サンマリノ
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国土の周囲は全てイタリアで囲まれた[1]内陸国で、国土の面積は61.2平方キロメートル[2]日本東京都世田谷区[2]十和田湖青森県秋田県)とほぼ同じ[4])で、世界で5番目に小さなミニ国家である[5]。また、現存する世界最古共和国と考えられており[2][6]、同国もそれを誇りとしている[7]。1700年間、一度も戦争をしたことがない[8]

欧州連合(EU)には加盟していない[2]
国名・国旗・国章・国歌「サンマリノの国旗」、「サンマリノの国章」、および「サンマリノの国歌」も参照

サンマリノの正式名称はイタリア語で Serenissima Repubblica di San Marino(セレニッスィマ・レプッブリカ・ディ・サン・マリーノ)。通称 San Marino(サンマリーノ)。英語表記は Most Serene Republic of San Marino(モウスト・セリーン・リパブリック・オヴ・サン・マリーノ)。「Serenissima」とは「最も清らかな」の意であり直訳すれば「最も清らかなる聖マリヌスの共和国」となるが、外国語における公式国名の表記ではほとんどの場合これを訳さず単に「サンマリノ共和国(Repubblica di San Marino、Republic of San Marino)」とし、日本国外務省もこれに倣っている。漢字表記は聖馬力諾(聖は意訳)。

建国伝説によると、ローマ皇帝ディオクレティアヌスによるキリスト教迫害を避けたダルマチア石工マリーノが301年ティターノ山に逃れて山頂に三つのを築き、同志とつくったキリスト教徒共同体に始まる[7][2]。国名は「聖(サン)マリーノ」を意味する[9]。「聖マリヌス」も参照。

サンマリノの国旗は1862年4月6日に制定され、白色が平和、青色が自由を表現している[10]サンマリノの紋章(国章)の中央にはティターノ山の3つのに建つが描かれ、"LIBERTAS"(「自由」)の文字が書かれている[9]

紋章を取り囲んでいるオークの枝は「安定」、月桂樹の枝は「自由」、王冠は「主権」をそれぞれ象徴している。
歴史詳細は「サンマリノの歴史(英語版)」を参照

サンマリノは、共和政体を採用する現存国家としては世界でも最も長い歴史を持つ。1631年ローマ教皇独立を承認して世界最古の独立共和国となった。サンマリノも侵略や短期間の占領を受けたことはあるが、ローマ教皇の助力を得るなど外交的立ち回りや、敵将の急死といった幸運や[2]、山中にあって地政学的重要性が低く資源が乏しかったことなどの理由で、現代に至るまで独立を保ち続けた[2]イタリア戦役に勝利して北イタリアを制圧したナポレオン・ボナパルトから、約20キロメートル東のアドリア海沿岸のリミニまで領土を広げることを提案されたが、紛争に巻き込まれる危険性を避けるため断った[2]。その後、1815年には、ナポレオン戦争後のウィーン会議でサンマリノの独立が再確認されている。

19世紀半ばのイタリア統一運動(リソルジメント)でも立役者であるジュゼッペ・ガリバルディオーストリア帝国から匿ったり[2]義勇軍を派遣したりして独立国として残った[11]1862年、統一されたイタリア王国関税同盟を結ぶ一方、友好善隣条約を結んで近代国家としての主権と独立を獲得し、それ以来イタリアとは密接な関係を維持している。イタリアとの間では1897年に友好条約を締結、1953年にはこれを更新した[12][要ページ番号]。

冷戦終結後の1992年には国際連合国際通貨基金(IMF)に加盟した[12][要ページ番号]。

なお、2008年には「サンマリノの歴史地区とティターノ山」として、サンマリノ市ボルゴ・マッジョーレ市などの一部がユネスコ世界遺産文化遺産)に登録されている。
年譜サンマリノの独立を承認したローマ教皇ウルバヌス8世

301年 - イタリア半島の対岸ダルマツィア地方出身の石工マリヌス (聖マリーノ)が、ローマ帝国の皇帝ディオクレティアヌスによるキリスト教迫害を逃れるために、9月3日仲間に仲間とともにチタン山(現・サンマリノ市ティターノ山)に立てこもり建国したといわれる。

951年 - 文献上に初めてサンマリノの存在が現れる。

1257年 - ギベリン(皇帝派)とグエルフ(教皇派)の闘争に巻き込まれ、ローマ教皇インノケンティウス4世より破門される。破門は2年後に解除された。

1463年 - 近隣リミニ(現・エミリア=ロマーニャ州リミニ県)のマラテスタ家の侵略に晒された。しかし独力で撃退、追撃を加えて逆に領土を拡大した。

1631年 - 教皇ウルバヌス8世より独立を承認される。

1739年 - アルベロニ枢機卿によって一時的に占領されるが、教皇クレメンス12世の勧告により独立を維持。


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