勤務と勤務との間に空白時間を設けられない事業所では、日勤に一番近い時間の勤務から、二交代制の場合1直・2直(勤)、三交代制の場合1直・2直・3直と呼ぶことも多い。かつての炭鉱などでは一番方・二番方・三番方と呼んでいた[注 2]。 工場で装置を24時間連続で動かせば、昼間の8時間だけ装置を動かすのに比べて生産量は3倍となる。また、製鉄業のように装置を止めることができない場合もある。そのために使われる24時間制シフト勤務は、大きく分けて8時間勤務の「三交替(Three-shift system)」、12時間勤務の「二交替」、24時間勤務の「一交替」の3種類がある。いずれの制度でも、拘束時間の途中に1時間程度の休憩が設けられていることが多い。 三組三交替制は、24時間体制で業務を続けるためによく使われる方法である。1日を8時間ごとに区切り、第1直(昼勤)を午前6時から午後2時、第2直(前夜勤)を午後2時から午後10時、第3直(夜勤)を午後10時から翌朝6時まで働かせる方法である。各労働者に休暇日を設ける必要があるため、3組では1月を通して休業日無く業務を続けることはできない。週に休暇日を2日設け、1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は40時間、労働時間は35時間である。 労働者をA組、B組、C組の3組に分けた場合の例を次に示す。 勤務時間月火水木金土日月火水木金土日月 三組三交替制よりも1組増やして、休業日を無くす方法である。勤務パターンを切り替える日を4つの組でずらすことにより、休業日無く24時間操業を続けることができる。各個人の勤務パターンは、3直、3直、3直、休暇日、2直、2直、2直、休暇日、1直、1直、1直、休暇日のように、3日勤務、1日休暇の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は36時間45分である。 労働者をA組、B組、C組、D組の4組に分けた場合の例を次に示す。 時間月火水木金土日月火水木金土 4日勤務4日休暇二交替制(4on 4 off shift)は、イギリスで多く見られる勤務体系である。三交替制に比べて勤務パターンの変更頻度が少なくなるが、1日あたりの労働時間が長くなるため、重労働には向かない。各個人の勤務パターンは、4日勤務、4日休暇の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。 時間月火水木金土日月火水木金土日月火水 2日昼勤2日夜勤4日休暇制(Two days, two nights, four off)は、イギリス沿岸警備隊が採用している方法である。各個人の勤務パターンは、4日勤務、4日休暇の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。 時間月火水木金土日月火 12/24/12/48制では、昼勤12時間、休憩24時間、夜勤12時間、休憩48時間の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。 時間月火水木金 大陸シフト(Continental shift)はヨーロッパでよく見られる制度である。1週間は7日であるため、7日で回るローテーションとして考えられた。勤務パターンが2日-2日-3日の間隔で切り替わる。各労働者にとっては9日または10日毎の勤務パターン変更となる[19]。全体で見ると、28日間毎に同じパターンが繰り返される。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は36時間45分である。 時間月火水木金土日月火 7日-2週間制(7-day fortnight shift)では、4組二交替の一種である。アメリカのテレビ局や法執行機関 (law enforcement 時間月火水木金土日月火 デュポン式12時間ローテーション制(DuPont 12 Hour Rotating Shift)は4組二交替の一種である。この制度では、月に1回、7日連続の休みが与えられる。アメリカの製造業で広く見られる方式である。名前の通り、デュポンの製造部門で初採用された。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は38.5時間である。 時間月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日 7日8時間ローテーション制(Seven Day Eight Hour Rotating Shift)は4組三交替の一種である。7日間働いた後、1?4日の休暇が与えられる。連続休暇があるのが特徴である。かつてはアメリカ合衆国西部の製紙業で多く見られたが、4日勤務4日休暇二交替制に置き換わりつつある。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は42時間、労働時間は36時間45分である。 時間月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日月火水木金土日 4日勤務2日休日制(Four on, two off)では、12時間勤務を4日、休日を2日の繰り返しとなる。1勤務日あたり1時間の休憩を与えた場合、7日間あたりの拘束時間は56時間、労働時間は51時間20分である。労働時間が長いため、ほとんどを座って勤務する監視員などにしか向かない。 時間土日月火水木金 分割シフト(Split shift)はケータリング、輸送、ホテル、病院勤務などに務める配膳業者の勤務によく使われる。昼食を用意するための10時?14時、夕食を用意するための17時?21時が労働時間となる。7日間あたりの拘束時間、労働時間ともに40時間である。 時間月火水木金土日 早番・遅番制(Earlies and lates)は電話応対、コンビニエンスストア、保育、デイケアでよく用いられる。早番と遅番の勤務時間の一部を重複させることも多い。 時間月火水木金土日 人員の不足または人件費(割増賃金)を少しでも抑えようとする(増員できない)あまり、2交代制(拘束時間
24時間制
三組三交替制
06:00?14:00A組A組A組A組A組休業休業B組B組B組B組B組休業休業C組
14:00?22:00B組B組B組B組B組休業休業C組C組C組C組C組休業休業A組
22:00?06:00C組C組C組C組C組休業休業A組A組A組A組A組休業休業B組
四組三交替制
06:00?14:00A組A組A組B組B組B組C組C組C組D組D組D組A組
14:00?22:00B組B組C組C組C組D組D組D組A組A組A組B組B組
22:00?06:00C組D組D組D組A組A組A組B組B組B組C組C組C組
休暇日D組C組B組A組D組C組B組A組D組C組B組A組D組
4日勤務4日休暇二交替制
07:00?19:00AAAACCCCBBBBDDDDA
19:00?07:00BBBBDDDDAAAACCCCB
2日昼勤2日夜勤4日休暇制
07:00?19:00A組A組B組B組C組C組D組D組A組
19:00?07:00D組D組A組A組B組B組C組C組D組
休暇日BCBCCDCDDADAABABBC
12/24/12/48制
07:00?19:00A組B組C組D組A組
19:00?07:00D組A組B組C組D組
休暇日BCCDDAABBC
大陸シフト
06:00?14:00A組A組B組B組C組C組C組D組D組
14:00?22:00D組D組A組A組B組B組B組C組C組
22:00?06:00C組C組D組D組A組A組A組B組B組
休暇日B組B組C組C組D組D組D組A組A組
7日-2週間制
08:00?20:00A組A組C組C組B組B組B組D組D組
20:00?08:00B組B組D組D組A組A組A組C組C組
休暇日CDCDABABCDCDCDABAB
デュポン式12時間ローテーション制
昼勤務BCCABBDAACDD
夜勤務AABDDACCDBBC
休暇CBABADADCDCB
長期休暇DDDCCCBBBAAA
7日8時間ローテーション制
07:00?15:00AAABBBCCCDDD
15:00?23:00BBCCCDDDAAAB
23:00?07:00CDDDAAABBBCC
休暇日DCBADCBADCBA
24時間制以外
4日勤務2日休日制
07:00?19:00勤務勤務勤務勤務休日休日勤務
分割シフト
10:00?14:00勤務勤務勤務勤務勤務休暇休暇
14:00?17:00休憩休憩休憩休憩休憩休暇休暇
17:00?21:00勤務勤務勤務勤務勤務休暇休暇
早番・遅番制
08:00?16:00A組A組A組A組A組休業日休業日
15:00?23:00B組B組B組B組B組休業日休業日
2交代制の問題
産業による特徴
24時間切れ目なく業務が続く業種
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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