シティ・オブ・ロンドン
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シティは面積と人口の点でイングランドの典礼カウンティにて最小であり、人口密度は4番目に高い。シティの境界には、市の紋章が描かれた黒いボラードと、ドラゴン境界標(英語版)の像が設置されている[10]シティの区割り(2003年以降)

テンプルバーの1849年オリジナルのドラゴン像

石炭取引所の1849年オリジナルのドラゴン像

Aldersgateの境界ボラード

ドラゴン像の拡大部

現在のドラゴン像はロンドン市周辺に14体存在しており、オリジナルのままの像は2体で、石炭取引所と。テンプルバー付近に設置されている[11][注釈 10]
歴史
マグナカルタまで

ローマ人によるブリテン島進出は、紀元前から行われていたが、紀元43年頃に、既にあったローマ人居住地間[注釈 11]の行き来を便利にするためにテムズ川に木造の橋が掛けられた(現在のロンドン橋)。橋の位置はイングランド南部の比較的海に近い所で、幅・深さも海船が乗り入れるのに十分であり、国内外の物資輸送に好都合であった。そこで紀元50年頃に川の北岸に居住地を作り、ロンディニウム(Londinium)と名付けた。町の周囲には城壁が築かれ、ローマ軍が駐屯した。3世紀末にローマ軍内部で反乱がおき(Carausian Revolt)、4世紀後半には北方のハドリアヌスの長城ケルト人によって破られた。ブリテン島に軍隊を駐留させる費用は年々大きくなり、410年に皇帝ホノリウスは諸都市に自衛を命じてブリテン島から軍を撤収する決断をした。

6世紀に大陸から渡ってきたアングロ・サクソン人の部族国家が生まれ、七王国時代の幕開けとなった。紛争が絶えなかったため、シティの市街地は長きにわたってローマ人の残した城壁の外側に広がることはなかった。シティにおけるキリスト教団の拠点となるセント・ポール大聖堂が607年頃に建てられた。当時のシティの建物は木造建築が主体で、しばしば火災が発生した。アゼルスタンがデーンロウの奪還に成功し、イングランドの基礎を築いた。1078年、ウィリアム征服王は、城壁の南東角地に要塞の建設を命じた。これが後のロンドン塔の中核部分となり、イングランドの政治の中心地としての地位が固まった。

12世紀ヨーロッパ人、特に北イタリアのロンバルディア人が移住してきた(ロンバード・ストリート)。このころシティ議会の原型が生まれた[注釈 12]。1215年のマグナ・カルタはシティが国際市場化するきっかけとなった。シティは、1203年までに24区に分けられていたが、1394年にファリントン区(Farrington Ward)が二分され25区となった[注釈 13]。シティ参事会は各区長で構成され、そこから毎年の長を選んだ[12]。区長は各区の市議会と行政を担った。参事会と市議会の双方に、同業者ギルドが多くの代表を出した。
国際金融市場の形成

1550年、シティに新しく一区が設けられ、全部で26区となった[注釈 14]。5年後にモスクワ会社の前身が勅許を得た(Company of Merchant Adventurers to New Lands)。1570年、トーマス・グレシャムと彼の国際人脈がシティに王立取引所を設けた。これは欧州アントウェルペンのそれを模したものであった。銘柄と郵便の国際化により、王立取引所の利便性は向上した。1592年レバント会社が設立され(Levant Company)、その運営が東方問題を国際経済面で惹起した。1616年ジョン・リーマン(John Leman)がシティの長となった。1636年、チャールズ1世の御用金融家(Philip Burlamachi)が政府の手形交換所として中央銀行を構想した。清教徒革命でシティは、軍事費を徴収されたり、娯楽を規制されたりした。1666年ロンドン大火フリート・ストリートが燃えた[注釈 15]。1672年ホア銀行(C. Hoare & Co)が設立された。1712年、創業者がシティの長となった。

1720年、南海泡沫事件が起こる。1725年、減債基金を流用していたロバート・ウォルポールのシティ選挙法が、民主的な市議会の決定を富裕な参事会が拒否できる権限を与え非難を浴びた。1734年イングランド銀行が現住所のスレッドニードルへ移転してきた。1750年にウェストミンスター橋ができたので、ロンドン橋がテムズ川唯一の橋でなくなった。それから十数年、モスクワ会社のアンガースタイン(John Julius Angerstein)がシティで青年期をすごした[13]。1760年、ジョージ3世の即位式に810人のマーチャント・バンカーが参加した。そのうち、少なくとも250人は外国人だったといわれる。2年後ベアリングス銀行が設立された。1773年にロンドン証券取引所が誕生した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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