)を造っている。この作業はシャンパーニュ造りの終りの工程であるため、「門出のリキュール」と呼ばれる。その後、瓶にコルクで打栓(bouchage)され針金つきの金具でとめる。

製品はティラージュ(tirage)後、最低でも15か月寝かせるまでは、AOCにより出荷が禁止されているが、より長い方が望ましい。「ヴィンテージ・シャンパン」は、最低3年寝かせる事が決められている。
シャンパンを用いた料理

シュークルート・ア・ラ・シャンパーニュ(Choucroute a la Champagne、仏語:シュークルート、独語:
ザワークラウト)は、通常では白のアルザスワインで煮るが、これの代わりにシャンパンで煮る贅沢な料理。レストラン(ブラッスリー)では、顧客の目の前でアルコールランプなどを用いて鉄皿をあぶりつつ、シャンパンをまぶして煮る。

アマダイのシャンパン煮 - アマダイの白ワイン煮の内、使うワインがシャンパンとなるもの。飲用に出すのと同じシャンパンひと瓶を丸ごと惜しげもなく鍋に注いで煮込む、大変贅沢な一品である。

シャンパングラス

シャンパン用のグラスにはクープとフルート(仏:フリュート)がある。

クープはボウルの部分が浅い、脚付きのグラス。かつては女性が(上を向き飲む際に動く喉=のどを周囲に見せずに)優雅に飲むという目的のため主流だったが、口が広く炭酸が抜けやすいことから、シャンパン・フルート(champagne flute)にその座を譲るようになった。シャンパン・タワー(champagne tower)の演出で用いられることが多い。オリジナルはマリー・アントワネットポンパドゥール夫人ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネいずれかの胸をモデルにしたという伝説がある。朝日新聞にコラム「飲むには理由がある」を連載している日本輸入ワイン協会会長の山本博は、現物が世界に2つ残っていて、小さくなく豊かで見事なものであると述べている[7]

フルート(フリュート)は細長いグラスで、スマートで泡立ちもよく見えるので、席巻している。とはいえ、飲みにくいし、残り少なくなったのを飲むのも大きく傾けなければならない。山本博はコラム「飲むには理由がある」で、普通の白ワイン用のグラスが向いていると述べている[7]

125ml入りの小型瓶は、そのまま口をつけて飲む屋外などカジュアルなスタイルでの用途瓶であるが、フルートより小さいという洒落から「ピッコロ」と愛称が付けられている。

シャンパンとイベントシャンパンタワー

下記のイベントなどでは基本はシャンパンを使うが、地域によってはウィスキー日本酒など国柄や地元の特産酒を用いる場合や、一般的なスパークリングワインで代用する場合も有る。
シャンパンファイト(シャンパンシャワー)
表彰式や祝勝会で、優勝した選手や優勝したチームが行う。
シャンパンタワー(シャンパンピラミッド)
シャンパングラス(クープ)を、タワー状あるいはピラミッド状に積み上げて、頂点からシャンパンを注ぐもの[8][9]
進水式
新造や新造潜水艦の進水式では、シャンパンをロープで上から釣り、女性がそれを振り子の勢いで船体に叩きつけて瓶を割る。
フリーフロー
いわゆる飲み放題のことを、シャンパンについて行う料飲店では「フリーフロー(制限なし流し)」と呼ぶ。時間制が一般である。
シャンパンが登場、引用される作品

ヨハン・シュトラウス2世ポルカに「シャンペン・ポルカ」という作品がある。

ヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ『こうもり』第2幕に「シャンパンの歌(合唱)」がある。

クイーンのアルバム『シアー・ハート・アタック』収録「キラー・クイーン」にてモエ・エ・シャンドンが歌われている。

ビリー・ジョエルのアルバム『ニューヨーク52番街』に収録されている「ビッグ・ショット」にドン ペリニヨンが登場する。

オアシスのアルバム『モーニング・グローリー』には「シャンペン・スーパーノヴァ」という曲が収録されている。

映画『カサブランカ』ではイルザとパリで初めて会ったリックが「君の瞳に乾杯!」

映画『七年目の浮気』ではマリリン・モンローがおとといの誕生日には一人だったのでといって高級シャンペンをもってきて主人公とポテトチップスで食べる。

映画『死刑台のエレベーター』では主人公の車を盗んだカップルがベンツに乗ったドイツ人夫婦のパーティに招待されるが、シャンパンを出され、男はドイツの占領時代を思うと素直に乾杯できないといい、女は3本空にする。

映画『あなただけ今晩は』ではイルマに客がつかないように英国貴族に変装して500フランで貸し切りにしたつもりが、娼婦のヒモのトップということで皆にシャンパンを奢らされ、借金が増える。

映画『炎のランナー』では貴族の御曹司がハードルの上にシャンパンを並べ、こぼれたら教えてくれ、といって優雅に練習をする場面がある。


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