シャア・アズナブル
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スニーカー文庫より発売された小説『機動戦士Ζガンダム』は、同文庫より発売された小説『機動戦士ガンダム』から継続しておらず設定も異なっており[7]、アニメ『機動戦士Ζガンダム』で描写出来なかった設定を補完している。

角川書店発行の漫画雑誌ガンダムエース』創刊号より連載された安彦良和漫画機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、従来のテレビアニメ版や劇場版と設定が大きく異なる部分が多いパラレル作品であることから、別途記載する。

一年戦争終結後(ア・バオア・クー脱出)からエゥーゴが結成されるまでの経緯は映像化も特にされておらず、『機動戦士Ζガンダム』にてワンカットが描かれたのみである。そのため従来は文字による設定や、小説版『機動戦士Ζガンダム』における細部の描写で判断するしかなかった。『ガンダムエース』に連載された北爪宏幸の漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』は本格的にこの期間を描いているが、続編である『機動戦士Ζガンダム Define』も含め細部の設定が異なっている。その他、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズやPlayStation用ゲーム『機動戦士Ζガンダム』などでは、サンライズが制作したアニメムービーにて短いながらその期間が描かれている。

第一次ネオ・ジオン抗争から第二次ネオ・ジオン抗争開戦以前の期間も映像化されておらず、また、準公式的な扱いをされている作品もないため、諸説入り乱れている。
生誕から幼少時代
生誕
宇宙世紀0059年9月27日
[3](『THE ORIGIN』では宇宙世紀0057年)、ジオン共和国創始者、ジオン・ズム・ダイクントア・ダイクン(『THE ORIGIN』ではアストライア・トア・ダイクン)の子キャスバル・レム・ダイクンとして生まれる。セイラ・マス(本名:アルテイシア・ソム・ダイクン)は実妹。妾の子として生まれたものの、父ジオンは正妻とは子をもうけることが出来なかったため、未来のジオンの後継者として期待され、英才教育を受けて育つこととなる。
ザビ家からの逃亡生活
宇宙世紀0069年、ジオン・ズム・ダイクンの死後、ザビ家による迫害を受け地球に逃れる。この頃は、父ジオンのよき理解者であったジンバ・ラルの庇護の下、南欧のマス家に養子入り(あるいは、ジンバがマス家の名を購入して改名)し、「エドワウ・マス」を名乗る。記録上、父のジオンは病死とされているが、実際はデギン・ソド・ザビらによる暗殺と見ており(父がデギンを暗殺者として名指ししようとした動作を、後継者に指名したように装ったとジンバ・ラルやシャア(およびセイラ)は考えている)、ザビ家への復讐を誓う。エドワウ・マスの名はテレビシリーズ放映当時には設定されておらず、小説版で初めて登場した。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、宇宙世紀0057年の生まれとされ、デギンが学部長を務めるムンゾ大学の時計台にて誕生[8]。ジオン・ズム・ダイクン急死、サスロ・ザビ暗殺などの政変により、サイド3(本作では当初「ムンゾ自治共和国」と称していた)に居場所を失ったキャスバルとアルテイシアの兄妹は、ランバ・ラルクラウレ・ハモンタチ・オハラらの手引きでジンバ・ラルと共に地球へ亡命する。しかし母のアストライア・トア・ダイクンとは生き別れとなってしまう。マス家の当主、テアボロ・マスの元に養子入りするが、ジンバが独断でクーデターを謀ったためにキシリア・ザビの刺客に襲われジンバは死亡、テアボロも重傷を負う。彼らの苦況を見かねたシュウ・ヤシマ(ミライ・ヤシマの父)の提案で、彼が所有するサイド5のテキサスコロニーへ移住することとなる。『THE ORIGIN』でのキャスバルの愛慕の対象はTV版本編とは異なり、神憑りな政治的扇動者である父ジオンではなく、彼とその命を狙う(と教えられた)ザビ家によって薄幸な人生をたどる母アストライアであり、彼女が最終的に報われぬ死を迎えたことでキャスバルはザビ家への憎悪を強めたとの独自解釈が作者の安彦によって加えられている。後に見いだしたララァ・スンを愛したことも、彼女の中に母の面影を見たためであるとされた。
サイド3潜入時代
ジオン士官学校への入学
宇宙世紀0074年、「シャア・アズナブル」を名乗り潜入、ジオンの士官学校に入学。士官学校時代に
ガルマ・ザビと出会い親交を結ぶ。優秀な成績を修め、首席で卒業できる状況だったが、卒業直前の演習において上官に逆らって評価を落とし、ガルマに首席を譲って次席で卒業する(ガルマに花を持たせるためにわざと上官に逆らったかのような描写がある)。宇宙世紀0078年、卒業と共にキシリア・ザビ旗下の教導機動大隊に入隊。
宇宙攻撃軍への入隊
その後、ジオン公国国防軍がドズル・ザビ旗下の宇宙攻撃軍とキシリア・ザビ旗下の突撃機動軍の2隊に分割されたことに伴い、宇宙攻撃軍に入隊した。ジオン公国軍における軍籍番号は「PM0571977243S」である。ジオン公国では正体を隠すため、常に仮面を着けている。顔に火傷の痕がありそれを人目に晒したくないためと本人は説明しているが、実際には顔にそのような傷はなく、実は美男子であるという噂が立っていた。一方でセイラに対しての説明では、過去を捨てるためだと述べている。仮面の下の眼は外から見えないので、表情は分かりづらい。なお誕生日11月17日とされることが多いが、9月27日とする説もある。一説によれば11月17日がキャスバルの、9月27日が本物のシャア・アズナブルのものとされるが、キャスバルが「シャア・アズナブル」名のIDをどのように手に入れたかは諸説入り乱れておりはっきりしない。一般的には死亡したシャア・アズナブルという人物のIDを不正に入手したとされるが、アズナブル家に養子に入ったなどとする説も存在する。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、キャスバルがシャアを名乗った理由として「シャア・アズナブルという人物が元々別に存在した」という説を取っている。ここで登場する「本物の」シャア・アズナブルはテキサスコロニー管理者の息子で、キャスバルと瞳の色以外は瓜二つの風貌を持ち、同コロニーへ移住した際に友人となった。ジオニズムに傾倒したシャアはジオン士官学校を受験し合格。母の死をきっかけにザビ家への復讐のためキャスバルもまたサイド3行きを決意し、同行を申し入れる。キャスバルの動きを知ったキシリアは暗殺を命じるが、事前にこれを予測していたキャスバルはシャアのカバンに拳銃を紛れ込ませることで、シャアが搭乗手続きの保安検査で引っかかりシャトルに乗れなくなるよう仕向けて、自身との入れ替わりを提案する。その結果、時間通りのシャトルに乗り込んだ本物のシャアはキシリア機関が仕掛けたシャトル爆破事故でエドワウ・マスとして命を落とす。キャスバルはその後シャアとして後発のシャトルでジオンに潜入することに成功し、シャアから事前に盗んでいた入学許可証によりジオン士官学校へ入学し、以後シャア・アズナブルを名乗ることになる。本物のシャアとの瞳の色の違いについてどう弁明したかは記述はないが、先天的色素異常を理由にサングラスを着用するようになった。やがて教練過程を経て予備任務に就く。連邦側の不手際で起きた事故を巡り、ズム・シティで暴動が発生。鎮圧に赴く連邦駐留軍の先手を打つべく、ガルマら同期の士官学校生を扇動する。士官学校長のドズルを拘束のうえ、連邦軍宿舎を奇襲して制圧した「暁の蜂起事件」を引き起こし、ガルマと共に一躍英雄となった。のちに事態の収束のため学籍を抹消され除隊処分となるが、ガルマからドズルが秘密裏に進めるモビルスーツ開発計画を聞かされていたため、復隊の際にパイロットとして採用するようドズルに働きかけた。なお、この事件の際に学友からルナボールゴーグルに遮光グラスをはめこんだ「仮面」をプレゼントされ、以後それを常用するようになった。除隊後は地球へ降りて、ジャブロー建設工事の進んでいたアマゾンマナウスに滞在。情報収集や建設反対派との関係構築、モビルスーツの前身である建設重機モビルワーカーの操縦の習熟など後の行動の下準備を進めている。またここでララァ・スンと出会い保護している。その後モビルスーツのテストパイロットとして軍に復帰、ミノフスキー博士亡命事件では、史上初となるモビルスーツ同士の戦闘に参加。ランバ・ラル、黒い三連星と共に戦果を上げ昇進を果たす。
一年戦争前半
赤い彗星としての活躍
宇宙世紀0079年1月、
地球連邦政府との「一年戦争」が勃発。宇宙攻撃軍第6機動大隊第4小隊隊長[注 3]として活躍する。愛機ザクII(C型)をパーソナル・カラーである赤に塗装し、ルウム戦役ではたった一人で5隻もの戦艦を沈め、「赤い彗星」の異名を得、その名は連邦軍の末端兵士にまで轟き恐怖の存在となる。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第1話ではサラミスを撃沈している。また、このときの功績により中尉から少佐二階級特進する。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、リュウの台詞として、戦艦以外の撃沈を含むことが記述されている。ルウム戦役におけるシャアの活躍は、『機動戦士ガンダム』の中では直接描かれていない。後に前述のOVA『MS IGLOO』、OVA『第08MS小隊』に収録された映像特典「宇宙世紀余話」でもシャアのルウム戦役での逸話「5艘飛び」に触れられ、この時MSの推進力の噴射と同時に、戦艦や隕石を次の標的へ向かう際の踏み蹴る足場として利用するといった、MSの人型兵器である利点を器用に使うことで「赤い彗星」「三倍の速度」といった渾名が生まれたことが語られた。その後、ドズルがルウム戦役で旗艦としていたムサイ級旗艦型軽巡洋艦ファルメルを受領し、モビルスーツ中隊長の任に就く。乗機も指揮官用のザクII S型が与えられている。
一年戦争後半(『機動戦士ガンダム』)


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