ソフトウェアの販売形式は、購入したエンドユーザーが永続的に使用することができる「買い取り形式」が多い[23]。ただし、ソフトウェアのバージョンアップやサポートに追加料金を支払うこともある。
サブスクリプション方式は、月単位または年単位の期間で契約し、利用料金を支払うが、期間内のバージョンアップには追加料金が不要となる[23]。
エンドユーザーからすると、ソフトウェアを使用するための全ての費用がランニングコストに含まれており、イニシャルコストが不要な料金形態であるともいえる[5]。
2013年にアドビシステムズ(現:アドビ)は、それまで同社の主力製品であったパッケージソフトから、サブスクリプション方式への販売転換を発表した。
2015年には2014年比で22%アップ、通年の売上が記録更新の額となるなど、サブスクリプション方式への転換の成功例といえる[24][25]。
またソフトウェアのみならず、新規出店と新規顧客の獲得を繰り返す従来型ビジネスモデルに業績拡大の限界を感じる業態[26](飲食、自動車、ファッション、化粧品、旅行業[27]など)においても、サブスクリプション方式への転換が計画されている[25]。
サブスクリプションエコノミー専門家のマーク・ヘラーは、2019年のインタビューで音楽・新聞・自動車などの業界でサブスクリプション方式が普及していることを例に挙げ「消費者は製品を所有することより、サービスにいつでもアクセスできる自由をますます重視するようになった」と指摘している。
ザ・ハリス・ポールが世界12か国で実施した消費者調査によると、調査対象者の57%が「所有するものを減らしたい」と回答し、68%が「人のステータスはもはや所有物によって定義されないと思う」と回答した[28]。
「サブスクリプション」の名称としては新しい用語であるが、賃貸住宅や新聞の定期購読といった定額制サービスは従来から存在していたし、「定額で一定期間使い放題」という仕組みそのものは古くから存在する[29]。 2010年代後半ごろから、略称である「サブスク」がメディアでも用いられるようになり、提供・企業側のサービス名称にも冠されるようになった[31]。 2019年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた[32]。
サブスク
サブスクを用いた用語例
新車/中古車サブスク - 新車・中古車に関わらず、車両本体の使用料のみならず、保険料や整備費、消耗品、税金などの各種代金・付帯料を月額料金にまとめた商品。ただし、従来からカーリース契約や長期レンタルなど同種のサービスは存在した。
音楽サブスク - Apple Music、Spotifyなどの定額制音楽配信サービスの総称としての用例[33]。従来からUSENなど定額料金の配信サービスは存在した。
サブスク解禁 - これまでは版権の都合でサブスクリプションに消極的だったレコード会社やアーティストの楽曲が、定額制音楽配信サービスで配信開始されること[34][35][36]。この考え方も従来から当初月額料金の提供に反対の立場が変わる場合があった。
サブスクLIVE - LINE LIVEが提供する、定額でライブハウスからのライブ配信を楽しめるサービス[37]。名称以外では特に新しくなく、テレビなどが演奏会を生中継することはあった。後述する「サブスクライブ」(subscribe)とは意味が異なるので注意。