サプライ級高速戦闘支援艦(サプライきゅうこうそくせんとうしえんかん 英語: Supply-class fast combat support ship)は、アメリカ海軍の補給艦の艦級[2][3]。 サクラメント級をもとに、より優れた自衛能力を備えるとともに、戦闘艦の趨勢にあわせて主機関をガスタービン化するなどの改良を加えた、第2世代の高速戦闘支援艦として設計された[3]。1981年頃より構想されていたが[4]、1987年に議会で予算が承認され[2]、1994年より就役を開始した[3]。 艦橋は、艦の前部にあり、艦尾にヘリコプター甲板を有する。主機関はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦などと同様のゼネラル・エレクトリック LM25004基によるCOGAG構成となっている[5]。 洋上移送に関しては、艦体中央・左舷側には液体用と物品(ドライ・カーゴ)用の補給ステーションが各3ヶ所設定されている。一方、右舷側の補給ステーションは、液体用2ヶ所、ドライ・カーゴ用3ヶ所である。これらの補給ステーションは同時に使われるわけではなく、受給艦の全長や補給物件の種類などによって使い分けられる。また補給装置は新型化されて、迅速化を図っている[5]。ヘリコプターを用いたヴァートレップも併用される[4]。 また、補給ステーションのほか、港での物資の揚搭などのため、力量10トンのデリックを4基備えている[1]。 全艦がサンディエゴのナショナル・スチール・アンド・シップ・ビルディング社で建造された[2]。当初の計画では11隻が建造される予定だったが、冷戦終結後の予算削減の煽りを受け4隻が調達されるに留まった[3]。 2001年より、順次、所属が軍事海上輸送司令部(MSC)に移管されており、武装も撤去されている[3]。しかしガスタービン推進の本級は燃料消費量も多く、一艦当たりのMSC要員も170名とMSCの艦艇で最多であることから、割高な運用コストが連邦政府から指摘されていた。そのため2014年の会計年度の最終日である9月30日に最新艦のブリッジが国防予備船隊の作戦予備状態に置かれ[6]、2番艦レーニアも2016年に作戦予備状態に置かれた。 #艦名発注起工進水就役退役
概要
物資搭載量
標準的な搭載内容は下記の通りである[1]。
燃料156,000バレル(24,802 kL)
艦艇用燃料タンク30%
航空燃料タンク40%
両用タンク30%
55ガロン入ドラム缶500缶
弾薬1,800トン
冷蔵食糧400トン
その他物資250トン
同型艦
T-AOE-6サプライ
USNS Supply1987年
1月22日1989年
2月24日1990年
10月6日1994年
2月26日
T-AOE-7レーニア
USNS Rainier1988年
11月3日1990年
5月31日1991年
9月28日1995年
1月21日2016年
10月1日
T-AOE-8アークティック
USNS Arctic1989年
12月6日1991年
12月2日1993年
10月30日1995年
9月11日
T-AOE-10ブリッジ
USNS Bridge1998年
8月5日2014年
9月30日[6]
参考文献^ a b c d e f g h i j k l Eric Wertheim
^ a b c USN (2009年2月6日). “ ⇒FAST COMBAT SUPPORT SHIPS T-AOE(fact file)”. 2016年11月20日閲覧。