サンフランシスコ
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日本茶庭園

地名について

地名はキリスト教フランシスコ会修道士が創設者の聖フランシスコにちなみ名付けた。

漢字では、桑港や旧金山と表記される。桑港は、「サンフランシスコ」を音訳した「桑方西斯哥」の頭文字「桑」(サン)に、港町である事を示す「港」を加えたものである。この漢字表記は、現地の日系社会の商店や日本語学校などの名称によく見られる。一例として、ジャパンタウン(日本人街)にある曹洞宗の寺院「日本山桑港寺(そうこうじ)」がある。一方の旧金山(舊金山)は、1849年に起こったカリフォルニア・ゴールドラッシュに由来する。当初当地の華人たちはサンフランシスコを「金山」と呼んだ。後にオーストラリアビクトリア州などの地域でもゴールドラッシュが起きると当地は旧金山と呼ばれるようになった。(「新金山」はメルボルンを指す。)当地の中国系社会では桑港と同様に広東語で「サンファンシー」の音を当てた三藩市が旧金山よりも多用される傾向があり、市当局も中文での名称を三藩市市縣政府としている[4]

アメリカの他地域では頭文字の「SF」「フリスコ(Frisco)」「サンフラン」(San-Fran)の略称で呼ばれることもある。日本では、特に(航空機での渡航の対象として)「シスコ」の略称で呼ばれることも多い。地元とベイエリア周辺では単純に愛情を込めて「the city」と呼ぶ。
地理
地勢サンフランシスコ半島の衛星写真。

サンフランシスコは、アメリカ西海岸サンフランシスコ半島の先端に位置し、半島の周囲をめぐる太平洋サンフランシスコ湾の広い海域も市の領域に含まれる。 アルカトラズ島トレジャー島、イェルバ・ブエナ島(英語版)、アラメダ島の一部、レッドロック島、エンジェル島といった島々も市に属する。また、太平洋の43km沖合にある無人島のファラロン諸島も、同様に市に属する。本土部分はおおまかに7マイル(11.3キロメートル)四方の正方形をなしているとよく表現される。ただし、水域を含む総面積は232mi2 (600km2) である。ロシアン・ヒルから、ロンバード・ストリートの曲がりくねった坂道を下ってくる車。

サンフランシスコは、丘が多いことで有名である。市内には50以上の丘がある[5]ノブ・ヒル、パシフィック・ハイツ(英語版)、ロシアン・ヒルなど、丘の名前からとられた町名もある。市の地理的中央部(ダウンタウンから見て南東方面)には、高い丘が連なっており、この辺りは人口密度が低い。ツインピークスは、市の中でも高い場所に二つ並ぶ丘であり、展望場所として人気がある。標高が最も高い丘はマウント・デビッドソン(英語版)で、282メートル(925フィート)であるが、1934年、頂上に高さ31メートル(103フィート)の十字架が建てられた[6]。この付近には、赤と白に塗られたラジオ・テレビ電波塔のスートロ・タワーがそびえ立っている。

サンアンドレアス断層とヘイワード断層(英語版)という二つの断層が、市域の近くを走っており、これが、多くの地震を引き起こすこととなっている。1906年と1989年の大地震を引き起こしたのは、いずれもサンアンドレアス断層のずれが原因であった。小規模の地震は、日常的に起こっている。大地震の脅威にどう対処するかが、市のインフラ整備の上でも重要な要素となっている。市はこれまで度々建物の耐震基準を引き上げており、古い建物については補強工事を、新規の建設については高い耐震技術水準を求めている[7]。しかし、今でも耐震性の弱い中小の建物が何千棟も残っている[8]

サンフランシスコの陸地は、埋立てによって広がっている。マリナ地区、ハンターズ・ポイント地区のそれぞれ全部、またエンバーカデロ(英語版)地区の大部分は、埋立地にある。トレジャー島は、湾内から浚渫した土砂や、ベイ・ブリッジ建設中にイェルバ・ブエナ島のトンネルを掘削した際の土砂で作られた人工島である。これらの土地は地震に対してもろく、液状化現象によって建物等に甚大な被害が及ぶことは、1989年のロマ・プリータ地震の時、マリナ地区で見られたとおりである[9]
気候サンフランシスコの霧は夏の風物詩である。

サンフランシスコの気候は、地中海性気候であり、ケッペンの気候区分ではCsbに当たる。冬は温暖で降水量が多く、夏は気温が低く、乾燥している[10]。三方を海水面に囲まれているため、太平洋の冷たいカリフォルニア海流の影響により、季節による温度変化が少ない穏やかな気候である。気温が24°Cを超えるのは、年平均わずか29日である[11]。アメリカの主要都市の中では夏の気温が最も低い[12]。5月から10月までは乾燥しており、平均最高気温は月によって18°C から21°C 、平均最低気温は月によって11°C から13°Cである。一方,11月から4月までは雨が多く、平均最高気温は月によって14°Cから18°C、平均最低気温は月によって8°Cから11°Cである。雨の日は年平均67日、年平均降水量は538mm。雪が降ることは極めて稀で、記録の残る1852年以来、わずか10回しかない[13]

アメリカ国立気象局による記録史上の最高気温は、1988年7月17日及び2000年6月14日の39°C、最低気温は1932年12月11日の零下3°Cである[14]

カリフォルニア内陸の渓谷地帯で、暖められた空気が上昇して気圧が低くなるため、北太平洋高気圧からの風がゴールデン・ゲート海峡を通って内陸に向かい流れ込む。これによって、サンフランシスコ特有の夏期の霧が発生する[15]。ただし、市の中央部に連なる高い丘が海風をさえぎるため、市東部では霧は少なく、晴れの日が多く、降水量も西部より少ない。

サンフランシスコの気候の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
平均最高気温 °C (°F)13.6
(56.5)15.4
(59.7)16.4
(61.5)17.1
(62.8)17.7
(63.9)18.9
(66)18.8
(65.8)19.3
(66.7)21.0
(69.8)20.6
(69.1)17.6
(63.7)14.1
(57.4)17.5
(63.5)
日平均気温 °C (°F)10.6
(51.1)12.2
(54)12.9
(55.2)13.4
(56.1)14.2
(57.6)15.3
(59.5)15.4
(59.7)15.9
(60.6)17.1
(62.8)16.6
(61.9)14.1
(57.4)11.1
(52)14.1
(57.4)
平均最低気温 °C (°F)7.6
(45.7)8.8
(47.8)9.4
(48.9)9.8
(49.6)10.6
(51.1)11.6
(52.9)12.1
(53.8)12.5
(54.5)13.1
(55.6)12.4
(54.3)10.6
(51.1)8.2
(46.8)10.6
(51.1)
降水量 mm (inch)112
(4.41)97
(3.82)72
(2.83)36
(1.42)14
(0.55)4
(0.16)0
(0)1
(0.04)6
(0.24)27
(1.06)65
(2.56)104
(4.09)538
(21.18)
平均降雨日数111110631011481167
出典:https://www.weatherbase.com/weather/weatherall.php3?s=149427&units=metric

人口
人口動態

人口推移
年人口±%
18481,000?    
184925,000+2400.0%
185234,776+39.1%
1860
56,802+63.3%
1870149,473+163.1%
1880233,959+56.5%
1890298,997+27.8%
1900342,782+14.6%
1910416,912+21.6%
1920506,676+21.5%
1930634,394+25.2%
1940634,536+0.0%
1950775,357+22.2%
1960740,316?4.5%
1970715,674?3.3%
1980678,974?5.1%
1990723,959+6.6%
2000776,733+7.3%
2010805,235+3.7%
2012825,863+2.6%
Sources:[16][17][18]Population Graph」も参照

2000年時点の国勢調査[19]で、この都市は人口776,733人、329,700世帯及び145,068家族が暮らしている。人口密度は合衆国内で2番目の密集都市(および5番目の密集郡)である、6,423.2/km2(16,634.4/mi2)[20]。2,865.6/km2(7,421.2/mi2)の平均的な密度に346,527軒の住宅が建っている。この都市の人種的な構成は白人49.66%、黒人7.79%、インディアン0.45%、アジア30.84%、太平洋諸島系0.49%、その他の人種6.48%、混血4.28%である。


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