サンマリノ市以外では、ボルゴ・マッジョーレやセラヴァッレなどの町があり[12][要ページ番号]、人口はセラヴァッレが最も多い。
政治詳細は「サンマリノの政治」を参照
サンマリノには専業の政治家はおらず、元々は家長の集まりであったアレンゴが物事を決め、13世紀には執政を2人体制として権力の集中を防ぐようになっていた[2]。
立法機関として、国民の比例代表選挙によって選出される定員60名の大評議会(Consiglio Grande e Generale)がある[1]。議員の任期は5年である[12][要ページ番号]。
行政の長である執政(Capitani Reggenti)は、大評議会議員の中から互選によって選出される[1]。特定の執政による独裁化を防ぐため、執政は常に2名と決められており、しかも執政の任期は6か月のみで再選は3年間認められない。執政の就任式は毎年4月1日と10月1日に行われる。また就任の際は、アレンゴが開かれる。なお、2名の執政は一方が国家元首、他方が政府代表とされている[11]。
サンマリノでは、1945年以来、連立政権が続いている[11]。2006年6月、キリスト教民主党が第一党となったが、7月、社会主義者・民主主義者党、人民同盟、統一左翼による中道左派政権が発足した[11]。2007年11月、従来の連立に、キリスト教民主党から分裂した中道民主主義者党を加えた4党連立政権が発足した[11]。2008年11月の総選挙で中道右派の「サンマリノのための協定」連合が勝利して12月に政権が発足した[11]。2012年11月に行われた総選挙では中道・中道左派の「サンマリノ公益」連合が勝利し、12月に新政権を発足させた[14]。2016年11月の総選挙では、いずれの政党連合も過半数を得られなかったため、翌月に決選投票が行われた。その結果、野党連合の Adesso.sm が勝利を収め、政権交代が実現した[15]。2019年には早期解散によって12月に総選挙が行われたが、過半数又は議席数の半数以上の得票数を得た政党や政党連合がおらず、野党で第一党のサンマリノ・キリスト教民主党、政党連合「動く明日」と「共和国のための我ら」が連立を組み、翌年2020年1月に政権交代となるベッカーリ内閣が発足した[1]。
人口がわずか3万人ほどのサンマリノでは、国民全員が「顔見知り」に近い状態であり、自国民では中立公平な審議や判決が困難であるという理由から、サンマリノでの裁判はほとんどが外国人の裁判官によって行われる。サンマリノの国土はイタリアに囲まれており公用語もイタリア語であるため、裁判官も基本的にはイタリアから赴任する形をとっている[2]。
地方行政区分「サンマリノの行政区画」も参照サンマリノの行政区分
サンマリノの領土は以下の9つのカステッロ(Castello、「城」の意)からなる。
アックアヴィーヴァ(Acquaviva)
キエザヌオーヴァ(Chiesanuova)
サンマリノ(Citta di San Marino)( ⇒live view)
ボルゴ・マッジョーレ(Borgo Maggiore)
ドマニャーノ(Domagnano)
ファエターノ(Faetano)
フィオレンティーノ(Fiorentino)
モンテジャルディーノ(Montegiardino)
セラヴァッレ(Serravalle)
大きな町の1つにドガーナ(英語版)があるがセラヴァッレのカステッロの管轄下にある。イタリアのコムーネと同様に役所所在地(capoluogo)の周囲にいくつかの分離集落(Frazione, pl. Frazioni)を有する。
経済詳細は「サンマリノの経済(英語版)」を参照山麓の町ボルゴ・マッジョーレ
サンマリノは1943年以来紙幣の発行を行っておらず、イタリアの通貨が自由に流通した[12][要ページ番号]。1972年以降は独自のコイン(サンマリノ・リラ)を発行してコイン・コレクターの人気を集めた[12][要ページ番号]。2014年現在、サンマリノは欧州連合の正式な一員ではないものの、欧州議会における取り決めによりユーロの流通が認められている[12][要ページ番号]。ユーロコインの片側に独自のデザインを使用する権利を持っており[11]、ユーロ流通以前のサンマリノ・リラはイタリア・リラと交換できた。なお、流通量が少ないサンマリノ・ユーロはそれ以前のサンマリノ・リラと同様、収集家たちからの人気が高い。サンマリノはまた、おもに切手収集家向けの切手を発行しており、一定の財源となっている[9]。他に重要な収入としては、イタリアからの援助と移民からの送金がある[12][要ページ番号]。
サンマリノのGDPの50%以上は観光客(281万人、2004年)によるものであり、1997年の段階では330万人以上が訪問している。1985年には小規模な空港が完成した。観光以外の基幹産業としては銀行業、電子産業、窯業があり、主な農産品はワインとチーズである。
1人あたりの支出レベルや生活水準はイタリアとほぼ同様である。国内に金融機関が11あり、国内で過去に倒産したことが一度もない。
2017年、サンマリノは海外との経済ネットワークづくりを国家をあげて力を入れている。日本との経済交流や情報交換も盛んで、サンマリノ企業の日本への進出にも力を入れている。日本企業のサンマリノ共和国進出も歓迎されており、両国の提携にも熱心である。サンマリノ共和国と日本との橋渡しは「日本サンマリノ通商協力機構」が担っている[16]。
サンマリノの法人税は17%と低率であり、それ以外の税金はない。特に付加価値税が一切ないため、諸外国から買い物目的の観光客が年間300万人前後訪れる。