サマーウォーズ
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また、テレビ放送時には、作中での登場人物の行動・台詞になぞらえて「あなたのアバターを貸してください」というツイートがTwitter上に書き込まれて拡散(リツイート)され、最終的には3000人前後が参加する企画となった[9]
あらすじ

世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZ(オズ)。ユーザーはパソコン携帯電話テレビなど[注 2]から自分のアバターを操って、ショッピングやゲームだけでなく、納税や行政手続きなどの様々なサービスを利用できる。OZの管理権限個人情報などは、世界一安全と言われるセキュリティによって守られていた。

ある日、佐久間と共にOZの保守点検のバイトをしていた、東京に住む高校2年生の健二は、憧れの先輩である夏希から、”一緒に夏希の実家に行く”という「バイト」に誘われる。長野県上田市にある実家には夏希の曽祖母である栄おばあちゃんの90歳の誕生日を祝うために、26人の親族が一堂に集まり、健二はひょんなことから栄のために「夏希の婚約者のふり」をすることになった。

2010年[注 3]7月30日の午前0時25分、健二の携帯電話に数字の羅列が書かれた謎のメールが送られてくる。数学が得意な健二は、それを何かの問題だと思って回答してしまう。しかし、それはOZの管理権限を奪取できる暗号であった。翌日、OZは謎の人工知能・ラブマシーンに乗っ取られてしまう。その影響はOZと密接に連携していた現実世界の各種インフラにまで及び、社会全体に大きな混乱を引き起こしてしまう。人々が対応に苦しむ中、栄は人脈を駆使して被害の軽減を図り、事態は収束に向かう。しかし、栄は翌朝、心臓発作(狭心症)で死去してしまう。

陣内家の女性陣が葬儀の準備を進める中、健二と陣内家の男性陣有志は敵討ちや被害拡大の防止のためにラブマシーンを倒す準備を進めていた。作戦の結果、一時はラブマシーンを封じ込めることに成功するが、作戦に使用していたスーパーコンピューターの冷却のために使っていた氷を翔太が栄の遺体の保存のために持ち出したために熱暴走を起こすというアクシデントで逃げ出されてしまい、あげくにはキングカズマのアカウントまでもが奪われてしまう。ラブマシーンは、奪った4億を超えるアカウントの一つの権限を利用して、地球への帰還途中だった日本の小惑星探査機「あらわし」の再突入体を世界に500か所以上ある核施設のどこかに落とそうとする。落ち込む一同だったが、健二の言葉と栄の遺言により気力を取戻し、夏希は栄に仕込まれた花札こいこい)勝負でラブマシーンへ最後の戦いを挑む。

一度はラブマシーンに一瞬の隙を突かれ敗北し、掛け金が二桁にまで減らされるという窮地に陥るものの、全世界の人々の厚意によって得たアカウントを使ってラブマシーンに奪われたアカウントのほぼ全てを解放することに成功。しかし、ラブマシーンは唯一手元に残った「あらわし」の制御権限を持つアカウントを利用し、再突入体を陣内邸に落下させることを画策。だが健二の機転と計算能力、侘助のラブマシーンへのクラッキングによるリプログラミングと佳主馬が奪い返したキングカズマのラブマシーンへの一撃によってラブマシーンは消滅し、GPS制御の「あらわし」の再突入体の落下地点を陣内邸からずらすことに成功。陣内家の家屋は半壊するも、陣内家の面々は生き残ることができ、怪我の功名で源泉まで手に入れた。

明けて栄の葬儀の日と共に栄の誕生日。OZの混乱を終息させた立役者であり、陣内家を救った功労者である健二と、彼への好意を認めた夏希の仲を、一族みんなが見守るのだった。
登場人物
主要人物
小磯 健二(こいそ けんじ)
: 神木隆之介本作の主人公で17歳[10]東京都内にある久遠寺高校に通う高校2年生。物理部に所属している。引っ込み思案で内気な性格。数学が得意で、その力は国際数学オリンピックの日本代表を狙えたと評されたほど(惜しくも逃している)。父は海外に単身赴任、母は仕事で忙しく、自宅ではほぼ一人の生活をしている。夏希からアルバイトの誘いを軽い気持ちで受け、彼女の本家である陣内家を訪ねたところ、いきなり婚約者として紹介され、偽の恋人役を演じさせられる羽目になる。訪問した当日の夜、ラブマシーンから送られてきた暗号に返答(最後の一文字をタイプミスしたため誤答であったが)したことでアカウントを乗っ取られ、OZの混乱の犯人という濡れ衣を着せられたことから、事件解決に乗り出す。ハッキングAI「ラブマシーン」との戦いで劣勢に追い込まれるものの、「まだ負けたわけじゃない!」と自身を奮い立たせ、その姿が陣内家の結束を促していく。夏希の嘘が判明してしまったが、それでも栄から夏希を「よろしく頼む」と懇願された。OZ内で使用しているアバターは、最初はミッキーマウスに似た丸耳が付いた少年だったが、ラブマシーンにアカウントを奪われて以降はデフォルメされたリス(佐久間が陣内家の健二に電話した際、使用した番号を仮アバターとして登録したもの)。
篠原 夏希(しのはら なつき)
声: 桜庭ななみ本作のヒロイン。1992年7月19日生まれ[注 4]。18歳[11]。久遠寺高校の3年生で、健二が想いを寄せている相手。剣道部に所属しており、明るくノリが良い性格で、校内のアイドル的存在。一緒に実家に行くという「バイト」に健二を誘い、彼氏のふりをしてもらった。曾祖母である栄を心から尊敬しており、栄を自分の目指すべき理想の大人の姿としている。同様に、一族のことも非常に愛しており、未成年の中では最年長であることから、自ら積極的に他の子供の面倒をみたり年長者の手伝いを行うといった描写も見受けられる。幼いころから侘助に恋心を抱いていたが、小説版や漫画版では曾祖母の栄から「本当に人を好きになるということがまだ解っていない」と評されている。侘助への思慕も、実際にはかつて栄に「侘助を家族の中で孤立させないように」と侘助の事後を託されていたのを、侘助についているうちに、いつしか栄からの言いつけを忘れ、義務感を恋心と混同するようになってしまったことによる。OZのユーザーであるにも拘らず、「アカウント」の概念を理解していないほどのコンピューター音痴ながら、天性の勝負強さをもっており、3度目の一族とラブマシーンとの対決のキーパーソンになった。使用アバターは、仔鹿の耳を生やした袴姿の和装少女「ナツキ」。ラブマシーンとの戦いの途中でOZの守り主より吉祥のレアアイテムを授かり、着物が変化した。上述の通り、学校では健二を含むあらゆる男子から憧れを一身に受けるマドンナだが、恋愛遍歴はほぼ皆無に等しい。曾祖母の武勇伝を聞くうちに曽祖父に対する愚痴すらも聞かされて育ち、軽い男性不信を吹き込まれているため、告白されればその場で即座に付き合いを断ってしまう。そのために恋愛に関しては奥手かつ鈍感で、傍目から見ても明らかな健二の好意も、本人は全く気付けていない。本来は親族以外の男性の手すらも握ることができず、体に触れられたら、その場で投げ飛ばしてしまうほどの恋愛潔癖症。他の同世代の女性親族からは「恋愛に対する考え方が明治時代並み」とすら揶揄されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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