サメ
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しかし、サメの保護は進んでおらず、減少の一途をたどっている[注 2]

オーストラリアではサメによる人間の被害が深刻で、2013 - 2017年に海水浴客やサーファーら114人が襲われ、12人が死亡した。一方で、人間を襲う可能性があるホホジロザメなどが保護対象となっている。このため、海岸近くをドローンで空から監視してサメを見つけたら避難を呼び掛ける、サメが忌避する電界発生器を身につけてもらう、罠で釣った大型のサメを遠洋に運んで放す等の対策をとっている[44]。またオーストリアの企業がサメの色覚特性を利用した襲われにくいウェットスーツを販売している[10]
サメの保護の沿革

1997年以降、19種のサメ(ホホジロザメ、ジンベエザメ、カリビアン・リーフ・シャーク(Carcharhinus perezi、メジロザメ科)、ウバザメ、シロワニ、ビッグアイ・サンドタイガー(Odontaspis noronhai、シロワニの仲間)、バケアオザメ、ドタブカ、ナガハナメジロザメ、ハビレ、ガラパゴスザメ、クロヘリメジロザメ、ハチワレ、カグラザメ、ビッグアイ・シックスジル(Hexanchus nakamurai、カグラザメの仲間)、エビスザメ、カリビアン・シャープノーズ(Rhizoprionodon porosus、ヒラガシラの仲間、メジロザメ科)、スモールテール(Carcharhinus porosus、メジロザメ科)、アトランティック・エンジェル・シャーク(Squatina dumeril、カスザメの仲間))をアメリカに水揚げすることが全面的に禁止される。

2002年9月24日 - 80近い加盟国がある「渡りと行う動物たちのためのボン会議」(CMS) で、ホホジロザメが保護種になる。

2002年11月 - オーストラリアのニューサウスウェールズ州がシロワニのために、海岸沿いに新たに10個の保護区を設ける。この海域では、いかなる漁やダイビングも禁止されている。

2002年11月 - ジンベエザメとウバザメが、ワシントン条約会議 (CITES) で『付属書2』に登録され、保護種になる。

2003年7月4日 - EUが、フカヒレを目的にしたサメ漁を禁止すると発表。

2003年7月17日 - 中央アメリカにあるベリーズ付近の海域(ベリーズ南東沖のリトル・ウオーター・キーとその周辺海域の1360ヘクタール)が、ジンベエザメの保護区に指定される。この海域は毎年、ジンベエザメが群れをつくって集まってくることで有名。

2003年9月18日 - ポリネシアの環境大臣が、フカヒレ漁が禁止の方向に向かっていると発表。

2003年9月24日 - パラオ政府が、本島を中心とする半径93キロメートルの海域での外国船によるフカヒレ漁を禁止。

2003年12月16日 - アメリカ領サモア諸島の知事が、フカヒレ漁、およびフカヒレの陸揚げの禁止を決定すると発表。

2004年10月12日 - ホホジロザメのワシントン条約の『付属書2』への登録が決定。ワシントン条約でも保護種になる。

2004年 - アメリカ大西洋岸のスポーツフィッシングが規制されて、一隻の船で捕獲できるサメは、1航海で1尾までになる。しかもサメは体長135センチメートル以上でないと捕獲できない(ウチワシュモクザメだけは例外)。この「1隻につき1尾のサメ」の対象となるのは、コモリザメ、ニシレモンザメ、オオメジロザメ、イタチザメ、シュモクザメ類、メジロザメ、カマストガリザメ(メジロザメ科)、そしてハナザメ(メジロザメ科)など。

2009年9月28日 - パラオ共和国のジョンソン・トリビオン大統領が商業的漁業を禁止したサメの保護区設立を表明。

神話におけるサメ

この魚は、現代ではサメと呼ばれることが一般的だが、和邇(ワニ)や、鱶(フカ)という呼称も古くから使われており、日本の古典では『古事記』や『風土記』にも「ワニ」として登場する。現在でも、出雲弁ではサメのことをワニと言う。 シロワニミズワニなど一部のサメは、漁業者の間で伝えられてきた呼称を採用し、「ワニ」の名を戴いたまま現在に至っている。また、フカという呼称は鱶鰭(フカヒレ)などの言葉に今も残っている。


『古事記』では、大国主因幡の白兎の伝説に登場する。また、のちに山幸彦こと火遠理命が娶った海神の娘、豊玉毘売(トヨタマビメ)も、出産の際に八尋和邇(ヤヒロワニ)の姿と化していた。

このほか、志摩市磯部町には、鮫は『龍宮の使い』であり、川を遡り、7尾の鮫が伊雑宮に参拝するという伝承がある。「伊雑宮#伊雑宮に関する伝説」および「海豚参詣#三重県」も参照

また、『出雲国風土記』に仁多郡で「和爾」が玉日女命を慕って川を遡上したことにちなんで恋山と名付けられた説話が収録されている。

このように、日本神話においてサメは縁深い存在であった。実際に弥生時代銅剣のうちにはサメの線刻画を持つものがあり、考古学的にもサメに関する信仰の存在が認められている[45]

琉球の神話や伝承では、サメは海神の使いであるとされ、神聖な生き物とされていた。人間に襲いかかり食らうという獰猛なイメージよりも、溺れた人間を救ったり、神の意思に背き悪事を働いた者を食い殺すという伝承が多く、海の平穏を守る番人のようなイメージが大きい。病気の母親に滋養をつけさせるために、悪天候の中無理をして漁に出た親孝行な若者の舟が波に飲まれ沈没し溺れたときに、海神の使いである黄金色のサメが現れ、背鰭に若者を捕まらせて無事に村まで送り届けたという昔話も残っている。
古代サメ

古生代デボン紀頃より化石が出るが、大部分はの化石である。骨格が軟骨性なので、全身の化石が出ることは極めてまれである。そのため、復元は想像に頼るところが大きい。オトダス・メガロドン(ムカシオオホオジロザメ)などの巨大な歯は天狗の爪と呼ばれる。古代サメの化石を用いたアクセサリー

化石種のみ

クセナカンサス

クラドドゥス

アクロドゥス

ヘクサクス

クレトクシリナ

ヒボドゥス

スクアリコラックス

オトダス・メガロドン

オトダス

イスルス

イスルス(カルカロドン)・ハスタリス

オクトダス

ヘミプリスチス

ノチダノドン

カルカロドン

カルカリヌス

スカパノリンクス

プロタクロダス

アステラカンタス

オルサカンサス

プチコダス

バンドリンガ

以下は全頭亜綱(現生するのはギンザメ目のみ)に含まれる。

クラドセラケ

ヘリコプリオン

ペタロドゥス

ステタカントゥス

アクモニスティオン

ファルカトゥス

エデスタス

関連作品

Shark Week
(英語版) ‐ 1988年7月17日からディスカバリーチャンネルで毎年行われている一週間サメの特集を行うイベント[46]

映画詳細は「サメ映画」および「Category:サメを題材とした映画作品」を参照

サメの生態に即した作品以外に、『ジョーズ』(1975年公開)の世界的ヒット以降は、サメと人間の戦いをテーマとしたパニック映画、サメを巨大化・怪物化させた怪獣映画ホラー映画などが多数制作されており、サメ映画というカテゴリとして成立している。

ソウル・サーファー』は、サメに襲われて片腕を失ったベサニー・ハミルトンの実話をもとにした映画。

鮫を含む語句
サメ肌
荒れてザラザラしたヒトの
皮膚を指す。鮫の皮は滑り止めとして日本刀の柄に巻いたりワサビおろしに用いることから、古来の日本の生活では身近に目に触れた。また競泳用の水着の素材や模様を形容している。
鮫トレード
シャークトレードとも。トレーディングカードなどにおいて、片方が一方的に損をするトレードを指す。英語圏ではあたりかまわず物事を遂行する行為や、そのとき得ることができるすべての利益を総取りする行為を「シャーキング(Sharking)」と呼ぶ。派生語も存在し、悪徳な高利貸し闇金融を指すローン・シャーキング(loan-sharking)が有名。また、街角で見知らぬ人物に対して突然殴りかかる、着ている服を脱がせるなどの行為を撮影したビデオはシャーキング・ビデオ(Sharking-video)と呼ばれ、それの愛好者による専門サイトも存在する。もちろん、これらの行動は暴行罪などの罪に問われる可能性が高いのだが、近年模倣行為が頻発していることから、イギリスなどで社会問題化している。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 失速とは異なる。詳細は失速参照。
^ FAOによると、およそ1億尾のサメが毎年死んでいる。

出典^ 仲谷一宏 (2016). サメ-海の王者たち-改訂版. ブックマン社. pp. 213 


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