シチュエーション・コメディ
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テレビアニメ『ザ・シンプソンズ』(1989年 - )もシットコム形式で制作されており、こういった形式のアニメ作品はその後『サウスパーク』(1997年 - )や『リック・アンド・モーティ』(2013年 - )などが存在する[3]
カナダ

カナダのテレビ局はシットコムの制作数自体が少なく、また成功を収めたシットコムも比較的少ない[17]。評論家のビル・ブリューはその理由として、テレビ番組のシーズンの1つ1つが短いことや、マーケティングに割ける予算が限られていることなどカナダにおけるテレビ番組の構造的な問題をいくつか挙げ、視聴者が番組に気づかない可能性が高いと指摘している[17]。一方でスケッチ・コメディーといった分野では大きな成功を収めている[17]

成功を収めた作品としては、ピーク時には150万から180万人の視聴者がいた『キングオブケンジントン(英語版)』(1975年 - 1980年)や[17]、6シーズンにわたって放送されジェミニ賞を6度受賞した『コーナーガス(英語版)』(2004年 - 2009年)が存在している[18]
中華人民共和国

中華人民共和国でシットコムが誕生したのは1990年代初頭である[8]。アメリカ合衆国の作品形式を学んで制作されたとされ、『??部的故事(中国語版)』(1992年)や『我?我家(中国語版)』(1993年 - 1994年)はその先駆である[8][5][19]。その後も『武林外?(中国語版)』(2006年)や『?情公寓(中国語版)』(2009年 - 2020年)などの人気作が登場するが、中国の文化や言語を反映した独自の構成の作品も登場している[8]
大韓民国

大韓民国では、SBSで1998年から放送された『順風産婦人科』(1998年 - 2000年)が韓国における元祖シットコムと言われている。『ノンストップ』(2000年 - 2006年)が6年間で6シーズンが作られる人気作となる。この頃からシットコムが盛んに作られるようになり、『思いっきりハイキック(朝鮮語版)』(2009年 - 2010年)は27.7%の高視聴率を記録した[20]。若手俳優の登竜門としての役割も担っており、俳優の名前がそのまま役名に用いられることも多い[19]
日本

日本においてもシットコムと呼べる作品自体は古くから存在しているが、「シットコム」という概念も名称も定着しておらず[8][6][21]、シットコムの要件を満たす作品も内容によって「ホームドラマ」など別のジャンルで呼ばれている。定着しない理由としては、質の高いお笑いタレントコントがシットコム需要を満たしてしまっているという説もある[22]

テレビドラマとしては定着していない一方で、長寿番組として続いているアニメには『サザエさん』(1969年 - )、『ドラえもん』(1973年、1979年 - )や『ちびまる子ちゃん』(1990年 - 1992年、1995年 - )などシットコム形式のアニメが多く存在している[3][6]
テレビ黎明期

日本のテレビ本放送開始は1953年[23]。1957年春にはNHKでアメリカ制作のホームコメディ『アイ・ラブ・ルーシー』の放送が始まり、日本における連続ホームドラマ誕生のきっかけとなった[24]

どの作品が日本の最初のシットコム作品であったのか断定することは難しいが、『アイ・ラブ・ルーシー』をお手本にしたと思しきものにフランキー堺の『わが輩ははなばな氏』(1956年 - 1959年)がある[25]。また著名なものに『ダイラケのびっくり捕物帖』(1957年 - 1960年)、『頓馬天狗』(1959年 - 1960年)[19]、『番頭はんと丁稚どん』(1959年 - 1961年)[26]、ラジオ『すかたん社員』のテレビ版『スチャラカ社員』(1961年 - 1967年)[19]、『てなもんや三度笠』(1962年 - 1968年)[19]などが挙げられ、1960年頃(昭和30年代)には盛んに制作されていた[19]。なお、ラジオドラマを含めるなら『お父さんはお人好し』(1954年 - 1965年)などさらに古い作品も存在する。

この形式の番組は特に関西で人気があった。しかし、全国的にはスタジオ収録のドラマが主流になったことや、関西制作の番組が全国放送されることが少なくなったこともあり徐々に減少していった。1970年代中期(昭和50年頃)にはほとんど制作されなくなっていたが、一方で関西ではこの流れをくむ日曜笑劇場が1975年4月から2013年3月まで放送されていた。テレビでは廃れる一方で、テレビドラマ『男はつらいよ』(1968年 - 1969年)[6]を初出とする映画シリーズは、渥美清が主演した48作だけで配給収入464億円超・観客動員数7957万人超[27]を記録するなど大成功を収めている。
1980年代から2000年代

三谷幸喜が関わった『やっぱり猫が好き』(1988年 - 1991年)[28]、『子供、ほしいね』(1990年 - 1991年)[29]、『王様のレストラン』(1995年)[30]などがシットコム作品として挙げられるが、同時期(特に1980年代)はシットコム作品自体が少ない。国内では低迷していた一方で、NHK総合が1991年から不定期で放送したイギリス・テムズテレビ制作の『Mr.ビーン』は日本国内でも大人気となった。

2000年前後には『さるしばい』(1998年)[31]、『走れ公務員!』(1998年)[32]、『JJママ!』(2000年)[33]、『HR』(2002年 - 2003年)[34]などフジテレビジョン系列でシットコムを謳った作品が複数作られる。


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