シダ
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シダ類の生活環胞子体配偶体が独立して生活する単複世代交代型である[27]。胞子体にはが分化する[8]胞子は胞子体の胞子嚢の中に減数分裂の結果形成される[27]。ほとんどのシダ類では胞子は雌雄の差がない同形胞子性であるが、水生シダ類では大胞子と小胞子をつくる異形胞子性である[27]。胞子嚢は普通、裏面または葉縁に集まって胞子嚢群(ほうしのうぐん、ソーラス sorus, pl.: sori)を作る[27][1]。胞子嚢が1つの細胞に由来し、1層の細胞層からなるシダ類を薄嚢シダ類 leptosporangiate ferns、胞子嚢が複数の細胞に由来し、複数の細胞層に包まれるシダ類を真嚢シダ類 eusporangiate fernsという[6][1]。薄嚢性は派生形質であり、薄嚢シダ類は単系統群である[6]。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}胞子嚢群の列単一の胞子嚢群・腎臓型の包膜胞子嚢裂開した胞子嚢ホシダの胞子嚢群

茎は短く、木生シダ以外では地中生、着生、地表生であり根茎 rhizomeと呼ばれる[1]。根茎には匍匐(creeping)するもの、斜上(ascending)するもの、直立(erect)するものがある[28]木生シダ類のヘゴ科では高く成長し、24 mに達するものもあるが、ハナワラビ類以外のシダ類の茎は肥大成長せず、木本ではない[27][29]。木生シダ類の「幹 trunk-like stem」は直立茎の周囲を不定根が覆ったものである[28]
トキワシノブ Davallia tyermannii の葉の各部の名称。3-4回羽状複葉。「羽葉」を参照

葉は大葉で、単葉からシダ型4-5回羽状複葉となるが[1]、羽状複生することが多く、特に羽葉(frond)と呼ばれる[30]。複葉の小葉(leaflet)は特に羽片(うへん、pinna, pl.: pinnae )と呼ぶ[31]。葉端の羽片を頂羽片(terminal pinna)、それ以外を側羽片(lateral pinna)、繰り返し構造となる羽片の更に1枚を小羽片(pinnule)と呼ぶ[28]。他の複葉と同様に羽片の付く軸を葉軸(中軸、rachis)、小羽片の付く軸を羽軸(pinna rachis)と呼ぶ[28]

葉の二形性は種によって異なり、二形 dimorphicのものでは胞子嚢を付ける胞子葉(実葉、fertile frond)と胞子を付けない栄養葉(裸葉、sterile frond)に分かれる[28]。また、区別のないものは同形 monomorphic、1枚の葉で胞子を付ける羽片と胞子を付けない羽片があるものは部分二形 hemidimorphicと呼ばれる[28]ハナヤスリ類では担栄養体(栄養葉、trophophore)と担胞子体(胞子葉、sporophyte)の基部が合わさって担葉体(共通柄、common stalk)となる[1][28]。サンショウモ属では根を持たず、水上に浮かぶ浮葉(floating leaf)と根のように変形した沈水葉(水中葉、submerged leaf)の2種類の葉を持つ[28]
生息環境岩に生えるサイゴクホングウシダ Lindsaea japonica。

シダ類が最も多様に分化しているのは熱帯であり、雲霧林中の着生植物が多く、地上生種も多様である[27]木生シダ類では森林伐採後の二次植生として群生し、広大なヘゴ林を形成することも多い[29]。一方、ヒトツバのように乾燥に強いものやサンショウモのような水生シダ類も存在し、様々な環境に生育している[27]

渓流は水流の圧力や濁流中の砂粒子、微生物による腐蝕といった陸上植物が様々なダメージを受け、水位の変化が激しい過酷な環境であるが、渓流帯にのみ適応した渓流沿い植物が存在する[32]。シダ類にも渓流沿い植物が存在し、日本ではゼンマイ科ヤシャゼンマイ、ホングウシダ科のサイゴクホングウシダオシダ科のヤエヤマトラノオ、ウラボシ科のヒメタカノハウラボシ、ミツデヘラシダなどが挙げられる[32]。これらは根茎が発達し、岩にしっかり固着できること、茎が強靭で折れにくいこと、葉は細長く流線型全縁、平滑で無毛などの形質を持つ[32]。このようなシダ植物では世界で約100種知られている[32]
下位分類「PPG I」も参照

ヒカゲノカズラ科 ミズニラ科 イワヒバ科 種子植物 トクサ科 マツバラン科 ハナヤスリ科 リュウビンタイ科 ゼンマイ科 コケシノブ科 マトニア科 ヤブレガサウラボシ科 ウラジロ科 カニクサ科 フサシダ科 アネミア科 サンショウモ科 デンジソウ科 チルソプテリス科 ロクソマ科 クルキタ科 キジノオシダ科 タカワラビ科 メタキシア科 ディクソニア科 ヘゴ科 サッコロマ科 キストディウム科 ロンキティス科 ホングウシダ科 イノモトソウ科 コバノイシカグマ科 ナヨシダ科 ヌリワラビ科 イワヤシダ科 デスモフレビウム科 ヘミディクティウム科 チャセンシダ科 イワデンダ科 コウヤワラビ科 シシガシラ科 メシダ科 ヒメシダ科 ディディモクラエナ科 キンモウワラビ科 オシダ科 タマシダ科 ツルキジノオ科 ナナバケシダ科 ツルシダ科 シノブ科 ウラボシ科
PPG I

現在では、小葉植物を含むシダ植物の分類体系として、PPG I分類体系が用いられている。右図における、ハナヤスリ科以下が本項における、これまで普通「シダ類」として扱われてきたである。

この項では本項に示す側系統群が「シダ綱」として扱われていた過去の分類体系を以下に示す。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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