サンリオ
[Wikipedia|▼Menu]
跡取り息子を失った信太郎は、2016年6月の株主総会で孫の辻朋邦を取締役へ就任させ、翌2017年には専務取締役へ昇格させ後継者に据えるとともに、朋邦の母である辻友子を取締役として若い息子の重責を補佐させていた[7]。そして3年後の2020年7月1日付で、辻信太郎は代表権のある会長に退き、31歳となった辻朋邦を社長へ就任させ「代替わり」を行った[7][13]
社名の由来

社名「サンリオ」の由来については諸説ある。

まず、公式サイトにもあるサンリオの公式な説明として、スペイン語で「聖なる河」を意味する San rio に由来するとしている[10][14]。文明の発祥が大河のほとりにあったように、文化を興す河となることを願ってつけたというものである。2000年に出版された『これがサンリオの秘密です』(扶桑社)で、創業者の辻自身が述べている。また、現行のロゴマーク(1997年制定)も河の水をイメージしてデザインされたものである[15]

しかし、かつては異なった説明がなされていた。『これがサンリオの秘密です』の21年前に出版された1979年上前淳一郎『サンリオの奇跡 ?世界制覇を夢見る男達』(PHP研究所)ではそういった説明は一切ない。同書は辻やサンリオ関係者に取材したものであるが、サンリオの「サンリ」は「山梨」の音読みであり、残るオは「オウ、オウ、オウ」という叫び声が聞く者を陶然とさせるからと説明した。また、『週刊現代』の1978年6月8日号に掲載されたサンリオに関するレポート記事では「サンリは山梨、オはなんとなく語呂がいいから」とされた。月刊誌『宝石』の1980年7月号の対談記事では、辻自身がそれを認める発言が存在するという。

「山梨の王になる」という思いでサンリオ(山梨王)としたという説については、1989年の山根一眞『変体少女文字の研究』(講談社)の中で辻の言葉として挙げられているが、『これがサンリオの秘密です』[11]、『サンリオの奇跡 ?世界制覇を夢見る男達』、西沢正史『サンリオ物語 こうして一つの企業は生まれた』(サンリオ出版、1990年)のいずれもが否定している。また、フジテレビトリビアの泉』にて、視聴者から『山梨の王→サンリオ』の説が投稿されたが、フジテレビはサンリオの現在の説明(前述の「聖なる河」説)を正しいものとして、この番組の1コーナーである『ガセビアの沼』にて「ガセ」として否定した[15]

サンリオの月刊紙『いちご新聞』においては、辻信太郎は「山梨王」ならぬ「いちごの王様」を自称している。

なお、『いちご新聞』2015年8月号によれば、サンリオの創業目的は「友情と助け合いによる世界平和の実現」、サンリオの事業目的は「お互いのコミュニケーションのきっかけとなる小さな贈り物」を作ることとされている。
地域連携

サンリオピューロランドが立地する東京都多摩市では、2002年度から「ハローキティにあえる街」として、サンリオと多摩市が連携してハローキティをはじめとしたサンリオキャラクターを活用した地域活性化に取り組んでいる[16][17]。コミュニティバス「多摩市ミニバス」にもサンリオラッピングの車両がある。またサンリオピューロランドの最寄り駅である多摩センター駅を走る京王電鉄および小田急電鉄もサンリオとタイアップし、多摩センター駅のサンリオキャラクター装飾を行っている。京王電鉄と京王電鉄バスではラッピング電車・バスも運行している。

創業地は東京都千代田区であるが[5]、株式会社サンリオへ商号変更後は品川区五反田大崎)に本社を置いている。その縁から2017年2月13日付で、品川区の「しながわ観光大使」に同社のキャラクター「シナモロール」が任命された[18]

沿革

(特に出典の明記のない参考文献:サンリオ『月刊いちご新聞』2010年8月号、2015年8月号。[要ページ番号])
山梨シルクセンター

1960年昭和35年)8月10日 - 創業者の辻信太郎が、株式会社山梨シルクセンターとして会社設立[3][5][19]。本社を東京都千代田区に置く[3][5]

1962年(昭和37年) - オリジナルデザイン第1号「いちご」を開発、ギフト商品を発売[5][19][6]。このいちご柄の雑貨は子供たちの間で人気を博し、これを契機に本格的にキャラクター商品開発を開始。

1965年(昭和40年) - 水森亜土デザインのキャラクター「亜土ネコミータン」を使用した陶磁器を発売、人気商品となる。

1966年(昭和41年)8月 - 詩集『愛する歌』を刊行し、出版物の企画・販売を開始[5][19]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:175 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef