しばしばGd増強効果が認められる[37][38][39]。 脊髄サルコイドーシスのMRI所見はJungerらによって4期に分類される[40]。第1期は脊髄腫大はないがGd造影で脊髄表面の軟膜が線状に造影される。これはくも膜下腔の炎症の表現である。第2期は髄膜から血管周囲腔を通って脊髄実質内に炎症が広がる。この時期には脊髄が腫大し、Gd造影では造影されない場合からびまん性に造影される場合まで様々である。第3期では脊髄が腫大する場合と正常に復する場合があり、Gd造影では髄内に単発あるいは多発する結節性の造影が認められる。第4期は慢性期で脊髄組織の壊死のため脊髄は萎縮してGdでは造影もされなくなる。すべての脊髄サルコイドーシスが上記のような経過をとるとは限らず、初期から腫瘤を形成する場合もある。なお軟膜のGd増強効果は背側面から髄内に浸潤性に進展することが多いが、特に三日月状に広がった軟膜のGd増強効果と中心管のGd増強効果が合わさってみられるtrident signは脊髄サルコイドーシスの89%で認められる[41]。脊髄サルコイドーシスは頸部脊柱管狭窄の強い部位に後発する。 腫瘤型の筋サルコイドーシスではT1WI、T2WIの横断像で腫瘤の周辺部分の肉芽腫病変が高信号、線維化している中心部が低信号を示す。Gd造影では周辺部が著明に増強され、星型の中心部は造影されずdark starと言われる[42]。冠状断では、中心部の低信号層が両側の高信号層に挟まれた三層構造がみられる。三層構造をthree stripesといい、腫瘤型の筋サルコイドーシスの疾患特異度が高い所見である[43]。あたかもthree stripesにみえる所見はしばしばサルコイドーシス以外の筋炎でも認められることがある。特に低信号病変認められない時は注意が必要である。治療後はGd増強効果の消失と腫瘤性病変の縮小・消失が認められる。ミオパチー型は、筋萎縮所見とともにT1WIでは低信号、T2WIで高信号の多発結節状の非特異的病変を認め、しばしば淡いGd増強効果を示す[44][43]。 放射性同位体である67Ga 18F-FDG/PETでは病変に一致して集積増加を認めることが多いため、サルコイド病変部位の同定に有効な可能性がある。サルコイドーシスで観察されるFDG集積像は病変部における活性化マクロファージなどの炎症細胞浸潤を反映したものと考えられる[48]。炎症細胞への18F-FDG集積機序はがん細胞とほぼ共通であり細胞膜のグルコーストランスポーターのうち、GLUT1やGLUT3の増加、ヘキソキナーゼの活性化によるとされている。筋サルコイドーシスでは全身の筋肉に結節が多発する傾向があり18F-FDG/PETでの所見はleopard-man[49]、tiger-man[50]と呼ばれることがある。サルコイドーシスの脊髄病変にも集積効果があり有用という報告もある[51]。しかし頚椎症でも陽性を示すことがあり疾患特異性は低いと考えられる[52]。 気管支鏡観察所見では粘膜発赤、網目状血管増生、黄白色小結節などが知られている。網目状血管増生はミクロアンギオパチーの所見という解釈もある。 TBLBにEBBを追加すると診断率が向上するという研究がある[53][54]。 TBLBで4ないし5個の肺生検を行えば、診断率は40?90%である。 殆ど侵襲なしに終末細気管支、肺胞領域からの細胞、吸入粉塵、病原物質、液体成分を採取できる。サルコイドーシスのような、びまん性肺疾患の場合、BALは中葉から行われる。サルコイドーシスにおいては多くの場合、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の総細胞数、リンパ球比率、CD4/CD8比が増加する。総細胞数やリンパ球比率の上昇は、種々のびまん性肺疾患で観察されるものの、CD4/CD8比の上昇が加わった場合はサルコイドーシスを疑う大きな根拠とされる。BALF中のCD4/CD8比が3.5以上に上昇すれば、サルコイドーシス診断の感度は52%、特異度は94%であり、CD4/CD8比が5.0では特異度97%となり生検しなくともサルコイドーシスと診断できるという報告がある[55]。
脊髄MRI
筋MRI
シンチグラフィー
ガリウムシンチグラフィー
PET
気管支鏡
気管支鏡観察
気管支粘膜生検(EBB)
経気管支的肺生検 (TBLB)
気管支肺胞洗浄(BAL)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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