シフト勤務
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勤務のことを「直」と呼ぶ場合が多く、勤務体制により次のように呼ばれる。

日勤(昼勤) : 昼間の一般的な始業・就業時間の勤務(8時?17時、8時半?17時半、9時?18時など)

早番(早出) : 通常の日勤より早く出勤する勤務(5時?14時、6時?15時、6時半?15時半、7時?16時など)

遅番(遅出) : 通常の日勤より遅く終業となる勤務(12時?21時、12時半?21時半、13時?22時、13時半?22時半など)

中番 : 早番でもなく、遅番でもない勤務(10時?19時、11時?20時など)

通し勤務 : 早番・日勤・遅番などを連続して勤務するもの(7時?21時、7時半?21時半、8時?22時、8時半?22時半など)この場合の休憩時間は最大の2時間となる。

16勤 : 深夜を含む16時間拘束の勤務(仮眠ありの8時間以下の労働時間の勤務を夜勤として区別する場合がある)

24勤 : 24時間拘束の勤務

準夜勤 : (16時半?24時半など)

深夜勤 : (20時?8時、23時?8時、0時?9時など)

新夜勤 : (17時20分?9時半など、日本郵便のみにある勤務体系。こちらが「しんやきん」と呼ばれ、上項は「ふかやきん」と呼ばれる)

非番 : 勤務には就かないが急な欠勤者が出た場合に備えての待機態勢。実際には定数不足による強制的な残業となることが多い。または休日の場合に使われることもある。客室乗務員の世界では「スタンバイ」と称する。

インチキ非番 :8:00?翌朝8:00。隔日勤務(原則としてGWお盆年末年始の休暇はなし。公休の設定もなし)で年のほぼ半分が休養日と謳っておきながら、休養日でも0:00?8:00までは実際に勤務しているため、実質は365日休みなしで勤務しているのと全く変わりはない。

開放非番 : 泊まり勤務明けの事。鉄道・バスなどでは明番(あけばん)とされることが多い。

宿直(しゅくちょく) : 狭くは日勤と日勤との間に事業所に宿泊し緊急事態発生に備えること。広くは24時間勤務なども含む。宿直の業務を日中にこなすことを日直(にっちょく)という。

当直(とうちょく) : 狭くは監視業務に従事する時間のこと。広くは警察消防などの官公署の24時間勤務なども含み、鉄道・バスなど交通機関での24時間勤務の場合は、非番・明番に対し本番勤務と称されることが多い。この場合は下記の当務と同義である。

当務(とうむ) : 当番勤務のこと。24時間勤務の意味も持つ。

勤務と勤務との間に空白時間を設けられない事業所では、日勤に一番近い時間の勤務から、二交代制の場合1直・2直(勤)、三交代制の場合1直・2直・3直と呼ぶことも多い。かつての炭鉱などでは一番方・二番方・三番方と呼んでいた[注 2]
24時間制

工場で装置を24時間連続で動かせば、昼間の8時間だけ装置を動かすのに比べて生産量は3倍となる。また、製鉄業のように装置を止めることができない場合もある。そのために使われる24時間制シフト勤務は、大きく分けて8時間勤務の「三交替(Three-shift system)」、12時間勤務の「二交替」、24時間勤務の「一交替」の3種類がある。いずれの制度でも、拘束時間の途中に1時間程度の休憩が設けられていることが多い。
三組三交替制

三組三交替制は、24時間体制で業務を続けるためによく使われる方法である。1日を8時間ごとに区切り、第1直(昼勤)を午前6時から午後2時、第2直(前夜勤)を午後2時から午後10時、第3直(夜勤)を午後10時から翌朝6時まで働かせる方法である。各労働者に休暇日を設ける必要があるため、3組では1月を通して休業日無く業務を続けることはできない。週に休暇日を2日設け、1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は40時間、労働時間は35時間である。

労働者をA組、B組、C組の3組に分けた場合の例を次に示す。

勤務時間月火水木金土日月火水木金土日月
06:00?14:00A組A組A組A組A組休業休業B組B組B組B組B組休業休業C組
14:00?22:00B組B組B組B組B組休業休業C組C組C組C組C組休業休業A組
22:00?06:00C組C組C組C組C組休業休業A組A組A組A組A組休業休業B組

四組三交替制

三組三交替制よりも1組増やして、休業日を無くす方法である。勤務パターンを切り替える日を4つの組でずらすことにより、休業日無く24時間操業を続けることができる。各個人の勤務パターンは、3直、3直、3直、休暇日、2直、2直、2直、休暇日、1直、1直、1直、休暇日のように、3日勤務、1日休暇の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は36時間45分である。

労働者をA組、B組、C組、D組の4組に分けた場合の例を次に示す。

時間月火水木金土日月火水木金土
06:00?14:00A組A組A組B組B組B組C組C組C組D組D組D組A組
14:00?22:00B組B組C組C組C組D組D組D組A組A組A組B組B組
22:00?06:00C組D組D組D組A組A組A組B組B組B組C組C組C組
休暇日D組C組B組A組D組C組B組A組D組C組B組A組D組

4日勤務4日休暇二交替制

4日勤務4日休暇二交替制(4on 4 off shift)は、イギリスで多く見られる勤務体系である。三交替制に比べて勤務パターンの変更頻度が少なくなるが、1日あたりの労働時間が長くなるため、重労働には向かない。各個人の勤務パターンは、4日勤務、4日休暇の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。

時間月火水木金土日月火水木金土日月火水
07:00?19:00AAAACCCCBBBBDDDDA
19:00?07:00BBBBDDDDAAAACCCCB

2日昼勤2日夜勤4日休暇制

2日昼勤2日夜勤4日休暇制(Two days, two nights, four off)は、イギリス沿岸警備隊が採用している方法である。各個人の勤務パターンは、4日勤務、4日休暇の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。

時間月火水木金土日月火
07:00?19:00A組A組B組B組C組C組D組D組A組
19:00?07:00D組D組A組A組B組B組C組C組D組
休暇日BCBCCDCDDADAABABBC

12/24/12/48制

12/24/12/48制では、昼勤12時間、休憩24時間、夜勤12時間、休憩48時間の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。

時間月火水木金
07:00?19:00A組B組C組D組A組
19:00?07:00D組A組B組C組D組
休暇日BCCDDAABBC

大陸シフト

大陸シフト(Continental shift)はヨーロッパでよく見られる制度である。1週間は7日であるため、7日で回るローテーションとして考えられた。勤務パターンが2日-2日-3日の間隔で切り替わる。各労働者にとっては9日または10日毎の勤務パターン変更となる[19]。全体で見ると、28日間毎に同じパターンが繰り返される。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は36時間45分である。

時間月火水木金土日月火
06:00?14:00A組A組B組B組C組C組C組D組D組
14:00?22:00D組D組A組A組B組B組B組C組C組
22:00?06:00C組C組D組D組A組A組A組B組B組
休暇日B組B組C組C組D組D組D組A組A組

7日-2週間制

7日-2週間制(7-day fortnight shift)では、4組二交替の一種である。アメリカのテレビ局や法執行機関 (law enforcement) で使われることが多い。大陸シフトと同様に、勤務パターンが2日-2日-3日の間隔で切り替わり、28日間毎に同じパターンが繰り返される[20]。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。

時間月火水木金土日月火
08:00?20:00A組A組C組C組B組B組B組D組D組
20:00?08:00B組B組D組D組A組A組A組C組C組
休暇日CDCDABABCDCDCDABAB

デュポン式12時間ローテーション制

デュポン式12時間ローテーション制(DuPont 12 Hour Rotating Shift)は4組二交替の一種である。この制度では、月に1回、7日連続の休みが与えられる。アメリカの製造業で広く見られる方式である。名前の通り、デュポンの製造部門で初採用された。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。

時間月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日
昼勤務BCCABBDAACDD
夜勤務AABDDACCDBBC
休暇CBABADADCDCB
長期休暇DDDCCCBBBAAA

7日8時間ローテーション制

7日8時間ローテーション制(Seven Day Eight Hour Rotating Shift)は4組三交替の一種である。7日間働いた後、1?4日の休暇が与えられる。連続休暇があるのが特徴である。かつてはアメリカ合衆国西部の製紙業で多く見られたが、4日勤務4日休暇二交替制に置き換わりつつある。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は36時間45分である。

時間月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日
07:00?15:00AAABBBCCCDDD
15:00?23:00BBCCCDDDAAAB
23:00?07:00CDDDAAABBBCC
休暇日DCBADCBADCBA

24時間制以外
4日勤務2日休日制

4日勤務2日休日制(Four on, two off)では、12時間勤務を4日、休日を2日の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は56時間、労働時間は51時間20分である。労働時間が長いため、ほとんどを座って勤務する監視員などにしか向かない。

時間土日月火水木金
07:00?19:00勤務勤務勤務勤務休日休日勤務

分割シフト

分割シフト(Split shift)はケータリング、輸送、ホテル、病院勤務などに務める配膳業者の勤務によく使われる。昼食を用意するための10時?14時、夕食を用意するための17時?21時が労働時間となる。7日間あたりの拘束時間、労働時間ともに40時間である。

時間月火水木金土日
10:00?14:00勤務勤務勤務勤務勤務休暇休暇
14:00?17:00休憩休憩休憩休憩休憩休暇休暇
17:00?21:00勤務勤務勤務勤務勤務休暇休暇

早番・遅番制

早番・遅番制(Earlies and lates)は電話応対、コンビニエンスストア、保育、デイケアでよく用いられる。早番と遅番の勤務時間の一部を重複させることも多い。

時間月火水木金土日
08:00?16:00A組A組A組A組A組休業日休業日
15:00?23:00B組B組B組B組B組休業日休業日

2交代制の問題

人員の不足または人件費(割増賃金)を少しでも抑えようとする(増員できない)あまり、2交代制(拘束時間が12時間以上の勤務)のみになり、3交代を取り入れない場合もままある。24時間態勢で稼働する工場警備業ビルメンテナンス業などにて交代勤務を取り入れて勤務する場合、現場によっては3交代ではなく2交代のシフトしか取り入れず、実働時間と休憩時間を合わせた拘束時間が12時間になる場合もあるため、極めて不規則な生活となり、体調を崩しやすくなる。例1:「9:00?21:00」「21:00?9:00」のように、実働時間と休憩時間を合わせた拘束時間が12時間もある(実働時間は10時間?10時間30分程度)。「自宅から勤務先までの通勤時間」および「終業?帰宅するまでの所要時間」も加算すれば、実質の拘束時間はもっと長くなり、「終業?次の勤務までの空き時間」が12時間を下回るため、帰宅後すぐ睡眠を取らないと次の勤務に耐えられなくなる。例2:18:00?翌朝09:00。通勤時間も含めると、自宅にいる時間が数時間。残業等が発生するとさらにその時間は短くなる。
産業による特徴
24時間切れ目なく業務が続く業種


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