事件を受けてFBI長官ウォマックは、アメリカ海軍特殊部隊Navy SEALsの派遣を要請、化学兵器のスペシャリストであるFBI特別捜査官のグッドスピードと、当局に幽閉中の元SAS隊員でMI6の伝説的スパイ、メイソンの2名にも同行を命じた。脱獄不可能と言わたアルカトラズ刑務所から唯一脱獄に成功した凄腕のメイソンだが、仮釈放と同時に逃走してしまう。しかしサンフランシスコに住む娘のジェイドに会ったメイソンは、娘を守るためアルカトラズへの同行を承諾する。
作戦が決行され、Navy SEALsは水中からの潜入に成功する。しかし待ち伏せしていた海兵隊員たちに包囲され降伏を迫られるが、SEALs隊長のアンダーソン中佐はこれを拒否、銃撃戦の末SEALs隊員は全滅する。生き残ったグットスピードとメイソンは、たった2人で海兵隊員と戦いながらVXガスの無効化に挑む。
潜入部隊が全滅したと判断したウォマックは、アルカトラズ島への空爆を大統領に要請する。多くの人質を殺すことになるが、サンフランシスコを守るため、大統領は苦渋の選択の末、空爆を許可する。一方、空爆を悟った海兵隊員たちはVXガスミサイルを発射しようとするが、本気でテロを行うつもりがなかったハメルはこれを許可せず、海兵隊員と同士討ちの銃撃戦となり部下に撃ち殺されてしまう。
メイソンとグッドスピードは死闘の末、残った海兵隊員全員を倒しミサイルの無効化も達成するが、自らVXガスを浴び拮抗剤のアトロピンを注射したグッドスピードが薄れ行く意識の中で点火した中止要請の発煙筒は観測が遅れ、空母から発艦したF/A-18戦闘機の焼夷弾投下に指令が間に合わず、一発が爆発。グッドスピードは爆風で吹き飛ばされた。
救助部隊が人質を解放し、メイソンがグッドスピードを救助、メイソンは感謝と信頼の証として、かつて自身が盗み出し逮捕・収監の原因となったJFK暗殺の証拠など国家機密を収めたマイクロフィルムの隠し場所をグッドスピードに教え、姿を消す。後日新婚旅行に出たグッドスピードは、カンザス州フォート・ウォルトンの聖ミカエル教会で回収したマイクロフィルムを狂喜とともに凝視するのだった。 本項では主要な登場人物について記述する。
主な登場人物
ジョン・パトリック・メイソン[注 1]
演 - ショーン・コネリー本作の主人公の一人。元イギリス情報局秘密情報部部員・兼SASの大尉で、アルカトラズ刑務所からの脱獄に成功した唯一の人物。1960年代にアメリカの機密情報の収められたマイクロフィルムを奪取しイギリスに逃亡する直前にFBIに捕まり、イギリス政府も事実を隠蔽した為身分も国籍もない消された存在となっている。裁判も無しに刑務所に幽閉されてしまったため、その経緯に関わったウォマックとはその頃から互いに憎み合っている。ジェイド・アンジェルはメイソンの実の娘にあたる。アルカトラズの人質救出作戦の際にはどさくさに紛れて逃走を図るなど初めは非協力的だったが、グッドスピードに事実を伝えられ協力的になる。BD版の特典映像のジェリー・ブラッカイマーのインタビューによると、メイソンの元イギリス情報局秘密情報部員という設定や、ラストのケネディ暗殺の真相を記したマイクロフィルムの件は、ショーン・コネリーのアイデアによる。なお、コネリーは映画界を代表するイギリスの諜報員、すなわちジェームズ・ボンドを演じた俳優の一人として知られている。
“スタン”スタンリー・グッドスピード
演 - ニコラス・ケイジ本作の主人公の一人。FBI特別捜査官だが、専門は化学兵器のスペシャリストで射撃は訓練校時代に経験した程度のため実戦には不向き。子を身篭ったカーラを恋人に持っている。コロンビア大学卒、ジョンズ・ホプキンス大学で修士号・博士号を取得。FBIでも折り紙付きの化学研究員で、その才能を見込まれてアルカトラズに持ち込まれたVXガス弾無力化の為にメイソンとSEALs部隊と同行してアルカトラズに向かうことになった。ビートルマニアであり、作中でもレアなビートルズのLP(『ミート・ザ・ビートルズ』)を購入している他、エルトン・ジョンの曲に言及するシーンもある。ベージュのボルボに乗っている。