サムライ債の発行者側から見た利点としては、日本市場の規模の大きさからして巨額の資金を比較的低利で調達できる点[7]、資金調達手段を多様化できる点があるが[3]、欠点として日本市場特有の流動性の低さなどがある[4]。日本国内の投資家側から見た利点としては、円建てであることから為替リスクが無い点[7]、日本国債や日本企業の社債に比べて金利が高い点があるが[6]、欠点として発行主体が海外にあるため信用リスクを評価しづらい点がある[3]。
最初のサムライ債は、1970年12月にアジア開発銀行が発行した60億円の債券であり、その背景には国際収支の黒字拡大と外貨準備の急増があった[3][4]。当初は国際機関や政府機関などの公的機関によるストレートボンドのみだったが[4]、1979年からは民間企業による起債が始まり[3]、1996年には発行体の格付規制が撤廃されて途上国からの起債が活発化するなど[3]、発行体や商品性の多様化が進んでいる[4][3]。2001年にはアルゼンチン政府が起債したサムライ債が事実上デフォルトとなり、リスクの高さが改めて浮き彫りになった[6]。
脚注^ a b c “サムライ債(サムライ・ボンド)