シス_(スター・ウォーズ)
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シスが内部分裂から内部崩壊へと至った原因は、シスの教義そのものの中にあった。他者との協調や仁愛、慈悲を重視するジェダイとは異なり、シスはただ私益のみを偏重する。ジェダイは銀河の平和と安定への滅私奉仕によって己を厳しく律し、力の濫用を厳しく戒め、フォースの行使に関しては極めて慎重な姿勢である。これに対して、シスの基本的な教理は「力を抑制することは力を無駄にすること」であり、私利私欲に基づくフォースの無制限な行使を積極的に肯定する。加えてその拠り所は、あくまで自分自身の実力のみであり、よって彼らは、自身の知識や能力を他者と共有するようなことは決してしない。このため、対等関係のシス同士では互いに強い不信感を抱き、激しく争うようになるのである。

シスの中でただ独り生き残ったダース・ベイン卿は、先の内部崩壊での反省から、シス同士での内紛を阻止するための新たな規律を模索した。そして、シスの技能や教義は、ただ一人の師匠からただ一人の弟子へ、明確な序列のもとで継承されるべきだとの結論に達した。これが、後に「ダース・ベインの教え」あるいは「二人の掟」と呼ばれる、シスの「師匠」から「弟子」への一子相伝制の確立である[1]。 弟子は師匠が引退(死亡)すると、独立して自らもまた師となり、再びただ一人だけの弟子に伝授してゆく(「師匠の死」は「弟子の独立」を意味したため、師匠の殺害という形で独立を果たした弟子も多かった様子である)。こうしてシスの教義は細々とではあるが、確実に伝承されていった。シスたちはジェダイや世間からその存在をひた隠しにし、いずれジェダイへの復讐を遂げ、銀河を暗黒で支配する来たるべき日までの修練が連綿と続けられていった。一方のジェダイは、その間に目覚ましい発展を続け、最盛期にはおよそ1万人ものジェダイが銀河系の各地で、共和国の特使として紛争の調停任務等で活躍し、共和国の平和を永く守り続けていた。しかし、宿敵とも言えるシスが姿を消したことにより組織は次第に硬直化し、フォースの研究や戦闘訓練はこれまでどおり続けられたものの、次第に外交任務が中心となり、実戦経験を積む機会とその必要性は急速に薄れていった。そして年を追うごとに、フォースとライトセーバーとを駆使する戦闘に長けた、俗に言う「強いジェダイ」は徐々に数を減らしていった。加えて、シスがダークサイドの力を師匠と弟子の二人で独占した[2]のに対し、ジェダイはライトサイドの力を大人数で希釈してしまったこともその弱体化の原因であった。

やがて、シスの野望を体現する者が彗星のごとく遂に出現した。ダース・シディアス、後の銀河帝国皇帝パルパティーンである。彼はシスの暗黒卿、ダース・プレイガスの下で永らく修行を積み、やがて強力なフォースを手に入れると同時に師を殺害し、史上最強のシス・マスターとして君臨した。その力は政治面にも存分に発揮され、表向きは惑星ナブー出身の元老院議員として銀河元老院の最高議長にまで登り詰めた。深刻な腐敗の横行する日和見主義的政治の一大改革を共和国の代表として主導する一方、裏では多くの不満勢力を焚きつけてクローン大戦を誘発させ、共和国の軍拡政策を積極的に推進し、この戦争を利用してジェダイの数を減らしつつ、巧妙な情報操作などで人々にジェダイへの強い不信感を植え付けた。そして最終的には強大な軍事力と新たな弟子ダース・ベイダーを駆使してほぼ全てのジェダイを壊滅させた。更に共和制を帝制に移行させることにも成功し、ここに4,000年来のシスによる大帝国が漸く復活されたのである。だが、かつてルーサンの戦いにおいて、シス卿ダース・ベインが生き残ってシスの命脈を未来に繋いだ様に、ジェダイにもオビ=ワン・ケノービヨーダなどの僅かな生き残りが存在した。
旧共和国時代の代表的なシス

ダース・ベイン

ダース・ザナー

ダース・コグナス

ダース・ミレニアル

ダース・ヴェクティヴス

ダース・テネブラス

ダース・プレイガス

ダース・シディアス

ダース・モール

ダース・ティラナス(ドゥークー伯爵)

ダース・ベイダー

帝国時代

銀河帝国の成立と共に、ジェダイは既に滅びたとされていたが、反政府勢力である反乱同盟軍に協力する一人のジェダイの存在を感じ取っていた皇帝は、シスの弟子である右腕のダース・ベイダーにそのジェダイの捜索を命じていた。だがそうして発見されたのが、ベイダー卿の実の息子であるルーク・スカイウォーカーであったのが運命の分岐点であった。ルークが戦いの中で父と同じようにフォースの暗黒面に堕ちる可能性を認識した皇帝は、彼がやがて憎しみを募らせて父を殺し、シスへと寝返る様に様々な策略を巡らす。しかし、かつて「フォースにバランスをもたらす選ばれし者」と予言されたダース・ベイダー=アナキン・スカイウォーカーの真の力を見抜くことが出来ず、父譲りの強いフォースを持つルークを新たな弟子に据えることにばかり固執し、その誘惑を拒絶された怒りによって生じた隙を突かれた形であえなく倒された。これにより4,000年ぶりに甦ったシスの帝国は、たった25年で終焉を迎えた。ジェダイの予言の通り、善悪両面で最高の力を発揮したアナキン・スカイウォーカーがこの戦いに決着を付け、その息子であるルークがより高次元の精神を以て新たなジェダイを率いていく結末が導かれた。
帝国時代の代表的なシス

ダース・シディアス

ダース・ベイダー

新共和国・銀河同盟時代(レジェンズ)師弟

一般的には、ダース・シディアスダース・ベイダーの師弟二人が最後のシスと言われていたが、スピンオフ作品ではこの後にもシスホロクロン等を通して古代シスの教義を学んだり、そうした者達に教えを受けるなどといった形でシスの教義を継承する者たちが現れたり、既に死亡しているシスの暗黒卿が何らかの形で復活したりと、様々な形で新たなシスの暗黒卿が姿を現している。そして、かつて皇帝の手としてパルパティーンに仕えていた配下の一人で、ダーク・レディーを名乗るルミヤ(シーラ・ブリー)と、旧共和国時代のジェダイの生き残りで、シスの暗黒卿ダース・クレイトを名乗るアシャラド・ヘットが、ダース・ベインから代々続く正式な系譜とは異なる、全く新たな二つの分派をそれぞれ形成し、シスは存続していくこととなる。
新共和国・銀河同盟時代の代表的なシス

ダース・シディアス(クローンとして復活)

エグザ・キューン(霊体として復活)

マーカ・ラグノス(霊体として復活)

ルミヤ(シーラ・ブリー)

カノア・ジャックス

ダース・カイダスジェイセン・ソロ

ダース・クレイト(アシャラド・ヘット)

ダース・アンデデュー(霊体として復活)

カーネス・ムール(霊体として復活)

脚注^ 「一人の師匠に一人の弟子」という教義自体はダース・ベインによる「二人の掟」制定以前から存在しており、アニメ『反乱者たち』ではダース・ベイン以前の時代に惑星マラコアに建造された寺院が登場するが、その内部はシスが師匠と弟子の二人一組で訓練を行う前提で設計されている事が語られている。『エピソード1』の時点で、ジェダイ評議会のメンバー達はシスが1000年前に完全に滅びたものと認識していたが、ダース・ベイン以降もシスの系統が続いていた事を知らないはずのヨーダメイスがシスの教義を把握していたのはこのためである。
^ クローン大戦でダース・ティラナスの弟子として活躍したアサージ・ヴェントレスのように、「二人の掟」に数えられる正式なシスの暗黒卿とは別にダーク・ジェダイと呼ばれるダークサイドのフォースの使い手を弟子として従える事はあった。ただし、こうしたダーク・ジェダイ達はシスに伝わる教義を学ぶ事は許されず、シス以外の者にも知られるフォースやライトセーバーの技術についてのみ訓練されていた。

関連項目

ジェダイ

フォース










スター・ウォーズシリーズ
映画

本編

新3部作

エピソード1 / ファントム・メナス

エピソード2 / クローンの攻撃

エピソード3 / シスの復讐

旧3部作

エピソード4 / 新たなる希望


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