掲載に至った経緯は、当時8歳のヴァージニア・オハンロンがニューヨーク・サン編集部に「サンタクロースはいるのですか」という内容の手紙を送ったことから始まる。手紙の概要は、彼女が「サンタクロースはいるのかどうか」について友達と意見を交わした際、サンタクロースはいないという者がいるので結論が知りたく、父親のすすめで新聞社、ニューヨーク・サンに手紙を出したというものである。これに対してニューヨーク・サンの論説委員であったフランシス・チャーチは社説(editorial)欄に返事を書くように頼まれ、1日で手紙についての社説を書き上げた[5]。
「Is there a Santa Claus?」という題名で、投書してくれたことに対するお礼とヴァージニア・オハンロンからの手紙の内容を載せた後に、「Virginia, your little friends are wrong.(ヴァージニア、あなたの友達は間違っています)」の書き出しで始まり、特に有名な「Yes, Virginia, there is a Santa Claus.(そうです、ヴァージニア、サンタクロースはいるのです)」の一節を含む、目に見えるものしか信じない悲しさと、目に見えないものの確かさ、不変さ、そしてそれを信じることの素晴らしさを説いたものであった。
この文章が掲載されたのは1897年9月21日付のeditorial、つまり社説子による多数のコメントの一つとしてであった。扱いとしてはページの中で左から3列目、上から7番目の項目である[6] [7]。
その後、読者からニューヨーク・サンに数年経っても再掲の要請が繰り返されたため、ニューヨーク・サンはついに再掲に応じた。1920年代になるとニューヨーク・サンは毎年クリスマスに再掲するようになった。その後、この話は掲載されてから100年以上を経た今でも、クリスマスが近づくと世界中で語り継がれるものとなっている。 ニューヨーク・サンには、この手紙の現物が保管されている。 編集者さま 私は8歳です。 この社説を元にした映像作品には以下のようなものがある。
ヴァージニア・オハンロンが出した手紙
私の何人かの友だちはサンタクロースはいないと言います。
パパは「サン新聞が言うことならそのとおりだ」と言います。
どうか私に本当のことを教えてください; サンタクロースはいるのでしょうか?
ヴァージニア・オハンロン
115 西95番街
映像作品
Yes, Virginia, There Is a Santa Claus(1974年のテレビアニメ)[8]
Yes Virginia, There Is a Santa Claus(1991年のテレビドラマ)[9]
Yes, Virginia(2009年のテレビアニメ)[10]
関連書誌
『サンタクロースっているんでしょうか?』中村妙子訳、東逸子絵、偕成社、1977年12月。
『サンタクロースっているんでしょうか?
『サンタクロースっているの? ほんとうのことをおしえてください』いもとようこ訳・絵、金の星社、2020年10月。ISBN 978-4323024714。https://www.kinnohoshi.co.jp/search/info.php?isbn=9784323024714。
脚注^ サンタクロースっているんでしょうか? 。書誌詳細 。国立国会図書館オンライン(2021年8月13日閲覧)
^ サンタクロースは確かにいる 米紙社説が言い切った根拠:朝日新聞デジタル(2020年12月23日)2021年8月14日閲覧
^ 『三本の苗木 - キリスト者の家に生まれて』佐波正一・佐波薫・中村妙子著、みすず書房、2001年