ザビ家
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

なお、発表された公報ではドロスで戦死したとされている[13]

『THE ORIGIN』(漫画)ではシャアの正体を突き止めた上で喉元に刃を突きつけ、ザビ家への復讐心を棄てさせる約束で配下に加えるとともに、ジオングを与える。だがその直後、テレビ版に準じた最期を遂げている。

家庭的には父デギンを軽蔑し、弟妹たちのことは歯牙にもかけていない。ただし弟妹たちに積極的に危害・策略を加えるような所はなく、あくまで兄としての愛情が欠如しているのみである。特に末弟のガルマに対しては父の希望を汲んで開戦後も可能な限り安全な場所(参謀本部など)に置こうと配慮しており(前線への配置は武功に逸る本人の意志と、キシリアの策略である)、『THE ORIGIN』ではガルマ自身は恋人イセリナに対し、「兄のギレン総帥も皆が思っているようなおそろしい人ではない」「いずれわかってくれるだろう」と語る程度には親愛感を抱いていた。ドズルに対してはギレンだけがソロモン攻防戦前から援軍を派遣しており、ドズルの死を聞いても冷淡なデギンに対して怒りの表情を見せる(『THE ORIGIN』(漫画)では、ギレンがドズルの死を「武張って短慮を起こしただけ」と冷徹に切り捨てている)。また『THE ORIGIN』(漫画)では、サスロ暗殺後に、全身に包帯を巻いた状態で来たドズルに対し、「もういいのか?」と心配する様子や、両の拳を打ち付けて傷口が開いて出血した際に驚くなどの、肉親への情が見られるシーンもある。小説版でもドズルがザクで飛び出した噂を聞いて苦笑してたしなめるなど、ギレンがドズルを気にかけていたような描写も見受けられる。

小説版では最終決戦時に宇宙要塞ア・バオア・クーではなく、サイド3のズム・シティで作戦指揮を執っている。ア・バオア・クーを囮にして味方をも巻き込みつつ、マハルのソーラ・レイを放って政敵キシリアを亡き者にせんとするなど冷酷ぶりが目立つ。しかし、その意図はデギンやダルシアのスパイだったクラウレ・ハモンを通じてキシリアに漏れており、仕留めそこなってしまう。最期はそのままシャアやカイらニュータイプを引き連れたキシリアにズム・シティへ乗り込まれ、彼女の「ビーム・ライフル」で射殺される。また小説版では、広大な宇宙に浮かぶコロニーを見て、人類の未来そのものに思いを馳せるという一面が描かれた。

「トミノメモ」に描かれる本来の番組構成では、彼はグラナダ陥落後、キシリアの死後も生き続け、正面から連邦軍との戦いに臨んでいる。シャアの正体を知っても抹殺せず、使える限りは戦力と認める鷹揚さを見せ、積極的にニュータイプを前線に送り出している点などがテレビ本編とは異なる。

その死後も、ギレンの思想を熱烈に信奉する集団によって動乱は続いている。宇宙世紀0083年には、エギーユ・デラーズ率いるジオン軍残党勢力デラーズ・フリートが決起し、コンペイトウ(ソロモン)宙域で挙行された観艦式の核兵器による襲撃に続いて北米へのコロニー落とし(星の屑作戦)を決行する(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。また、地球圏は選ばれた民により支配されなければならないとする考えは、後のティターンズ指導者ジャミトフ・ハイマンなどにも多大な影響を及ぼしている。

妻はいるが、ギレンが公の場に出すことを嫌っており[3][4]、小説版では妻のことを「家政婦のような存在」「能力のない女」と見下している。小説版では秘書のセシリア・アイリーンと愛人関係にあり、またかつてはクラウレ・ハモンとも愛人関係にあったとされる。

趣味嗜好については、『THE ORIGIN』(漫画)の「シャア・セイラ編」にて自ら高所ばさみを手に庭園の手入れを行っているシーンや、刀剣(特に日本刀)を手に物思いにふけるシーンがある。OVA版では庭園の手入れに代わって囲碁を嗜むが、いずれも日本的な趣味に耽溺している。

ぴあMOOK 愛と戦いのロボット 完全保存版』に掲載された読者アンケートにおける「一番極悪な悪役・敵役は?」の項目で、堂々の1位に選ばれている。出番は序盤と終盤のみの従来の悪役キャラの域を出ず、当時のシャアに比べれば突出した人気はなかった。ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでは、その名をタイトルに冠されている。

監督の富野喜幸アフレコの際に声優の田中崇(銀河万丈)へ「ヒトラーのように喋ってくれ」と注文を付けている。また、ギレンがガルマ国葬やア・バオア・クー防衛戦時の演説で、国民や将兵の士気を鼓舞するために叫んだ言葉「ジーク・ジオン(Sieg Zeon)」は、かつてヒトラー率いるナチスのスローガンだった「ジークハイル(Sieg Heil:ドイツ語で「勝利万歳」の意)」にちなんだものである。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』でも出演し、前述の演説が新規収録されている。

なお、主人公アムロとは直接の接点や対峙がまったくないまま終わるという、当時のロボットアニメにおいてきわめて珍しい敵役であった。ただし、「トミノメモ」に語られる52話想定の最終回にあっては、追い詰められてアムロの銃撃によって倒される結末が用意されてはいた[14]
ギレンの搭乗機

機動戦士ガンダム

ドロス

SDガンダム GGENERATION GATHER BEAT2

MAN-05-2 グロムリンII

キシリア・ザビ
Kycilia Zabi

声:小山まみ(現:小山茉美) / 渡辺明乃THE ORIGIN) / 広橋涼ガンダムさん

ジオン公国軍突撃機動軍司令で階級は少将。デギンの長女。年齢は24歳(『THE ORIGIN』では35歳)、身長は173cm[12]

ギレンとは政治的に、ドズルとは軍事的に対立している。座乗艦はグワジン級戦艦グワジンあるいはグワリブ(『THE ORIGIN』では紫色のチベ級戦艦パープル・ウィドウ)。初期設定にあってはギレン以上の政治的手腕を持ち、サイド6の中立化政策も彼女の画策したものとされる[15]。常に顔の下半分を覆うマスクを着けているが、その理由は戦場での肌荒れを防ぐためだとも[3][4]、戦場の臭いを嫌悪しているからだとも[16]言われている。

兄であるギレン同様、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}他者を政治的な力関係で見てしまいがちな人物である[要出典]が、ガルマの葬儀になかなか出ようとしない父デギンに労わりの言葉をかけており、ギレンが父を暗殺したことを知った際には怒りをあらわにしていることから、家族愛の意識は持っていたことが窺われる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:180 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef