シェーファーとベネディクトが使用した無文字言語の記述は、多くが宣教師や植民地政府の統治者によって記録されたものであり、言語学的にみた正確さに問題がある[48][49]。小さなシナ・チベット語族の言語の大部分は近づきがたい山間地で話されており、その多くは政治的・軍事的に敏感な地域であって、調査が禁じられている。1980年代まで、もっともよく調査されていた地域はネパールと北部タイであった[50]。1980年代から1990年代にかけて、ヒマラヤと中国南西部の新しい調査が公刊された。中でも特に興味深いのは、この時期以降、数多くの文献が出版されるようになったチアン語群(四川省などで話される)の「発見」である[51][52]。 シナ・チベット語族とされる言語グループの系統は、諸説あるが、下記の通り列挙する。
系統
シナ語派
シナ語派 (Sinitic)
中国諸語
官話 (Mandarin)
東北官話
北京官話(北京語)
標準中国語
普通話
台湾国語
膠遼官話
冀魯官話
中原官話
ドンガン語 (Dungan/東干) - ドンガン人
蘭銀官話
江淮官話
西南官話
晋語
山東語 (Shandong) - 山東人