ザビ家
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常に顔の下半分を覆うマスクを着けているが、その理由は戦場での肌荒れを防ぐためだとも[3][4]、戦場の臭いを嫌悪しているからだとも[16]言われている。

兄であるギレン同様、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}他者を政治的な力関係で見てしまいがちな人物である[要出典]が、ガルマの葬儀になかなか出ようとしない父デギンに労わりの言葉をかけており、ギレンが父を暗殺したことを知った際には怒りをあらわにしていることから、家族愛の意識は持っていたことが窺われる。もっとも、父を大切に思う娘の気持ちはしっかりと伝わっていたとは言いがたく、デギンはギレンに対する忠告を行なった際に「キシリアは何を考えているのか」と独白している。『THE ORIGIN』ではデギンを敬愛している姿が強調されるが、アニメ版のように心底からの愛慕ではなく、「いざというときはギレンを止めてくれ」と嘆願された折、兄ギレンの父殺しを確定させるため和平交渉に向かった父の座乗艦グレート・デギンの座標情報をリークしている。末弟のガルマに対しては、自分への忠誠心を持つようにある程度優しく接しながら利用していたようでもある[要出典]。

『THE ORIGIN』では、ジオン黎明期から政争に明け暮れる冷酷非情な野心家で、ザビ家の関わったあらゆる陰謀の黒幕的存在として描かれており、テレビ版で垣間見せる熱さは持たない。次兄サスロの暗殺への関与疑惑、キャスバル暗殺のために無関係な乗客を巻き添えにした宇宙船の爆破、ミノフスキー博士の亡命を連邦軍への示威行動に利用、内通者や反対政治家の暗殺など容赦がない。キシリア機関と称される独自の諜報機関を指揮し、ジオン軍内部の綱紀粛正を行っており将兵から恐れられている。また、女を捨てたと評されるアニメ版に対して、奔放な男性関係をうかがわせる描写がされ、自らも変装し工作活動に従事する。その一方で地球至上主義者のマ・クベ(本作では中将)を抜擢。戦争継続のために南極条約調印交渉の全権を与えるのみならず、和平交渉決裂後に行われた地球降下作戦の指揮権を与えている。また彼への信任の証として自らの本心を語り、末弟ガルマ・ザビの身柄を預けている。なお、「シャア・セイラ編」の頃は髪が短く両側に跳ね上がっているなど容姿が若干異なり、マスクも付けず堂々と行動し、「ルウム編」からテレビ版のスタイル(手袋が黒になるなど若干の変更あり)になっている。

若くして政治的な野心を持ち、長兄ギレンに対抗するため軍事力や政治ルートなどを独力で確立せんと試みるが、自身よりも年上で、すでに政治に身を投じていたギレンに対し、正攻法では困難と気づいていた。そのためか、モビルスーツやニュータイプなど新しいものに目をつける傾向が見られる。大佐時代の宇宙世紀0078年10月にはモビルスーツ中心の軍備増強を主張して、宇宙艦隊を重視していた三男ドズルと激しく対立し、両者とも自説が容れられなければ軍籍を離脱するとまで発言している。その結果、ギレンの調停により、ジオン公国軍はドズルの指揮する宇宙攻撃軍とキシリアの指揮する教導機動大隊をベースとした突撃機動軍に分割されることとなる。なお、一年戦争中にも戦略海洋諜報部隊の本拠となるキャリフォルニアベースの取り扱いについてドズルと対立しており、ドロス級大型輸送空母ドロワ(ただし未完成)を譲ることで彼の譲歩を得ている。

長兄ギレンと政治的に反目する過程で、自己の政治勢力を拡大することに腐心していく。月の裏側にあるグラナダ基地を根拠地とし、末弟ガルマ麾下の北米方面軍によって北米大陸を押さえる一方、そのガルマの死に憤るドズルに左遷されたシャアを登用してマッドアングラー隊(大西洋潜水艦隊)を預けたり、腹心マ・クベ大佐を地球に派遣して中央アジア(オデッサ)を中心に鉱物資源を採掘させるなどしている。テレビ版18話ではマ・クベと共にアッザムに搭乗して自らガンダムと対戦。直接戦火にさらされる立場になっても冷静さを崩さず、胆力を示した。この時に、ガンダムの性能を目の当たりにしたことでドムなどの新型モビルスーツ配備を急ぐようになる。ニュータイプに対しても一定の理解があり、フラナガン機関を創設している。また、連邦軍によるソロモン攻略戦の際、ドズルは援軍要請をおこなわなかったもののマ・クベに率いさせた艦隊をグラナダからソロモン救出に向かわせている。『THE ORIGIN』(漫画)では一個軍団を擁する空母ドロスに自ら搭乗して援軍に向かうが、連邦軍やギレンの動きを巡る政治的駆け引きによりシャアの讒言に乗り、援軍を送ることを中止する。

シャアとは、「幼い頃に遊んでやった」間柄でもあり、後にその正体を見破るが、彼の目的がザビ家打倒からジオニズム実現へと移行しているとの言質を取った上で、逆に自分の懐刀として使うことを伝えている。キシリアが「シャア=キャスバル」であることを悟った際の心理は小説版で詳細に描写されており、劇場版もこれに準じている。幼いキャスバルの聡明さを愛していたせいか、その正体を知りながらもシャアに対する信頼は篤く、政治的計算の他にも期待するところが大きかったようである。『THE ORIGIN』では、11歳にしてダイクンの後継者として毅然とした態度を見せたキャスバルに少なからず恐れを抱き、後に成長した彼のジオン入国を察知して暗殺命令を出した際には、「無名で朽ち果てるつもりなら生かしておいたものを」と独白したことからそれを伺わせている。漫画版ではガルマの戦死後、軍籍を剥奪されたシャアを捕縛し尋問するが、シャアの持ちかけた取引に応じて以後は部下とする。後にシャアの正体を知った際に、ガルマを殺した男と手を結ぶ事に対して自己嫌悪の感情を示しており、悪役ぶりが強調された『THE ORIGIN』の中で、唯一、人間味が増した描写となっている。

宇宙世紀0079年12月31日、長兄ギレンが父デギンを謀殺したことを知り、これを機にア・バオア・クー攻防戦の最中に司令部でギレンを射殺。兄に代わって総司令となるが、皮肉にもそれまで優勢だった戦況がこの暗殺による指揮系統の混乱をきっかけに暗転。キシリア自身も「Sフィールドにモビルスーツ隊を」との指示の直後に、要塞被弾の衝撃が指令室にも及ぶと動揺したのか「Nフィールドにモビルスーツ隊を集中させい」と朝令暮改的な指示を出すなど戦術指揮能力の低さを露呈。さらに連邦軍の猛攻によるドロス、ドロワを始めとする基幹部隊の壊滅やデラーズ艦隊の戦線離脱等々による防衛線の崩壊によってジオン軍の敗色が濃厚となる。『THE ORIGIN』(漫画)では、最初からギレン抹殺の目的をもって援軍とともにア・バオア・クー宙域に赴き、ドロスの圧倒的な火力で連邦艦隊に致命的打撃を与えたところで、司令塔に向かい予定通りの凶行を行う。この時点では軍事的優位に立つが、アルテイシア・ソム・ダイクンを担ぎ上げた予想外の叛乱部隊の蜂起によってキシリアのシナリオは狂わされる。

戦局が絶望的となった時点で、司令部のトワニング大佐(准将、少将説もあり)に事後処理を任せ、ザンジバル級機動巡洋艦で脱出を図るが、発進寸前にシャアがブリッジに向けて放ったバズーカ砲の直撃によって首を飛ばされ即死、死体もバズーカの着弾で四散した。最期の瞬間、自分に砲口を向けるシャアを確認したときの表情は驚愕に充ちたものだった。これはこのとき、キシリアはシャアが搭乗していたMSジオングからの識別信号が途絶した報告を受けており、彼を戦死したものとみなしていたためである。乗艦していたザンジバルもその直後に連邦軍艦の集中砲撃を受けて轟沈し、公式記録ではこれによる戦死とされている。

『THE ORIGIN』(漫画)ではギレン抹殺後もア・バオア・クーでのジオン軍の優勢は揺るがなかったが、アルテイシア一派とそれに合流したギレン派を一気に排除すべく、要塞司令室に爆弾を仕掛けた上で総撤退を決定。これは連邦の宇宙戦力がほぼ損耗しているため、本国とグラナダ戦力を有するジオンが今後の戦局でも優勢を握れると判断しているためである(この際に旧ギレン派の将校が要塞堅守を主張したが容赦なく粛清している)。チベ級重巡洋艦パープルウィドウに搭乗してドロスへ移ろうとしたが、本編同様にシャアが放ったバズーカ砲で頭部を吹き飛ばされ、死亡。本作ではモニター越しで大破したジオングをキシリアが直に確認していたため、テレビ版以上にシャアの戦死を確信していたようである。結果、制御を失ったパープルウィドウはドロスの格納庫に突っ込んで爆発し、大損傷を受けたドロスはそのままア・バオア・クー要塞上部の司令塔を押しつぶしながら崩壊。要塞内部の広範囲が炎上してしまう。更にキシリアに降ったギレン派の要塞司令部首脳も同乗していたため、戦争指導者と現場指揮官を一気に失ったジオンは目前の勝利から一転して敗戦するという結末を迎える。

小説版では、ソロモンではなくグラナダが連邦軍の進攻ルートとして狙われ、キシリアの采配のまずさもあってあっさりとグラナダを奪われ、ア・バオア・クーに合流。


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